久しぶりの日記なのだ。 最近変わったことは何かと言うと、ボスの家の屋根裏で子猫が生まれたら しいのだ。 親ネコが外に出てくるたびに「ミーミー」という大きな鳴き声が上の方か ら聞こえてくる。 いつもなら納屋で生まれるのに、屋根裏とは驚きである。
ボスもアキコも本当は屋根裏で子猫が生まれるのはとても困るはずなのに 子猫が鳴く度に「ミーちゃん、ミーちゃん」と(勝手につけた名前を呼ん で)天井に向かってあやしている声が聞こえてくる。 半分嬉しくて半分困ったような、複雑な声なのだ。 ボスは「ネズミの子が産まれるよりいい」という声である。 アキコは「子猫が見られないのがとても悔しい」という声である。 考えてみるとボスとアキコは少しおかしな夫婦である。
屋根裏で子猫を産んだ母猫は写真の猫なのだ。 体が小さくてまだ子猫みたいなのだが、1年前からずっとこのサイズなの でもう立派な大人らしい。
この母猫は夜になるたびフラフラ出てくるので、「ミーちゃん」が大声で 鳴くのは夜中が多いのだ。 ボクもボスもアキコも、この母猫が夜中に徘徊するたびに「ミーちゃん」 の大声が聞こえてくるので少し寝不足である。 早く「ミーちゃん」が大きくなって外に出てくるのが待たれるのだ。
育児に疲れて少し哀愁が漂っている後ろ姿なのだ。 頑張れ、母猫。アキコが出したギュウニュウを飲んでいっぱい乳を出す のだぞ!
今日の日記は写真なしなのだ。 写真がないと、頭の中でその風景を想像することができるので、たまに は写真がない日記も良いのだ。(と書くように写真をさぼったアキコが 言っていた。)
今日、ボスとアキコが家に帰って来たのはもう日が変わる頃だった。 二人が帰って来たので庭に出て、空を見上げたボクは空の美しさに驚い てしまった。 いつになく真っ黒い色をした空にいつになくたくさんの星がキラキラと 輝いていたのだ。
明るい星、暗い星、たくさんの星が空にあって、お隣の畑の向こう側に ある山の上から反対側の山の上まで、空のてっぺんを通ってうっすらと 川のようなものが見えた。
これが噂に聞く天の川というやつなのだ。 黒い空を横切るように流れる川は、たくさんの星に飾られてとてもきれ いだった。 七夕にはこの川のところで織り姫と彦星というカップルがデートをする のだと聞いたことがある。 ボクもこんな川の近くでステキな彼女とデートをしてみたいのだ。
今日アキコはジッカに遊びに来ているおじさんとおばさんを案内して 勝浦の朝市というところへ行って来たらしい。 ボクも連れていって欲しかったのに、またオルスバンをさせられて悔 しいと思っていたら、今日はボスもオルスバンだったので、男同士で 男らしくオルスバンをすることにした。
帰って来たアキコが見せてくれたのは、下の写真なのだ。 大きなトビウオ(1本100円)の箱に混じって何やらとても鮮やか な色の魚が1匹いるのだ。
ボクがアキコに何の魚かと聞いたら、アキコは「熱帯魚」と答えた。 ボクが魚に詳しくないと思ってバカにしているな、と思ったら、実は そうではないらしい。
アキコが魚屋のおばちゃんに「これは何の魚ですか」と聞いたら、お ばちゃんは笑いながら「熱帯魚!」と答えたらしい。 何の魚か知らない魚を売ってしまうとはなかなか愉快な魚屋さんなの だ。 朝市はこれがあるから面白いらしい。
暑い季節になって、ボクの庭は草がたくさん生えている。 ボスとアキコはボクの好きな表の庭のクローバーなどを刈ろうとする くせに、裏の庭はなかなか草刈りをしない。 だからボクの裏庭は草がボーボーに茂ってジャングルのようになって いるのだ。
ジャングルのような裏庭には今、ヤブカンゾウの花が咲いている。 ヤブカンゾウは、若い芽を茹でて食べるとくせがなくてとてもおいし いらしいが、今年は食いしん坊のアキコに採られることもなく、無事 に花を咲かせたのだ。
ヤブカンゾウによく似たノカンゾウという花は花びらが一重なのだが、 ヤブカンゾウは豪華な八重咲きである。 どうして八重咲きなのかと言うと、おしべが花びらになったものらし いのだ。面白いのだ。
ヤブカンゾウの花は、いろいろな草が生い茂った場所に咲いていても とても目立つ色をしている。 ジャングルのような裏庭に、橙色の派手なこの花はよく似合うのだ。
今日ボクが散歩に出かけると、田んぼでシラサギが2羽遊んでいた。 2羽は飛び上がったり歩き回ったりとても楽しそうにしていたのだが、 アキコが写真を撮ろうとしたら急に離れて、動かなくなってしまった。
アキコは「ゲンゾーが近づいたからシラサギが驚いてしまったよ」と またボクのせいにしたのだが、ボクは体の大きいアキコが近づいたか らシラサギがびっくりしてしまったのだと思う。 そんなわけでステキなシラサギの写真は撮れなかったのだが、アキコ はシラサギの写真が撮れただけで満足したようであった。
