近所のおばあちゃん方の畑では今年トウモロコシを育てるのが流行ってい るらしい。 おばあちゃん方の畑の一部にトウモロコシが植えてあって、金色の髪の毛 を生やしたトウモロコシの実が日に日に大きくなってきている。 近所のおばあちゃんが作ったトウモロコシは虫もいるけれど、どこにも売 っていないくらい甘くておいしいのだそうである。
今朝、散歩に出た時、道ばたに食い散らかしたトウモロコシの芯が転がっ ていた。根元から食いちぎられたようなトウモロコシが芯だけ残して見事 に食べられていた。 これを見たアキコは「うう、タヌキめ!」と言って悔しがった。 まるで自分がもらうはずだったトウモロコシを横取りされたような悔しが り方である。
自分のものでもないのにムキになっちゃって、と思って聞いていたが、ア キコが「もしこのトウモロコシをもらったら、ゲンゾーにも少し分けてあ げたのに。」と言うのを聞いたとたん、ボクも非常に悔しくなってきた。 金色の粒が並んでいたはずのトウモロコシ。 噛むたびに溢れる甘くておいしい汁。食べ終わった後、オモチャにできそ うなトウモロコシの芯。 タヌキめ!ボクのトウモロコシを食べるとは憎いヤツだ!
今日からボクは鶏の番だけでなく、畑のトウモロコシの番もすることにし よう。
今日の夜、ボクの住んでいるカモガワで花火大会があるらしい。 海の上にドカーンと大きな花火がたくさん上がって、それはそれはきれい なのだとアキコがボクに話してくれた。
今日は花火大会だという話を聞いた時、ボクの顔は少し歪んだだろうか。 顔が歪んでいないまでも、少しドキっとしたことは確かである。
ボクの庭は海から遠い山の方にあるので、海の花火大会は見えない。 しかし、音だけはよく聞こえるのである。
オリコウなボクは花火の音などちっとも怖くはない。 しかし、とても気になるのだ。 花火の音はお腹にズーンと響くのである。
今日は花火の音がお腹に響かないように、ビスケットを食べて早く寝てし まうことにしよう。
今朝とても早起きだったボクとアキコは5時前からカメラを持って散歩に 出かけた。
早朝の散歩道は山も田んぼも霧に包まれてひんやりと涼しかった。 日の出前の散歩道では植物もまだ水滴を身にまとって眠っているようであ った。 早起きしたボクは散歩道の植物や小さな生き物たちを起こしながら歩いた。
ボクに起こされた朝日が霧の中からぼんやりと眠そうな顔を出すと、鳥た ちは鳴きながら飛び始め、虫たちは草の上にのぼってきて眠そうな顔で濡 れた体を乾かし始めた。
アキコは早朝の散歩道で写真をたくさん撮りたかったらしいのだが、ボク は写真が撮れないくらいアキコをぐいぐい引っ張って、いつもよりも遠く までアキコを連れて行ってやった。 顔を撫でていくひんやり涼しい風、草についた水滴の味、ふんわり広がる 草の香り、遠くで鳴き始めた鳥の声、夏の早朝気持ち良いものは、どれも 写真にはおさめられないものばかりなのだ。
日記をさぼりすぎてさぼりグセが抜けなくなってしまった。 この際、梅雨の間は日記をさぼってしまおうかとも思っていたのだが、日 記を書いたら梅雨も明けるかもしれないので、今日からまた頑張って日記 を書くのだ。
ボクとアキコが日記をさぼっている間に、ボクの庭にボクの巣がフサフサ に茂った。 春、ボクが特別な肥料をほどこした後、茶色に枯れてしまった時にはどう なることかと心配したが、栄養満点、無事に育って本当に良かった。 午後までは日が射して暑いので巣でお昼寝はしていないが、夕方からヒグ ラシの声を聞きながらここで夕涼みをするのは最高である。
ボクはビスケットをもらった時も巣に持ち帰って食べることにしている。 もちろん、アキコの手にもう1つビスケットがある時は目の前で一気に食 べて次のビスケットをもらうのだが、1つだけの時は巣で食べる。 口からこぼれたビスケットのかけらがフサフサの巣の中に落ちてなかなか 見つからないのだが、これが宝探しのようでとても楽しいのだ。 夕涼みをしている時に前の日落としたビスケットのかけらが見つかること もあるのでとても嬉しいのである。
