dependance diary** 2004年10月、彼が逮捕されました。
突然の出来事に戸惑いながらも奮闘した日々。
そして2005年2月、執行猶予4年と言う判決を受けて彼が戻ってきました。
そんな私達の毎日を綴ります。




dependance diary**





■凹凸
2004年11月26日(金)


12月6日は私の誕生日です。
そして同時に彼と付き合って1年の日でもあります。



彼が捕まってしまったので、
今年の誕生日&1年記念日は一人。
去年は一緒に過ごしたクリスマスも、
大晦日~年明けにかけても、
勿論一人ヾ(T▽T)ノ<アハハ…


最近キラキラしてきた街のイルミネーションがキツイ(苦笑)


カァーッ(゜Д゜#≡#゜Д゜)、ペッ


こんな具合(爆)


でも誕生日とクリスマスは仕事だし。
年末~年明けは実家に帰るから良いさ…うん…凹






正直、彼を待っていたいって思う反面、
やっぱり彼の嘘に対して怒りの気持ちも多少はあるんです。。
その嘘がネックになって、
世界中に沢山の人がいるのに
こんなだらしない男と付き合ってて良いものか、
これからも将来悩まされ続けるんじゃないかって・・・
悩んでしまう;




私は結婚して家庭を持って
普通に幸せになりたいんだよ。
でも彼とで幸せになれるの?






・・・と一人でいるとどうしても
現実的でマイナス思考になってる。。



反省の色が薄れてきてるんじゃないかとか。
警察の人が手紙を書かせてくれないってのは分かってるけど、
他の待ってる人達が手紙を貰ったって言う話を聞くと、
手紙書く気ないんじゃないの?とか。
どーも悪い方悪い方へと気付くと考えてる…
不安にならない方がおかしいと友達は言っていたけれど。。






そんな時は去年の今頃の事や、
付き合った日のことを思い出してみる。


去年の今頃は
彼と私が急接近してた頃。
昼番だった私が夜番の彼に会いたくて、
ちょっとでも喋りたくて、
遅番出勤にし始めた頃。
(店の人からは昼番で唯一の売り出しなんだから、
昼番にしてくれ~って言われてたけどね^^;)



「こんばんは♪」


「お~△ちゃんおつかれーっす♪
 最近遅番出勤なんだね~^^」





うーん。。懐かしい。

お互い惹かれ合ってる事に気付いていたのに
中々進展しなくて。
凄いドキドキしたっけか。





彼を好きになった時の事を思い出すと
ちょっと精神的に落ち着く。
彼と幸せになりたいって思ってた頃。
彼と一緒にいて幸せだって思ってた頃。





やっぱり最後は彼と一緒にいたいって考えてる。。






・・・悔しいけれど、
惚れた弱みってヤツですね(^ー^;)
浮き沈みが激しくて胃が痛いです。。苦笑






チクショウ。絶対幸せになってやるぞー!(叫)




■絶対に訪れる二人の葛藤。
2004年11月25日(木)


面会に行ってきました~。
今日は待ち時間も無くすぐ面会室に入れました。


彼が入ってくるなり言った言葉…



「あはっ^^●ちゃん(私の本名)まつ毛ダマになってるよ♪」






・・・。










殴られたいのか?(真顔)




確かに今日は化粧のノリも悪くて
まつ毛が伸びなくて苦労しましたよ(T^T)
だからって最初にそれを言うこと無いじゃんね(#゜Д゜)、ペッ
「余計なお世話じゃボケ」と返しておきました。





そして今日の面会は最悪でした…凹


私が暗くてショボンとした顔をしていたらしく、
(そんなつもりはなかったんだけど。顔に出ちゃうのかな。)
「どうしたの?辛い事でもあった?」って彼に優しく言われて、
何か感極まってきてダァーって涙が出てきちゃったんです;

「今のこの状態が辛いわぃ」って笑ってたんですけどね。。
涙は止まらずで・・・。




そのままのイッパイイッパイな状態で、
ずっと気になってた事を聞きました。
今思えば聞かなきゃ良かったって思うんだけど。。



「いつも帰りが遅いって言ってた時何してたの?」


「店の人にも言われた様に、 
 本当に店のビラ配ってるときもあったし、
 Sさんに誘われてゲーム屋に行ったときもあったよ。」



「ふーん…」←怒った顔をしたらしい。。


「でもだからって飲み行ったり、
 浮気したとかは絶対に無いから!」



「知ってるけど・・・」←更に怒った顔になったらしい汗


「今更な事だから、どうこう言うことは無いし、
 いま謝っても仕方が無い。」













・・・ハァ?






私はここ数ヶ月間嘘つかれてた上に
帰りが遅いのは仕事だと信じて待ってたんですけど…
“謝っても仕方が無い”とは何?!
信じてきて裏切られた私に、多少は謝ってくれても良いんじゃ…。



何かどんどん険悪になってきて、
涙も止まらない始末…。






「●ちゃん、怒ってる…よね…?
 でも折角会えたんだから、俺は口論とかしたくないよ。」




私だって、喧嘩する為に
1時間も掛けて会いに来てる訳じゃない。
彼とは手紙のやり取りも出来ない(私が送る一方)、
ひとりぼっちの私が唯一彼と会える時だもん…
笑って話したいよ。




店の人も協力するとか言って
協力してくれてたのは最初の3日くらい。
今じゃ私が動かなければ動いてくれない。
刑事さんも何かあればすぐ私に連絡するって言っていたけれど、
結局は起訴された事も、公判日が決まった事も、
刑事さんからは聞かされていない。
私が彼に会いに行かなければ知らなかった。



