ことばとこたまてばこ
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凍える冬の日、森の中でちっとおっきい音無し子が枯れ枝をちっちゃな音無し子に手渡した。 「それを折ってみてごらん」 ちっちゃな音無し子、細い両腕に力を入れる。 枯れ枝がキシキシキシシシしなってゆく。 ちっちゃな音無し子、かわいい顔ゆがめてさらに力をこめる。 枯れ枝はパギャッと響いて折れた。 ちっちゃな音無し子の両手それぞれには鋭い切っ先の木の枝。
「それは骨の折れる音でもあるんだよ」 生まれつき音を聞いたことのないちっとおっきい音無し子はそう教えた。
2007年03月23日(金) |
だからおれにはまだわからねえ。 |
音無し子が物見ぬ子と真実心を通わせゆるにはどうしたらいいんだろうかな。 おれにはまだわからねえ。
音無し子のおれにとって空話は実にしみじみと、する、視覚による言葉なんだ でも物見ぬ子にとっては声による言葉もまたおれの感じる情感と等しくあるんだろう。 だからおれにはまだわからねえ。
きれいごとを第一に考えてみればいくらでも理由は飾り立てられるけれど 本質的におめえはできるのか、と問われると、もう、おれは答えられやしない。 だからおれにはまだわからねえ。
率直に言ってしまうと音無し子のおれは 物見ぬおめえを憎たらしく思うと同時にひどく羨ましい、 といった情感を覚えてしまうんだ。 だからおれにはまだわからねえ。
だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。 だからおれにはまだわからねえ。
煙草の煙のように音にも色、匂い、形があると信じてる。そしてすぐに消えてしまうということも知っている。
真っ赤な音を吸った雪が赤く染まった。
一度でもいいからしみじみと歌を歌ってみたいものだね。
いやさか!まったくもってありがとう、ありがとう!君は音の恩人だ!
横一直線の鋭い光が闇の中の彼の耳を一筋に浮かびあがらせた。
一瞬、音が煙立つのを見た。
誰か一緒に踊ろう。夜が明けるまで。そして、もう逃げてもいいんだと誰か一寸言ってくれ。唄い踊り、ちっと忘れたいんだ。
そして音がー・・・ ともった。
幼子の大群が張り上げているらしい歌がまるで鬼気迫って聴こえた。
だがそんなに音がないことが心配なのか?
黙って受け入れます、音なんて実は絶対に聴けやしないんだということを。
突然、騒音。
リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル リリルル
風が吹いて柔らかく小枝を揺らし、ジャパン生き残りの注意深い音無し子をなぶった。
音楽ってのは凶器にすらなりうるの?
その瞬間、おれと音が一直線上にあった。
宇宙では無音だという。ということはあれどういうこと?音無し子の世界はまるで宇宙だと?だとするとなんて素敵な
あの眼は夜空の煌々たる月の音を感じていた。
青のおめえだったか 灰色のおめえだったか とかく数多の色に染まるおめえとふしだらなマネをしていた妄想 おめえと共に歌って哭いて落ちてそして揺れ動いていた おめえと共にいた場所はあれはどのデパートの屋上だったか だが妄想の中ですら別れがやってきた 引き裂いた写真を空に流したこと ふいに強い風が吹いて倒れそうになったこと そしてあの妄想で最後に振り向いたおめえの眼が 今にも沈む業火の太陽よりもぎらぎらとあんまり力強く美しく 真っ赤に燃えさかる目ン玉だったということが克明に思い出されて
ある音無し子はラジカセを手に持ちながら ヴォリュームを最大にしてびゃんびゃん暴れる音が てのひらで跳ね回るのを感じて楽しんでやがて悲しんで 何の歌なのかなー どこの歌詞なのかなー 何の音なのかなー クラスメイトが涙を流すほどに感じ入る音楽の魅力は やっぱりだけどあんまり分からなかったよ 音を大きくして響かせれば良いってもんじゃなかったよ
ある音無し子は道を歩いてた 別にふらふらしてたわけでもなく いたって普通に道を歩いてた 後ろから車がやってきた ちょっぴり強引に左へ曲がろうと走ってた クラクション聴こえるはずだよと パンパンパパーン何度も鳴らして 音無し子を巻き込み曲がった 聴こえるはずだよと思ってたよ 運転手なんどもそう言ってたよ
