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どうも、おひさしぶりです、タイチです。
久々にAIRに執筆したのは、ど〜しても納得いかないことがあったからです。
昔、高校野球をやってました。 その頃は、プロ野球の選手を見本に、上手くなろうとがんばって練習していました。
ああ、懐かしいのう。
野球に携わり、野球が好きな者として、どうしても一言云わせていただきたい。
プロ野球、スト決行!
スト決定のファンへの説明とお詫びのため、 17日金曜の深夜、CXの「すぽると」に出演した選手会会長の古田敦也(ヤクルト)が、 全国中継のTV生放送にもかかわらず号泣した。
「ストは残念だけど、古田会長を応援している。球界のためにがんばれ」
経緯を説明した後にアナウンサーが、上記のファンのメッセージを読み上げた時だ。
球団経営者と交渉を続けて10時間こもりっぱなし。 その結果のスト決行に、ファンに迷惑かけると一番がっかりしていた古田が、 スト決定後に初めて聞かされたファンの声だったのだろう。
人目もはばからず、TVの前で泣いた。
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今回の経営者VS選手会の労使交渉で古田は、 両者間のあまりの信頼関係の欠落に失望していた。
ファンのためにストを回避したい古田は、一度は合意直前までこぎ着けた。 しかし、直前で決裂。
理由は、合意文面作成中の言葉の問題だった。
「2005年以降に向けての新規球団参入に向けて、最大限誠意をもって対応する」
という経営側の文面に対し、古田は一度はOKした。
しかし、近鉄を中心とする選手会強鞭派から、 (消滅する近鉄選手は、新球団でもいいから行き先確保に必死)
「2005年からの新規球団参入に向けて、最大限の努力をする」
でなければ納得いかないとの意見。
つまり、
「以降」でなくて、「2005年から」と言い切らせろ。 「誠意」とかでなくて、「最大限努力する」と言い切らせろ。
とのこと。
ストは避けたい古田は、「以降」でもいいじゃないかと他選手会を説得したり、 経営側へ行って説得したりするなど、2つの部屋を行き来していたという。
結局、そんな些細な言葉の差を解決できない程、両者の溝は深かったのだ。 基本的な信頼関係さえあれば、合意できたはずなのに・・・。
古田が流した悔し涙の一つの理由がここにある。
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古田は、選手会の強鞭派と経営側とファンとの板挟みだった。
17日の交渉だけをみると、経営側がかなり譲歩しており、「以降」という文字の有無にこだわらず、 大筋で選手会側が合意してもよかったかもしれない。選手会側が頑固過ぎたのかもしれない。
だが、選手会側をこれほどまでに頑な姿勢にさせてしまったのは、 いうまでもなく、この交渉までの経営側の無神経な態度なのだ。
選手会側は、経営側の態度や言葉に対して不信を抱いている。 だから、合意文書の一文字一文字に過剰に反応しているのだ。
経営側の云う「誠意」という言葉ですら、信用できないのだ。
1週前の団体交渉でも、「近鉄存続の可能性をめぐってシミュレーションをする」 と経営側が回答し、これを受けて古田は先週のストを回避した。
その決定の直後、経営側の瀬戸山代表(ロッテ)から、 「近鉄の存続はない。シミュレーションをするのはそういう意味ではない。」とのコメント。
この発言を古田はストを決めて帰る新幹線の中で聞いたと云う。 古田はもちろん、近鉄をはじめとした選手達はブチキレ。 「なんのために、ストを回避したのか?!」という声。 中には、古田がナメられているとか云う選手もいたとか。
このように、経営側の態度は、政治家のそれと同様、 私利私欲の計算の上で、のらりくらりで表向きな言葉遊びをする。 選手会が頑なになるのも無理はない。
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今回の交渉決裂の、理屈上の理由は何か?