この頃ボスは体を鍛えている。 8月にお祭があって、そこでオミコシを担ぐので体力をつけておかなけれ ばならないらしい。
ボスはこの辺りの男の人と背比べをすると、一人だけ10センチくらい背 が高い。 みんな揃ってオミコシを担ぐ時、背が高い人の肩にオミコシの重さがどど んとかかるのでボスはとても辛いらしいのだ。 今から体を鍛えておかないと大変なので、毎日しゃがんだり立ち上がった り、腕立て伏せをしたり腹筋運動をしたりしてガンバっているらしい。
体を鍛えるボスがなかなか格好良かったので、ボクもちょっと体を鍛えて みることにした。 まずは腕立て伏せである。 ボクには腕がないので「前足立て伏せ」なのだが、どうもボスのようにう まく関節が曲がらない。 ボスとボクの関節の具合がちょっと違うのだろうか。 しかし、真剣に腕立て伏せをするフリをしていたら、アキコにとても誉め られた。 これならボクも夏のお祭でオミコシを担ぐことができるかもしれない。
2006年07月22日(土) |
忍法・競技かるた食い |
ここのところとても涼しかったが、今日は久しぶりにとても暑かった。 暑い日の昼間、ボクはとてもおとなしい犬に変身する。 暑い時はおとなしくしているに限る。 しかし暑い日でも太陽が沈む頃、ボクはとても活発な犬に戻るのだ。
今日も夕方になってアキコが庭に出てきたので、ボクはアキコと遊びたく て激しく動き回った。 アキコがビスケットをくれながら写真を撮ろうとしていたので、ボクはす ばやい動きでビスケットを食べることができるところを披露した。
題して「忍法・競技かるた食い」である。 ボクがビスケットを食べる早さはカメラになどおさめられないくらい早い のだ。
早いけど、ビスケットを見て目がキラキラしているところが写ってしまっ ていますね。 アキコ
また日記をさぼってしまった。 しかし、ボクが雨の日もオリコウだというところをみなさんに見て もらっておこう。
日記を書かない日もボクはオリコウなのだ。
アキコの話によると、ボクは自分に有利なコトバを聞きつけた時に目がキ ラリと光るらしい。 ボクの目が光るコトバ・ベスト3は「ビスケット」「ギュウニュウ」「お いしいの」らしい。
ボクは「オリコウ」「イイコ」「散歩」などのコトバも好きなのだが、ボ クの目が光るのはどうも食べ物に関するコトバを聞いた時ばかりらしいの で、男として少し恥ずかしい。
今日、アキコがボクの目が光るところの写真を撮ろうと企んでいたのがわ かったので、ボクは目が光らないようにガンバッた。 アキコはボクの目を光らせようとたくさんのおいしそうなコトバを言った が、オリコウなボクはそんな手には引っかからないので目を光らせるよう な失態を演じずに済んだのだ。
下の写真がその証拠写真である。 おいしそうなコトバをたくさん聞いたが、写真のボクはどう見ても平常心 の犬である。何か哲学的なことを考えていそうな雰囲気さえある。 今日はボクがオリコウなところを見せることができてボクは大満足である。 明日もガンバってオリコウなところを披露するでゴザル。
平常心の犬ですが、口元にうっすらヨダレが見えてますよ。 アキコ
久しぶりの日記だというのに、今日アキコがボクにくれたビスケットは、 しけってブヨブヨになっていた。 何のことかよくわからないが、アキコは「ビスケットがしけっているのは ササオカが6点取られたせいだ」と言っていた。
今日、ボスとアキコは絵の展覧会を見に行った後、雨が降っているのに ジングウ球場という所へ行ってカープというチームを応援したら雨に濡れ てしまった上にカープがボロボロに負けるところを見せられてしまったら しいのだ。 ササオカというのが6点取られたら傘をさすのも嫌になってしまったので ボクのビスケットがブヨブヨになってしまったらしい。