ある音無し子は素敵にステキな愛しい子の口を 見つめて声をつかもうとして懸命に見つめた それってば水をつかもうとしているよな努力だった 水をつかんでも手に残るはさらさらの水滴 言葉をつかもうとした音無し子に伝わるはきれぎれの単語 単語をつぎはぎだらけのフランケンシュタイン文章に直して 懸命に頭を働かせて千載一遇の愛しい子との会話を少しでも続けたい! そう願って頑張ってたけれどもだめだったよ ばかばかしくってくだらない低能のような会話しかできなかったよ おれはもっといろいろ考えているのにな、と おれってばもっと愉快なこと知ってるのにな、と おれが思っていることの鼻くそほども伝えられなかったな、と 狂おしく悔しくて寂しく情感じめじめの音無し子は そんなこと思いながらステキなあの子の去ってく後ろ姿を眺めてたよ
静かに音が流れ出したあとに残るは純粋な歓び 音が舞ってる 音が踊ってる 音が滲んでる 音が弾けてる 音無し子は音の狂乱の中を平然と歩いてるのよ
2007年03月19日(月) |
私を見てなァんて重々しく言ったら、おとぼけさんめっと軽々しく返された |
私の声なんてあなたには聞こえやしないでしょう。 しかつめらしい顔で私果てしのない荒野を歩き出すわ。 夢も希望も光もなにもかもないわ。 あるのはただ涙だけよ、誰も私を見てくれない、誰か私を見て!
やあ!びくりと瞼が痙攣するのを見たぞ! やあ!びくびくっと鼻が痙攣するのも見たぜ! うっふっふ!そこが荒野だって?ばかだなー、ほんとのほんとにぃ、ばかだなー。 ごらんよ、どこが荒野だい? じつは目の前に家々の立ち並んでるちょっとばかし広い公園の一角なんだよ。 光もあるやんか、いひっひひひっ、ばかねー、ほらごらんよ。 我が国が電気代を支払ってる蛍光灯が一晩中公園のあちこちに灯ってるぜー。 夢だってだれが彫ったのか知らんけども公園の入口に立派な女人裸体彫像の足元に立派な行書体字で「夢」って彫られてるさー! 希望ならたしか公園の片隅に捨ててあったへんたい本に希望と書いてのぞみと読む女子高生がグラビア飾ってたなー! 誰もおめえを見てないってゆうてるけど見てるやんか、おっちゃんが見てるやんか、こんなに見てるやんか、そんなスカート短くしちゃって! こーのぉー、おとぼけさんめっ。おけつひっぱたいちゃうぞお、ぞおっ、ぞうっ!ぞうさんがパォーン!
軽々しくジョークで何もかもどうにもこうにもごまかされて。 ほんとのほんとの絶望に辿り着いて気を違えてでもしやしないとあかんのかしら私。 いいんだかわるいんだか、はてさて、とりあえずここは、くひっ、と笑った私。
陽気に手を振ってやってくる化け物さん 化け物さん今日もステキな笑顔でスキップのスキップよ らんらんららん! 化け物さんスキップの跡の窪みに車が落ちて爆発の炎上の追突の阿鼻叫喚の こんにちこんにちこんにち こんにちわあ! ずいぶんと楽しそうで!今日はどんなおほぇっぐちっ 化け物さん陽気に振り回してた手が当たってあのスーツ男の頭ぶっとんだ イェイ イェイ イェイ イェェェェェエーイ デュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウド! あらあらほんと楽しそうね今日はどこへぇらっぷっぶぴぴぅっ 化け物さん陽気に振り回してた手が当たっておばはんの頭ぶっとんだよ どりどりろりろぅ どりどりどりどりどりりりっ りっりっりっ りりりっりりりりぃぃぃ! うっふっふあたしも一緒にぃ踊ったりなぁんかぁあっひっひひっぴざびっ 化け物さん陽気に振り回してた手が当たってかわいい女性の頭ぶっとんださ チャラララララリ ツンツクテンツクツクテンテン テリテリツクツクツン! わふーん わふふふん わふんわふん わふっわふわふっぶぶぶぎゅぼっ 化け物さん陽気に振り回してた手が当たって小林さん家の駄犬の頭ぶっとんだね トットトトッ スットトトトトトトトトトン スットットントコトンのトン! きゃらははっあたちもっもっいっしょ に すちっぷするるるるぃるびっ 化け物さん陽気に振り回してた手が当たって保育園帰りの幼子の頭ぶっとんだぜー
化け物さん今日もまた陽気に手を振って海へ帰ってった 化け物さん陽気な歌声海底からアブクとともに響いてくる 化け物さん明日の昼頃また陽気に手を振ってやってくるんだろナー 化け物さんの笑顔ってとびっきりステキなんだけどこんなしょっちゅう来られちゃ困っちゃうナー
別段困りきったようでもない声で畳屋のおっちゃん太い針操りながら呟いてたネー
化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さん 化け物さんよ 今日はどんな具合だい? ご機嫌かい?さてまたはご機嫌ナナメかい?
