今日ボクは庭で「スイカズラ」の実を見つけた。
スイカズラの花が終わってしまってから、ボクはモサモサに絡まった スイカズラの蔓にはとんと興味がなくなっていたのだが、今日の昼間 ふとモサモサを見上げてみたら、こんなにかわいい実がたくさんつい ていたのだ。
スイカズラの実はもっと熟れるとピカピカ光る黒い実になるらしい。 緑色の実もステキだが、黒くなった実もぜひ見てみたい。
ボクが見つけたスイカズラの実はどれも仲良く2つずつ並んでついて いた。 あっちでも2つ、こっちでも2つ、みんな2つずつである。 思い出してみたら、5月に見つけたスイカズラの花もみんな2つずつ 仲良く咲いていたのだった。 花も実もみんな2つずつだなんて、とてもかわいいのだ。
今日は久しぶりにアキコと散歩に出かけた。 久しぶりに近くを散歩したら、出張前にはなかった花が咲いたり、実が なったりしていた。
今日ボクが見つけて嬉しかったのは写真のカラスウリである。 カラスウリたちは少し高い場所から近所の田んぼをのんびりと眺めてい るようだった。 熟れてこうなったのかもしれないが、朱色の顔をしているところを見る と少しお酒を飲んだのかもしれない。
このカラスウリが陣取った場所はなかなか眺めがいい。 「こんな場所で暖かい太陽の光を浴びながら一杯やるのもオツなものだ よ、ゲンゾーくん」とボクに話しかけているように見えた。
今度はギュウニュウを持ってここへ来て、カラスウリたちと一緒にボク も一杯やってみたい。
今日ボクはとうとうボクの庭に帰って来た。 今日はちゃんとお世話になったパパとママに挨拶をしてから帰って来る ことができた。 帰る時ボクがクルマに乗るのを嫌がったらパパもママも「帰りたくない んだ、ゲンゾーはここが好きなんだ」と言って喜んでいた。
ボクはちょっぴり後ろ毛を引かれる思いだったが、ボクを連れて帰るア キコが嬉しそうだったのでボクも何だかとても嬉しくなった。
庭に着いたのは暗くなってからだったので今日のボクの写真は変な顔を しているが、ボスが買ってくれた新しい首輪はなかなかステキなのだ。 男の子らしく青色をしているのだ。
10月生まれのボクはもう4才。 今日からまた番犬として頑張るのだ。 明日からまたアキコとまわりの野草を観察するのも楽しみである。
ボクはまだアキコのジッカに出張中なのだ。 ボスとアキコが何度も迎えに来てくれたのだが、アキコのパパが「まだ 連れて行っちゃダメ!ゲンゾーともっと遊ぶ!」とワガママを言うので ボスとアキコはボクを連れずに帰って行くのである。
今日もボスとアキコが来た。 今日ボクはアキコと一緒にフォークダンスの練習をしたのだ。 アキコが小学校の時に踊ったという「パタパタ」というダンスなのだ。 いつぞや流行した「パラパラ」ではなく平第一小学校のアキコの学年の 人しか知らない「パタパタ」というマイナーなダンスらしい。
このダンスの難しいところは前足は内股、後ろ足は外股にして踊るとこ ろである。 アキコの厳しい指導にボクは目が白黒してしまったが、何とかダンスを 踊れるようになった。 これで運動会のフォークダンスでの花形にだってなれるのだ。
ボクの庭から裏の田んぼにかけて、今たくさんのミゾソバが咲いて花畑 になっているらしい。 庭と田んぼの間には溝があって水がたまっているのだが、ミゾソバに隠 れて溝はまったく見えない。
今年もボクとアキコは溝にはまって足をどろんこにしてしまったが、ミ ゾソバ畑はさらにパワーアップして溝があることすら忘れてしまうそう なほど咲いている。
ミゾソバの花を見ていたらボクもジタクに帰りたくなってきた。 そろそろボスとアキコが迎えに来てくれないかな。
これはイヌタデの花なのだ。 ボクの庭の裏側に今たくさん咲いているらしい。
ボクは出張中でこの花を見ることができないのだが、イヌの名がつく花 なので、帰ったらすぐに会いに行きたい花である。
この花はシロバナサクラタデという花である。 ボクは出張中なので、アキコが一人で撮った写真なのだ。