こんなに大きな野生の鳥が近くに生きているというだけで、日本はな かなか良いところだとボクは思う。 でも、日本の昔話にツルやキジが出てくるのは、昔はもっと身近なと ころにツルやキジのような鳥も暮らしていたからなのだろう。
人間だけが暮らしやすい世の中なのではなく、昔からその土地に生き ていた動物たちも同じように暮らしやすい世の中がくるといいな、と ボクは考えているのだ。
この頃とても暑い。 人間は皮膚から汗をかいて体温を下げるらしいが、ボクは毛皮を着ている ので、体温を下げるには口を開いてハーハーと息をするしか方法がないの である。
もともとボクは笑い顔の犬なのだが、ボクがハーハーいっていると、ます ます笑い顔になって、ゲラゲラ笑っているように見えるらしいのだ。 暑い時、ボクが口を開けてハーハーいっているのは体温を下げようとガン バっているからなのだが、ボクが口を開いているとボスとアキコはボクが 楽しそうだと感じるらしい。
今日も暑いのにボスがボクにちょっかいを出してくるのでボクは大変であ った。 (ボスが手を出したら必ずオテをすることにしているので大変なのだ。) ボクは心の中で「暑いよ〜、草の上で昼寝をさせてくれよ〜」と思ってい たのに、ボスとアキコは「ゲンゾーがゲラゲラ笑ってるぞ」と言って、と ても喜んでいた。
少し迷惑であったが、ボスとアキコが喜んでくれるならこれでいいかな。
またまた今日も小さい花の話を書いてしまうのだ。 ボクの庭には春もまだ寒いうちからたくさんセリが生えてきていたの だが、そのセリが今小さい花をたくさん咲かせているのだ。
セリはとても良い香りがする。 セリの花も鼻を近づけるとセリの葉っぱと同じ匂いがして、暑い日で も思わず食欲が出てしまいそうなのだ。
ボクがセリの花の香りを楽しんでいたら、アキコが虫メガネを持って 出てきた。 アキコは虫メガネで小さい植物を観察するのがとても好きらしい。 ボクも一緒に虫メガネを覗いてみたら、小さいセリの花の細かいとこ ろまで見えて、とても楽しかったのだ。
ボクも専用虫メガネが欲しいのだ。 虫メガネを持って1日庭をうろうろしたら、きっと外国に旅行に行く よりも楽しく過ごせそうな気がする。
写真の花はノチドメの花なのだ。 ノチドメは地面から5センチくらいのところに葉を広げる、とても小さ い草なのだ。 夏になるとたくさん葉っぱを広げるので、上から見ると葉っぱしか見え ないのだが、葉っぱの下にたくさんのとても小さな花を咲かせているの である。
きれいな観賞用の花が好きな人には物足りないような、とっても小さい 花なのだが、ボクは誰も気に留めないような小さな葉っぱのそのまた下 に誰にも知られずひっそりと咲いているこんな花が大好きなのだ。
ボクの小屋のすぐそばにこのノチドメの葉がたくさん茂っているのだが、 ボクはノチドメの小さな花を驚かせないように時々こっそりこの葉の下 を覗いて、小さな花を楽しんでいるのである。
ボクの庭にはカラスウリがたくさん生えてきた。 カラスウリは細くてきれいなぐるぐるがあるので、ボクの大好きな植物 の一つなのだ。
今日もボクはカラスウリのぐるぐるを見て過ごしていたが、ふとカラス ウリのぐるぐるの先はどんな風にモノに掴まるのだろうかということが 気になったので、ぐるぐるの先がどうなっているのかを見てみた。
このカラスウリのぐるぐるは、なんとフキの葉っぱの虫食い穴に掴まっ ていた。 ぐるぐるを伸ばして葉っぱに掴まったのか、葉っぱに掴まってからぐる ぐるを伸ばしていったのかはわからなかったが、なんとも上手に葉っぱ の虫食い穴に掴まったものである。
植物のぐるぐるはやっぱり面白いのだ。 どんどん成長して、次のぐるぐるは何に掴まるのだろうか。 ぐるぐるの先にじっとしていたら、ボクに掴まることもあるだろうか。 ボクも一度ぐるぐるに捕まれてみたい気がする。
2007年07月01日(日) |
頑張れ!オトモダチ! |
今日からもう7月なのだ。 暑さでダラダラして日記までさぼってしまっていたアキコとボクだが、ま たガンバって日記を書くのだ。
下の写真は梅の実によく似ているが、梅ではないのだ。 アキコのパパの庭にあるブドウの実なのである。 秋になるとボクの庭の木にぶら下がるノブドウと違って、とても大きな実 がたくさんついているのだ。 でも、このブドウについてはこれ以上の情報はないのだ。 アキコの情報も「早く熟さないかな」ということだけなのである。 情報でも何でもないのだ。
ここのところ、アキコには育児で悩むお母さんのオトモダチや、体調が悪 くて辛そうなオトモダチがたくさんいるらしい。 ボクの悩みは暑いことだけなのだが、世の中いろいろあって大変なのだ。
いろいろ悩んでいるオトモダチも、体調が悪いオトモダチもどうぞ元気を 出してクダサイ! ボクがここで応援しているのだ! 元気になったらパパに頼んで一緒にブドウを食べさせてもらおう。
|