2007年03月17日(土) |
おれの強さはおめえなんだ |
おれはおめえという人に 愛だとか薄ら寒い言葉では言い表せぬ程 おれの末端神経隅々にまで行き渡る程 ぜったいにおれの起源だと思わしめる程 底知れぬ深淵の熱さを見ている おめえと交わした言葉も おめえと共に過ごした刻も おめえにどれほど嫌われてようとも そのことごとくがすべて一切 おれがおめえに抱く熱さを揺るがすことなく おれはおめえを守るためなら 世界中に悪鬼羅刹と罵倒されて尚 ギラギラリと薄く微笑めるかなと考えているんだ
下界へ唾を吐き散らしていた天使が羽を滑らせて天上から落っこちた ビルとビルとビルの隙間にぴったりと収まるようにして天使は落っこちた 針金のように痩せ細ったみすぼらしい犬が天使の放つ無上の芳香を嗅ぎつけた しばらくのあいだ犬は天使の尻へ鼻先をつっこんでその香りを味わってた くしゃりくしゃくしゃくしゃり 天使と犬の回りに生卵が次々と降って潰れる ビルのてっぺんで弱々しく座している老人が生卵を延々とほおってた むせっかえる犬と卵の嫌な匂いが天使の芳香すらも覆いつくしはじめた そして犬は横たわっている天使の翼にかぶりついて食べちゃった! 天使の血はなんだかビターチョコレートに似てかすかに甘かった 天使の肉はなんだかチョコの詰まったマシュマロに似て柔らかく美味だった 天使の骨はなんだかシガレットチョコに似て歯ごたえのある甘さだった 天使の脳はなんだか地上の甘味を凝縮したよな甘さであんまり美味しくはなかった もしゃもしゃもしゃ! もしゃもしゃもしゃ! もしゃもしゃもしゃもしゃ! 蠅がたかりはじめた天使の屍骸よアーメン!もしゃもしゃもしゃもしゃ!
2007年03月15日(木) |
うるさいなんて感覚分からなくなっちまったよ |
地獄にいるのか天国にいるのかおれには全然わからないけれどあの子でもよく聞き取れる低い音を少しでも!ドン!ドン!固く握ったこぶしで床を叩くドン!ドンッドンドンドドドドン!おめえを失ったドドンドンドドンドドドドドドドン!もう2度とおめえは振り向きやしないドッドドドドドッドドドドドドッドドドドドドドン!やめて!うるさいわ!ドンッ!ドンッ!ドンドンッ!ドンッ、ドンッドゥンうるさい?ドドンドンドンッうるさいだと?知らねえドトッ知らねえうるさいってなんだドガンッ!ドンドンドンドンドンドドドドドドドォッン!お願いやめてドッドドドンッ!知らねえ知らねえ知らねえもうおれはうるさいなんて感覚ドッ!わからなくなっちまったよドンドンドンドドドッドンッドンッドドンッドッガッドガッガッ!
あなたとさよならのキス 素敵だったわ 見て 湖が凍ってる 見て また雪が降るわ あなたの黒いコート あたたかそうね わたしはもうそのコートに入ることないのね (チッ!ちくしょうめ この臭いたにし野郎め まったくど頭にクるわね! 湖に身投げして凍った水面を滑ってっちゃえ!)
2007年03月13日(火) |
個人的にグッとキた映画の台詞メモ |
『小人の宴会』
ああ 美人だな ああ きれいな娘だ きれいな娘だ
まあきれい 先公は寝室でこんなもの見てずるいわ まあ きれい この目 お星様みたい もっときれいだわ!