経営側いわく、 「2005年から」と限定出来ない理由は、「時間が無さ過ぎるから」とのこと。
貴様ら〜、
ウソつけコラ。
今は9月。来シーズンまでもう半年も無い。確かに時間は短いと思う。
では、それが理由であるならば、何故にもっと早く新規参入の検討をしなかったのか。
近鉄消滅の話題は確か6月だった。ライブドアが買収に名乗りを挙げたのも同時期だ。
近鉄が消滅することはやむを得ないとしても、 本当に12球団維持する気があったのなら、 新規参入案の検討は6月から出来たのだ。
いや、マスコミに取り上げられる前から当事者たちは知っていたはずだから、 もっと前から出来たはずである。
俺は不思議だった。何故に、願っても無い話のはずのライブドアと交渉が進まず、 近鉄がオリックスと合併して11球団だー、やれダイエーも消えて10球団だ・・・と、 球団が減る方向の話しか聞こえてこないのか。
そう、経営者どもは、 そもそも鼻から、 球団を増やす気など毛頭ないのである。 おそらく、交渉中の現在も考えていない。
今の経営の流行りはダウンサイジング。つまりは、まずくなったらとにかく縮小!削減!だ。 「経営的にまずいのかー、じゃー近鉄やめちゃえ。てことで11球団で。 いっそ10球団にしちゃおうか?すると1球団あたりの儲けは・・・」みたいな。
球団は、フツーの会社じゃない。何千万のファンがいる。いわば何千万人の顧客がいるのだ。 顧客という意味は、実際にチケットを買う客だけを指しているのではない。 あのトヨタでさえ、何千万人も顧客はいない。 けれどもあの世界の大企業は、顧客アンケートを懸命に行うなど、 ユーザーの声を無視しては生きていけないことを知っている。
ファンの声が、プロ野球の大経営者達には聞こえているのだろうか。
「2005年参入のための時間がない」状態にしたのは、経営側自身だ。
「時間がないから」という無責任な説明をするな。 「やる気がないから」とか、もしくは経営的な理由を正直に言え。 とにかく、やらしいんだよ!誠意の微塵もない。 理屈の是非より、オマイらの人間性が問題なんだよ。
それに「時間がない」というのは、普通にやってたら無いわけで、やる気になれば出来ないわけない。 老人役人が現役だった頃の大昔のスピードで考えるから「時間がない」わけで、現在はスピードの時代。
新規参入を目指しているライブドア堀江社長(31)も楽天・三木谷社長(39)も「なんでそんなに時間がないの?」と、 サッカーJリーグ川淵キャプテンも「野球は何してるんだ。腹が立つ。さっさとやれ」 って感じだ。
プロ野球界は、外から見れば旧態然でイライラするらしい。
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12球団か、11球団か、10球団か、2リーグか、1リーグか、 今の日本の野球文化に照らし合わせると、どれがベストかは分からない。 経営側の云う通り、減らした方がいいのかもしれない。
だからといって、経営の論理だけで、経営者だけで密室で進めていいことではない。 やり方が汚い。皆で議論して進めなければイカンことだ。
というわけで、 今回のストの原因は、議論内容の前の問題だ。経営者側の人間性の問題。
しっかし、 あの巨人を去ったナベツネ元オーナーは、つくづく世渡りの上手い人間だ。 表舞台から去ったが、今頃は影で糸を引いているだろう。 最高の時期に、火の粉をかぶらない最高の位置におさまった。
そういえば、夏頃に「話し合いたい」と云ってきた古田選手会長に対し、 ナベツネ元大オーナーは、
「無礼な、たかが選手がっ」
と言い放った。 今年の流行語大賞候補にも挙がりかねないこの名セリフは、経営側の態度を一言で表している。
選手会強鞭派と経営側の間でスト回避を望んでいた古田に、 スト・ミサイルのボタンを最後の最後で押させたのは、
ナベツネが古田に突き刺したこの一言なのかもしれない。
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ストとなった18日、試合のない神宮球場に、 「古田ガンバレ!」という看板をもったファンが集まったという。
別の球団のファンからも、 試合の敵味方そっちのけで、古田への声援がやまない。
古田の涙で、世論は確実に選手の味方となった。
経営側は、ストによるウン十億円となる損害賠償請求を 考えているらしいが、そんなことを企んでいる場合か。 そんな法廷闘争まで発展させたら、それこそプロ野球を崩壊させる。
その世間の空気とかけ離れた感覚をどうにかしてほしい。 それともそれは、どうにもならない「バカの壁」なのだろうか。
また、来週末のスト予告に向けて 再交渉がはじまる。
040919 t a i c h i
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AIR〜the pulp essay〜_ハラタイチ
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