ボクがジタクに帰ったらアキコと一緒に見に行こう。
出張中もボスとアキコがときどきボクに会いに来てくれるのでボクは さびしくないのだ。
ママはやさしくておいしいゴハンやギュウニュウをたくさんくれるし、 パパはボクと一緒に毎朝5時半から1時間も散歩に出かけてくれるの でボクはここの暮らしがとても気に入っている。
ボスとアキコがときどき会いに来てくれるなら、このままここの犬に なってしまっても良いかと思うくらいなのだ。 でも、ボクがいないとアキコがさびしくて泣いてしまうかもしれない な。
どうして日記をさぼっているかと言うと、ボクがアキコのジッカに 出張中だからなのだ。 ボクが出張先で暮らしている小屋はこの小屋なのだ。 ボクの庭の小屋はアキコの手作り小屋だが、この小屋は買ったもの である。 屋根が緑でオシャレなのだ。
しばらく日記をさぼってしまったのだ。 ちょっとさかのぼって写真だけでもアップすることにするのだ。
今日ボクは庭で下の写真の草を見つけた。 これは先月見つけた「ゲンノショウコ」の種らしい。 ゲンノショウコの種ははじけると写真のように変わった形になるのだ。
この形がオミコシの屋根の部分に似ているのでゲンノショウコには 「ミコシグサ」という名前もあるらしい。
オミコシと言えば、夏のお祭の音に恐怖した思い出がよみがえる。 ボクはオミコシを担ぐ男たちの声や笛や太鼓の音に恐怖して、オミコシの 屋根がどんな形をしていたのかをじっくり見ることができなかったのだ。
この種からオミコシの形を想像してみようと思ったのだが、どうしても夏 のお祭の音が頭から離れない。 ボクにはこれの形がオミコシの屋根というよりも、オミコシを担ぐ男たち が筋肉モリモリポーズをとっているところのように思えてならないのだ。
ゲンノショウコの種はまだ緑色をしたものもこの辺りにたくさんあるので これから毎日ボクの庭にはモリモリ君が増えていくのだ。
近くの田んぼの際に立っているデンチュウという柱をつっぱっている大 きな線に、夏の間「サオトメ殿(ヘクソカズラ)」が絡みついて高いと ころまでたくさんの花を咲かせていた。
ところが今日、散歩の時に近くを通りかかって上を見上げてもサオトメ 殿の姿は見えなかった。 ボクはまたサオトメ殿がご近所の人に草刈りされたのだろうと思ってい たら、アキコが「これは面白い」と言ってカメラを構えた。 アキコのカメラの先を見てみると、サオトメ殿は力尽きて線の一番下ま でみんなずり落ちていたのだ。
サオトメ殿は夏の間、たくさんのラセンを作ってグルグルと天高くまで 這い上って行ったことがずり落ちたサオトメ殿のグルグル具合でよくわ かる。 サオトメ殿は秋になってたくさんの実をつけていたが、どうしてなのか グルグル力が弱くなってみんな下の方に落ちてきてしまったらしい。 これはもはやサオトメ殿と呼べるシロモノではない。 「ダツリョクカズラ」と呼ぶのがふさわしいのではないだろうか。 少し淋しいが、元気なサオトメ殿とも来年までお別れの季節なのだ。
ボクの庭には1畳の大きさの板でできたボクのベッドがあったのだが、 このベッドがボロになったので取り外されてしまった。 ボクが乗るだけならまだ大丈夫だったのだが、アキコが上に乗って真っ 二つに割ってしまってからさらにロウキュウカがすすんでいたのだ。
ベッドを取り外したら、ベッドの下の地面には何も生えていなかった。 土は湿っていて、ミミズが何匹も出てきたし、なくしたと思っていた ボクのオモチャもいくつか出てきた。 ベッドを取り外した後も、ベッドのまわりに生えていた草がベッドの 形に残っている。
ボクが山を下りてジタクに引っ越して来てからずっとここにあったも のがなくなるというのは何だか不思議な感覚である。 ベッドの下の地面はボクが知り尽くしたボクの庭にあったのに、ボク がまだ踏んだことのない場所だったのだ。 ご近所に住んでいながらまだ一度も会ったことがない人と突然顔を合 わせた時のようで少し居心地が悪かったが、早く親しくなるためにボ クはこのベッド跡地でたくさんの時間を過ごしてみることにしよう。