ああ 美人だな うーん 美人だ ああ 素敵なオッパイだ
『七人の侍』
ドッコイコラコラサッサ オイデゴンセ シュッシュ アソカヨ ソレマタ サーエ ソーヨノ オッホッホイ ホーイノホイノ
『ナショナル7』
オデコはいやだ 唇にキスされたい
『ロッキー』
恐怖はボクサーの親友だ 恥じることはない 恐怖がボクサーをシャープに鍛えてくれる 要は恐怖をコントロールすることだ 恐怖は胸の奥で絶えず燃えてて それがボクサーをホットにする その火をうまく利用してパンチを打ちこむパワーに変える
英雄と臆病者の違いは一つだ 英雄はいざというとき捨て身になる 向こうもお前を怖がっている 地下室で話したことを覚えてるか 恐怖は火だ その火でお前は燃え上がるんだよ それをうまく使った者が勝つ 火山のようにその火を熱くたぎらせて そして一気に噴火させるんだよ 筋肉じゃない ハートだ ハートと火 ハートと火が勝負の決め手だ お前の肩には天使が留まって見守っている
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
これは最後の歌じゃない 分かるでしょう? 私たちがそうさせない限り 最後の歌にはならないの
『ホテル・ルワンダ』
だがそのときー 電話を通して相手の手を握りなさい 手を離されたら死ぬとー 伝えるんだ
『風の丘を越えて』
あの人は言っていたわ いくら寂しくてもー 娘の眼を奪う父親がどこにいるか、ってね 立派な唄い手にするために 心に”眼“を刻みこもうとしたのが本当らしいわ
気取ってないで、まともに唄え
俺も一晩中聞いたよ お前の声と太鼓の拍子が合った時ー 体に触れなくても相手とじゃれあいー ある時は抱き合ってー 男女の戯れをしているようにさえ思えた
『生きる』
いや、その気になれば!
わしは人を憎んでなんかいられない。 そんな暇はない。
命短し 恋せよ乙女 紅き唇 あせぬ間に 赤き血潮の 冷えぬ間に 明日の月日の 無いものを
『彼女について知っている2つ3つの事柄』
目、それは肉体 そして音は・・・
ママ夢を見る事ある? 学校に遅れるわよ 教えてよ 昔は夢を見ると 大きな穴に吸いこまれてー 自分がなくなるようだった 今は夢の中で自分が粉々に砕けていく 昔は目が覚める時ー ゆっくり覚めた時でも 全身が覚えた 今は何か欠けたままの感じ ぼく昨日の夜夢を見たよ どんな夢? ぼくはひとりで歩いてた 崖っぷちの道でひとりしか通れない細い道だったの 突然双児が現われてー ぼくの前を歩き出した どうやって通るんだろう? と思ったらー 双児のひとりがもうひとりに近づいて ふたりが合わさって ひとりの人間になったんだ その時ぼく気がついたんだ そのふたりはひとつになる南北ベトナムだったんだ
『スケアクロウ』
笑う事を覚えたな 俺が教えたんだな
「あの人なんか板みたいなのを耳にあてて一人でしゃべってる どうして?」 生まれつき声を聞いたことのないちっちゃな音無し子が問うた。
ちっとおっきい音無し子は少し考え、答えた。 「あれは電話で、声が声をつかむための道具なんだ」
2007年03月11日(日) |
父の火種は未だ続いてる |
雨夜を立ちのぼる白骨色の父の煙を見るに耐えず つい眼を伏せてしまったその瞬間、突然に絶叫が響いた それはじつは私自身の悲痛な絶叫だった 父、父、どこへゆく! 父よ、父! 濡れ羽色も鮮やかな黒犬もまたうぁんうぉんとむせび泣く 私の子供が雨でしとどに濡れる棺桶に触れた 死せり老人と生きし若人 なんという生死の対比
帰宅して薄暗く残り香未だ濃い父の部屋に立ち入る すると奥の部屋に通じる襖が細く開いていた 窓から差し込むおぼろな街灯に照らされて座椅子に腰を落ち着けている猿がいた 私と子供は驚いた やがて猿はしみじみと歌らしきものを唄い始めた 鋭い牙に歯茎を剥き出しにして唄うその歌には怒りも悲しみもなく ただ ただ 闇に近い深く濃い緑色のみを思わせた しばらくして唄い終わった猿は青いびい玉に似る眼を私へ向けた 「ところがまだまだ死ねません」 猿はそう言って湯呑みをいたわるようにそうっと両手で持ちながら 湯気立ちのぼる熱いこぶ茶を飲み干した やがて呆然自失の私の傍らで子供がけらけらけらと笑い出して
2007年03月10日(土) |
そろそろ沈黙すべき時が |
おめえのその眼がおれのほとんどだったんだ おれの投げ捨てた空き缶がくるくると回転する 流れ星に願いをかけるおめえのロマンティシズムを好ましく思ってたんだ 怒ってる 怒ってるさ 怒ってるけれどもそれはおめえを愛しているからなんだ 宇宙は無音ってゆうわよね でもこないだ夢の中 あれはほんとに暗い夢だったわ その暗い無音の中で ぱうっと火がともって ぼうごうごごうと燃えさかってゆく様子 それを観てたら なんだかわからないけど音が聴こえたような気がしたのよ 以前おめえが言ってた このこと おめえにとって音があるということはほんとにおめえを救いうるの? ダイエット料理はバカが食べるものよという おめえの考え まったく好きなんだぜ! ほんとのほんとに これで ほとほとすべておわりなのか?
