秋と言えばチクチクの季節なのだ。 最近、ボクもボスも、そして夏以来久しぶりに帰って来た納屋猫あんちゃんも みんな体中チクチクである。 チクチク家族の中にいながら、唯一チクチク仲間に入っていないのは、ちっとも 外に出てこないアキコだけである。
今日は久しぶりにアキコが外に出て来たので、ボクはアキコもチクチク仲間に 入れてやろうとチクチクのたくさんある場所を選んでぐいぐい引っ張った。 ボクのおかげで今日からアキコもチクチク仲間になったのだ。
チクチク仲間に入ったアキコはさっそく憎きチクチクの花の写真を撮影した。 このチクチクは「コセンダングサ」というチクチクである。 これのチクチクが一番ボクをかゆくするので、一番迷惑なチクチクなのだが、 そんなヤツに限って一番たくさん生えているのだ。
アキコは「チクチクめ〜」と言いながら敵の写真を撮っていたが、当の敵は 余裕のピースサインである。 この調子だとまだまだチクチクを生産してボクにいっぱいつけるつもりに違い ないのだ。
ちなみにアキコがチクチクの写真など撮ったので、その間まわりをウロウロして 遊んでいたボクに今日はまた一段とたくさんのチクチクがついてしまった。 憎きチクチクの余裕のピースサインがますます憎らしいのだ。
ボクの庭のモミジの木には今年、何かのツルが絡まっていた。 散歩に行く時にボスの頭が当たったり、荷物の配達に来た サガワさんの車にのれんのように触ったりして邪魔だったのだが、 アキコはなぜかずっと「このツルは切ってはダメ」とボスに お願い(命令?)をしていた。
ボクはてっきり食べられる実がなるツルなのだろうと思って いたのだが、ボクの予想に反して、このツルに食べられない実が なったのだ。
これはノブドウの実なのだ。 もしかして食べられる山ブドウとこれを間違っていたのでは、 とも思ったのだが、アキコが喜んでいるところをみるとそうでも ないらしい。 アキコはこれを「秋になる実の中で一番きれいな実」だと言っていた。
ノブドウの実は白いものやエメラルド色をしたもの、写真のように 青っぽい紫や赤っぽい紫の色をしたものなどが一度に見られるのだ。 写真のノブドウの実は「今日一番の美人三姉妹」だそうである。
確かに3つとも違う色をしていてとてもきれいなのだ。 長女と三女の分まで栄養を吸った次女が太ってしまっているところが アキコ(次女)の三姉妹にも似ている。
食欲の秋だというのに、最近ボクは食欲がない(フリをしている)。 なぜ食欲がない(フリをしている)のかと言うと、それは新米の季節 だからなのだ。
ボクはもともと出してもらったカリカリえさを一気に食べてしまうほど 食に興味はないのだが(柴犬系の犬は遊び食いをするのが通例らしいので ボクもそれに従っている)、食欲がなくて(フリをして)、エサを いつまでも残していると、アキコがやってきて 「ゲンゾー、カリカリ食べないなぁ」と言う。 ボクはこのコトバをいつも待っているのだ!
アキコがこれを言った後、必ずほかほかのゴハンを持って来てくれる。 ほかほかのゴハンなので、一口ずつアキコがふぅふぅしてくれるのだが、 この季節、これが新米で、べらぼうにおいしいのだ!
いつもはカメラ目線のボクなのだが、アキコのカメラの向こう側に湯気の 立ったほかほかゴハンが置いてあると、カメラ目線などしていられないのだ。
写真の「期待顔」の後、今日もボクはほかほかの新米ゴハンをいただいた。 新米のほかほかゴハンはすこぶるうまい。 ボクは明日も食欲がなくなってしまいそうなのだ。
いやいやビックリしたのだ。 何にビックリしたのかと言うと、日本列島を襲った大きな渦巻き雲ではなく、 ボクが長らく日記を書くのを忘れていたことでもなく、大きなカボチャなのだ。
今朝、ボクの庭を通過した大きな渦巻き雲にも、もちろん驚いた。 でもボクは雷さえ鳴らなければ渦巻き雲だって怖くないのだ。 勇敢なボクは今朝はアキコが家の中に誘ってくれたのを断って、 堂々と自分の小屋の中で過ごし、豪雨の中ガンバって新聞を配達に 来たシンブンヤさんもワンワンと追い払ったのだ。
そんなボクでもビックリしてしまうのが、写真のカボチャなのだ。 写真のカボチャはボクの住んでいるカモガワで開かれた、 大きいカボチャ-コンテストで優勝した、カボチャの王様なのだ。
このカボチャ、重さが332.5キロあるらしい。 332キロと言うと、だいたいボス4個分くらいの重さなのだ。 ボクは紳士なのでアキコが何個分なのか書くのは控えておいて、 ボクに換算するとボク32個分なのだ。 レモン10個分のビタミンCなんて屁でもないのだ。
でも、今朝の大きな渦巻き雲はこのカボチャよりも大きい木や コンテナも平気で動かしてしまったらしい。 もう大きな渦巻き雲が来ないことを祈るのだ。
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