昨日アキコがカメラを忘れて来てしまったので書けなかったミゾソバの話 を今日は日記に書くことにするのだ。
下の写真が昨日撮ったミゾソバである。 ボクの庭と裏の田んぼの間にある溝のまわりに今たくさん花を咲かせてい るのだ。
ミゾソバは湿った溝のまわりに生えているので、毎年ミゾソバを見ようと してボクもアキコも溝に足がはまってどろんこになってしまう。 今年は溝にはまらないように注意して近づこう、とアキコと話をして慎重 にミゾソバに近づいたのだが、ミゾソバを近くで見ているうちに「あっち の花がきれいだ」「こっちの方がきれいだ」と、どちらがきれいな花を見 つけられるかの競争になり、夢中になっているうちにふたりとも足が溝に はまって今年もどろんこになってしまった。
昨日「去年よりも賢くなった」という話を日記に書いたばかりなのに、ち っとも成長していないことがもうばれてしまったのだ。
今日も張り切って日記を書こうと思ったら、今日はアキコが石けんの工房 というところにカメラを置き忘れて来てしまったらしい。 今日、せっかく一緒に溝にはまって足をどろんこにしながらミゾソバの花 の写真を撮ったというのに残念である。
そんな訳で今日は「去年の今日ボクは何をしていたか」を調べてみること にした。 アキコが去年の今日撮った写真を一緒に眺めていたら下の写真があった。 これはアキカラマツの葉っぱなのだ。 去年、アキコはこの葉っぱが何の葉っぱなのかわからなかったので、写真 には「何かの葉っぱ」というタイトルがついていた。 ボクにも何の葉っぱなのかはわからなかった。
今年のボクはこの葉っぱが何の葉っぱなのかも言えるということは、ボク は去年よりも成長したということなのだ。 1年前よりも賢くなったということはとても喜ばしいことである。 このまま10年くらい日記を書き続けたら、ボクはもう天才と呼ばれる犬 に成長しているかもしれない。 今日は天才と呼ばれるようになったらどんな話を書いたら良いかを考えな がら眠ることにしよう。
ようやくアキコが忙しさから抜け出したらしい。 忙しいのが終わったアキコとボクはさっそく野草探しに出かけた。
それにしてもオヒガンを過ぎたら日が短くなったものである。 まだまだ夕方と呼ぶには早い時間だったのに、もう日射しが夕方の日射し であった。 「写真を撮るには向かないな」と独り言を言うアキコを引っ張って、ボク は散歩道や草むらをどんどん歩いた。 そして、写真の植物を見つけたのだ。
これはジュズダマというのだ。 お茶などにして飲むハトムギは、これを改良して作ったものらしい。 米がメジャーになる前、大昔はこれを焼いて主食として食べていたことも あるらしい。 アキコはこれも採って食べるかな、と思ったが、食べないらしい。 ジュズダマの写真をチャチャチャと撮った後、「眠い眠い」と言ってボク を引っ張って帰宅してしまった。 じっくり野草を観察できるのは明日以降になりそうだ。
今日は台風一家のような気持ちのいい晴れであった。 ボクは台風一家のようだというのはわからないのだが、ボスが台風一家の ようだと言っていたので間違いないと思う。
今日は夜になっても空が明るいので、これも台風一家の夜なのかと思って いたら、てっぺん杉の向こう側から大きな月が昇ってきた。 今日の月は丸くて明るくてすばらしい月である。
ボクがアキコに月がきれいだということを教えてやると、アキコはボクと 自分の分のギュウニュウを持って庭に出てきた。 お月見はオダンゴというものを食べながら楽しむと聞いていたが、ギュウ ニュウを飲みながらのお月見はなかなかである。
昨日の夜は雨も風も強くてボクはビクビクしながら一夜を過ごしたという のに、今夜は昨夜のことがまるでウソのような素晴らしい夜である。 今夜は今年一番のすばらしい夜なのではないだろうか。 アキコは家に入ってしまったが、ボクはまだまだお皿についたギュウニュ ウをチビチビ舐めながら月が沈むまでお月見を楽しんでしまうつもりであ る。