そうか そうかそうかそうかそうかそうか
やっぱりおめえの眼はあいつに似ている やっぱりさね 似てるんだよ
2007年03月09日(金) |
その瞬間までまるでのんきだったおれ、豚肉に頬をはたかれて反吐の中に顔つっこんじまえ |
雨の日の夜は決まってものうげな強い眠りに捕われるおれ、今日もまた瞼をとろとろさせてた。すると何か不透明な窓ガラスに遮られて、丸い栗色の光が儚いほど弱々しく揺れ動いているのを見つけた。夢うつつにいたおれは焦点の定まらない頭で「ああ、あれはなんともあいつの眼の色とそっくりだ」と思った。栗色の光は何度か消えそうになりながらも、時折、強く光った。栗色の光は一点に定まっていないかのように見えたけれどそれでもやっぱりある一点を中心にして揺れていた。栗色の光はよくよく見つめれば単純な一色では決してなく、随分と機微に満ちている色を有していた。やがておれは眠った。
後日おめえがいなくなって。
あの光の揺れ動く様子ひとつひとつが全ておめえのための重要なヒントだったんだ、ということを悲しみにうちひしがれているおれはのんきにもずいぶんあとになってようやく気づいたのだった。
2007年03月08日(木) |
18歳未満禁止の覚えやすい陽流指文字による文章興し。 ※映像化希望者募る。 |
「あ」の指で愛しいおめえの頬をなでる。 「い」の指で軽くおめえの脇をつつく。 「う」の指をおめえの口に含んで舐めてもらう。 「え」の指でおめえの胸をもみしだく。 「お」の指でおれのものをおめえはにぎる。 「か」の指を強くゆがめておめえの責めにきつくこらえる。 「き」の指の先端を互いにくっつけあわせておめえとおれの手のキス。 「く」の指でおめえの尻を何度もなでまわす。 「け」の指でなでまわしていた尻からおめえの中に近づこうと。 「こ」の指でたまらずおめえをぐっと持ち上げる。 「さ」の指でおめえは胸の上で堅く拳を握っているな。 「し」の指で下着越しにおめえの熱い中心をまざまざと感じいる。 「す」の指でおめえの中心を少しく強く押す。 「せ」の指でついに中心に。 「そ」の指をも使っておめえがもっと気色良いように、と。 「た」の指でとがっているおめえのおめえの乳首をいぢくる。 「ち」の指で優しくも強くおめえのふくらみをもむ。 「つ」の指でさらに丹念に乳首を。 「て」の指でおめえの首筋からふとももまでをなで下ろす。 「と」の指をおめえの鼻に突っ込んだら馬鹿変態プレイは嫌と怒られる。 「な」の指でおめえの中心を開く。 「に」の指でずるりとおめえの中心に。 「ぬ」の指がおめえの中でうごく。 「ね」の指のおめえの手はおれの首筋のあたり。 「の」の指でおめえの中心のさらに奥へ、と。 「は」の指をも取り入れるおめえの中心。 「ひ」の指を唾液に濡らしておめえの唇をなぞる。 「ふ」の指の親指で名残惜しくおめえの鼻をなでる。 「へ」の指から始まって変態プレイは嫌馬鹿阿呆頓間と再度怒られる。 「ほ」の指のおめえの手で頬をはたかれる。 「ま」の指で三回も叩くことはなかろうぞとおれは苦情。 「み」の指で激怒するおめえから両目と鼻への目鼻潰しをくらう。 「む」の指で痛みに身悶えしながらつっつかれた部分をこする。 「め」の指から始まって眼大丈夫?と尋ねるさすがにやりすぎたと反省のおめえ。 「も」の指でまったくひでぇことしやがると愚痴りながらもやっぱり愛しいおめえの頬をもむ。 「や」の指から始まって優しくしましょうねとおめえに諭される。 「ゆ」の指で喧嘩の後の情事は妙に燃えると思いながらいっきにおめえの中心へ。 「よ」の指をも荒い息づかいで勢いに流されるまま。 「ら」の指から弾く感じでおめえにおれの乳首をつねられる。 「り」の指でおめえはおれの胸から下の方までいやらしくなぞりおろす。 「る」の指でおめえはおれのものの先端をつねる。 「れ」の指をも使い分けながら先端への刺激に強弱つけるおめえ。 「ろ」の指でぢりっと軽く先端をひっかくおめえ。 「わ」の指で負けじとおめえの敏感な部分3つを責める。 「を」の指にある穴が小さく小さくなってゆき握りこぶしのおれとおめえ。準備は万端とおれはおめえの中へ。 「ん」と声漏らしたかどうかは知らない。