ボスとアキコが出かける前にボクがきちんとフセをして「ボクも絵の展覧 会に連れて行ってくれ」と言っていたのに、ボクを置いて行ったからバチ があたったのに違いない。 次からは絵の展覧会に行く時はボクも連れて行って欲しいのだ。 そうしたら、バチもあたらずに済み、ボクもビスケットがしけってしまう 前に食べることができるのだ。
「展覧会に連れて行ってほしい」とお願いするボクなのだ。
この頃アキコは日記をさぼってばかりである。 少し前に風邪をひいたようではあるが、別に病気でも何でもないのにこん なに日記をさぼるとはけしからんアキコである。
しかし、ボクも毎日暑くてお日さまがのぼっている間はお昼寝をして過ご していることだし、ここは思い切って「夏休み」というものをもらうこと にした。 ボクとアキコの勝手な判断により、ゲンゾー日記は7月17日までお休み イタシマス。 理由は「暑いから」である。非常に正直で男らしい理由なのだ。
ボクの番犬のオシゴトもボスとアキコの石けんのオシゴトもお休みはしな いのだが、日記だけお休みでアリマス。
17日になったらまたボクのすごい活躍を皆さまにお届けするので、それ まで皆さまお元気で!
今日アキコが変な草を左手に、カメラを右手に持って庭をウロウロしてい た。何やらこの植物の写真を撮るのに苦労していたらしい。 「ピントが合わない」とブツブツ言いながら、アキコは何十分もウロウロ していた。
これはカラスビシャクという植物の花らしい。 ヒシャクに形が似ていて、人が使うにしては小さいのでカラスが使うヒシ ャクということでこんな名前がついているらしい。
いつかボクが見たウラシマソウに似て、長いヒゲのようなものがベロンと 不気味に伸びていたが、真ん中のところが紫色なのをのぞけば全体が緑色 なのでそれほど不気味ではなかった。
写真を撮り終わったアキコがカメラを置いた後も左手にカラスビシャクを 持ったままだったので、ボクはカラスビシャクを使って水を汲んで見せる のだろうかと期待した。 しかしアキコは水など汲まず、カラスビシャクの先でボクの鼻の穴をコシ ョコショくすぐったのである。
ボクはくすぐられないように逃げ回ったので何とかクシャミをせずに済ん だが、ボクもカラスビシャクも大変迷惑をした。 植物でくだらない遊びをするのはやめてほしいものである。
また日記をさぼってしまったのだ。 「今回は笑ってごまかす作戦でいこう」とアキコが言うので、ボクは 笑ってごまかすことにする。
今日はボクのとびきりの笑顔に免じて許してクダサイ。 さぼってばかりでかたじけない。
今日からもう7月なのである。 今日から7月だというので、富士山の山開きが行われたり、あちこちの海で 海開きが行われたりしたらしい。
近所の川でも川開きをするのかと思ったが、川開きは行われないようであっ た。裏の田んぼで田んぼ開きがあるかと期待したのだが、これもなかった。 ボクの近所では7月になっても何も開かないようだ。 何か開けばいいのに、もったいないことである。
仕方がないので今日ボクは空を見て過ごした。 今日は曇りだったので、ひなたや日陰を気にすることなく庭の好きなところ にゴロンと横になって空を眺めていたのだ。 今日は曇りだったが、ボクが見た空の雲は今にも夏の入道雲になりそうな形 をしていた。「今日は雲っているけどそのうち暑くなるぞ」と言っているよ うな雲であった。
暑くなる前にお昼寝を楽しもうと思ったボクはそのまま眠ってしまった。 寝る前、目の前をトンボがたくさん飛んでいたような気がするのだが、あれ は夢であろうか。
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