今日は嵐のような1日であった。 朝6時から風がゴウゴウと音を立てて吹き、雨もザアザア音を立てて降っ ている。
ボスがボクの小屋にバスタオルのカーテンをつけてくれたので、ボクは濡 れることもなく小屋の中で暖かく過ごすことができたが、それでも1日中 鳴り響く風と雨の音にドキドキであった。
パパとママは去年の洪水の後引っ越しをしたので、もうユカウエシンスイ にはならないらしいが、庭が水に浸かるかもしれないとアキコが心配して いた。ボクがまだ出張をしていたら、ボクは水に流されていたかもしれな いそうである。
ボクはこの庭にいれば安心で安全だそうなのだが、何となく心細いので、 今も時々キューキューと甘えた声を出して、時々アキコに出てきてもらっ ているのだ。 「日記を書いたらもう寝るんだよ」とアキコに言い聞かせられたので、こ れを書いたら寝なくてはならない。 早く嵐が過ぎ去って静かになってくれるといいな。
この頃ボスもアキコも忙しいらしい。 アキコが「来週になったら忙しいのも終わる」と言っていたので、ボクが ちょっぴり淋しく過ごすのもあと2日か3日ということだ。
この頃アキコが忙しいので、ボクは野草を見に出かけることができないで いる。 日記に野草の写真が載せられないので、アキコはボクの写真ばかり撮る。 ボクの写真ばかりなのは良いのだが「いつも同じような写真だと困る」と 言ってボクにいろいろなポーズを期待するのでボクは困ってしまうのだ。
聞くところによると、モデルさんというのは写真を撮られる時にどんどん いろんなポーズを勝手にキメるらしい。 ボクもいろいろなポーズをキメてみたいのだが、いろいろなポーズという のも難しいのだ。
今日はいろいろなポーズの代わりにいろいろな顔をしてみた。 今日の顔は「ちょっぴりアカンベ」である。 舌をあまり出しすぎないところが上品だと自分なりに思っているのだが、 上品にキマっているだろうか。
今日はお天気も今ひとつ冴えない1日だったが、ボクは庭を眺めながら お昼寝をして楽しく過ごした。
ボクの庭と、ボクが出張に行っていたパパママの家は車に乗せられて 15分くらいの距離なのだが、それぞれの庭から見た風景はまるで違う。 パパママの家の前は車や人がたくさん通る道ではないが、車も人もとき どきは通る。 ボクは出張に行っている間、道を通る人や車を眺めて過ごしていたのだ。 しかし、ボクの庭の前は車も人も通らない。ごくまれに近所のおばあち ゃんがカゴを背負って通るくらいなものである。
今日ボクは1日庭を眺めながらお昼寝をして過ごしたが、今日ボクの庭 に足を踏み入れたのは野良ネコ1匹とユウビンヤさんだけである。 あとは空を鳥が飛んで行ったのと虫とカエルだけである。
ボクの庭はとてつもなく平和な庭である。 ボクが毎日お昼寝をしてしまうのは、きっとボクの庭が平和すぎるから なのだ。 ・・・ということで、また明日もお昼寝をして過ごすことにしよう。
ようやく出張から帰って来たのだ。 今日ボクがボクの庭に帰って来てみると、納屋の中からネコのニオイがし てきた。 ボクが留守の間にまた納屋にネコが住み着いたらしい。
ボクが納屋の入り口のニオイを嗅いでいると、アキコが「このネコがいる んだよ」と言って下の写真を見せてくれた。 納屋のネコは子猫で、まったくバカな顔をしたネコだった。 いろんなネコが混ざったような模様をしているが、ボスとアキコは近所の どのネコとどのネコの血をひいたらこんな模様のネコが生まれるかもわか るらしい。
ボクが留守をしている間に納屋にネコが住み着いてしまうとは、ボクの出 張は失敗だったに違いない。 やっぱりボクがいないとダメなのだ。 もう住み着いてしまったネコは仕方がないとして、これからはこれ以上納 屋にネコが増えないように、ボクがきちんと守ってやらねばなるまい。
|