2007年03月05日(月) |
まるで色の意味を知ってはいなかった |
赤という色の意味を心臓が縮むほどにつくづくと思い知った
おめえの吐血を見て
2007年03月04日(日) |
冒涜の歌を陽気に歌った |
雪の中を走った 走った 足跡が残った 残ったよ 疲れて壁にもたれかかった 雪は止むことなくて白まみれの老人 おんぼろ靴に冷たい雪が染み込んだ 急に古い友人の名前と顔を思い出した よろめきながら友人の家を探し当てた すまない こんな汚い格好で 元気だったか ああ あれは今生の別れではなかったな 椅子があった 暖炉があった 座った 暖まった 眠った 骨が砕けるほどに眠った ドアがひめやかに閉まった 閉まった ろうそくの火がすきま風に消された 安かった 安かったね 一握りの砂よりも安かった 夢の中で陽気な歌を歌った 天使と悪魔と神々を拳で思いきりぶん殴る歌を歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った 歌った
あの威厳に満ちし手で少年は頬をなでられる そして風の音がひびいた どうごうどうごうどごうごうごう 黄金色の砂塵が凄まじく吹いた あたりはまるで黄金色の闇と化した 少年はその中にただ立ちつくすのみだった
そのとき ふと 黄金色の闇の先に 雄々しく跳ねる馬の姿を きれぎれ に 見た
2007年03月02日(金) |
音無し子の抱く性的幻想 |
音よ、おめえが何度おれの手をすり抜け 飛び去ろうとおれは決して諦めぬよ
おれが産まれ落ちたときから いやもっと前からあったと聞いている おれが母の胎内にいたときから いやもっと前からあったと聞いている おれが父母の微小な一部だったときから いやいやもっともっと前前前前だと聞いている おれが恐竜の徘徊する森の中でそびえ立つ樹だったときから もっと!もっと!もっともっともっともっと前だと! おれが何者ですらない意識の塊だったときから 音よ、おめえは在ったと聞くよ
いつかの日 未だ知らぬ存ぜぬ姿の音という名のおめえを抱きしめ おめえと互いの秘所をいぢくりあってまぐわりあいたいー・・・
おお それはいったいどれほど エクスタシーの極みにある音楽なのだろうか
音よ、おめえが何度おれの手をすり抜け 飛び去ろうとおれは決して諦めぬよ 音よ、おめえが何度おれの手をすり抜け 飛び去ろうとおれは決して諦めぬよ
おれはおめえと共に快楽の絶頂を味わいてえのさ
2007年03月01日(木) |
ある事柄を気づかせようとわっかは |
道にわっかが落ちていた。そのわっかの触覚といえばなんだか妙にぬらぬらしており、舐めてみると苦くてしょっぱくある。わっかを好奇心に流されるままあちゃこちゃ振り回す。するとわっかが手からすっぽ抜け、宙を舞い、おれの脳天に直撃した。すると大小様々な青白い球体が発光しながら浮遊している様子がまざまざと見えるようになった。あの球体はなんだろか。球体に手を伸ばしてみるとそれはぶよぶよしていて肉のような質感。手を通じて球体の叫ぶ声が響く。それは怒気をはらんでいるとても強烈な声。 「貴様貴様貴様!一度でも青空の中で立ちつくしたことがあるのか!」
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