そんな何も情報も無くて
右も左も分からない状態で、
その上結局は頼れるのは自分一人で。
そんな自分も、嘘つかれてたことに対して大きく傷ついてて、
でも自分一人で立ち直らせなきゃ行けなくて・・・






どんだけ私が一人で不安かわかってないの?
優しい言葉の一つ位掛けて欲しいよ・・・。









なーんて言える訳も無く、
ただ泣いてばっかりでした…(ToT)


泣いてると化粧がボロボロ落ちて、
黒い涙が出てくるので(化粧が濃いもので…苦笑)
それを笑いに変えて何とか険悪なムードから乗り切ったけれど。。



身元引受人になりたい。
だから仕事休めるようにするよ。
って大切なことも言えず面会は終わってしまいました…(チーン)







ハァ・・・





こういう二人の葛藤(?)は
捕まった者と待ってる者に対して
絶対に訪れる試練だと警察の人に言われました。
確かにそういうサイトを見ると、皆悩まれてるみたいで…。



待ってる側は
捕まってる側に辛いと言いたいけど、
捕まってる者に対して中々言えない。
何故なら捕まってる側も辛いって分かってるから。
でも辛いのは待ってる側も一緒。
優しい言葉の一つ位かけて、安心させて欲しい。




そんな葛藤が絶対あるそうです。。。







「俺より待ってる●ちゃんのが辛いよね…」



私も辛いと
彼は分かってるのか
分かってないのか。。
どっちなんでしょうね(^ー^;)





今日はあまりにも進歩なしの面会だったので、
ケ●タッキーに寄って、↑で思った事全てを手紙に書きました。
余り辛いとか言いたくなかったけど、
今の私のキモチを分かって貰いたくて書いた。
リアルタイムのキモチを伝えたかったから、
今回だけワガママという形で、愚痴ってみました。


留置場の住所を書いた紙を家に忘れてきてしまったので、
電話で留置場の人に住所を聞いて手紙を投函しました。
家に帰ってきてその紙を見ると






住所違ってますけどね


∑( ̄□ ̄)




『●-△-12』って言われたのに
『●-△ー2』って紙に書いてあるんです!!(怒)
宛て先が留置場なので、届くとは思うけど…;;
リアルタイムに思った事を書いたのに、
届かなかったら意味無いじゃんかぁぁ!!(ノДT)
バカバカバカチン!!!!


留置場の人の電話の応対も最悪だしね…
どうせ「犯罪者」の身内だと思ってるからでしょうけど。。
にしても対応悪すぎだと思いますよ、某警視庁留置管理課さん(--#)





何かなぁ…
ヨン様を見に行けばよかったかな…って感じの1日でした;何




■過去そして現在
2004年11月19日(金)


今日は私の過去を話そうと思います。



=======================




客と酒を飲んで喋って
たまに一緒に出かけるだけで高額貰える。
しかも綺麗なスーツやドレスも着れる。
何て素敵な仕事なんだろう♪









・・・そう思って入った夜の世界。
それは私が短大にはいってすぐの事でした。。





実際は
ママの指導は厳しいわ
女の子同士の派閥はあるわ
ノルマまでもがあって、
普通のバイトよりもきつかったけど・・・(チーン)





でも私はキツければキツいほどやる気が出て(私はMか!?)。
実際あのきらびやかな雰囲気も好きだったし。^^
店に来るオジサマの顔も金に見えた。笑
お金の為と無我夢中で頑張っていたせいか、
私は常にナンバー入りしていました。






お水の世界に約1年、
それなりに稼いで来た。
でも稼げば稼ぐ程自分の金銭感覚はおかしくなり、
それと同時に男遊びまでも激しくなった。。
特定の彼氏は作らず、不特定多数の男とヤッて楽しんでる自分がいた。
普段はそんな事は匂わせない普通の女としてふるまってたんだけど(苦笑








人間って1つ慣れてしまうと
欲が出て次が欲しくなるんですね。。
私が良い例。








お水の世界の収入では満足行かなくなってしまった私は、
気付くと風俗の世界にまで足を踏み入れていました・・・。



男遊びが激しかった私は、
初めて会う男とセックスする事に対して
別に何も思わなくなっていたので、
風俗の世界にはすんなりと入れた。




病気も1回貰ったし(^ー^;)←完治済みですよ笑
実際変な客も多くて滅入る事もあったけど、
でも、股を開くだけであんなにも日払いで持って帰れる仕事は
私にはうってつけだった。

(デリヘルと店舗型ヘルスをかけもちしてました死)





顔出しで雑誌にも出たし
何ページにも特集されるようなグラビアもやった。
だって1回の撮影毎に、撮影代もらえるんだもん。







そう


全ては金、諭吉様の為。







それだけやれば店も売り出してくれて、
常に私の財布は温かかった。
こんな私の体でよければ何ぼでも股開きますよって感じで
約1年間風俗の世界に染まりました。










一度大金を手に入れた私は
簡単にお金に狂った。
お金ってこんなにも簡単に人を変えてしまうんです。
もう元には戻れないと自分でも思いました。



しかもお水と風俗をしてきて
お金は沢山得られたかもしれないけれど、
失う物も多かった気がする。
沢山の人に嘘をついて、
まともな恋愛もしてこなくて。
財布は温かかったけれど、何となく心は寂しかった。









そんな男にもお金にもだらしなかった私が、
一人の男に出会って変われた。






「付き合ってください」






こんな堕ちこぼれの私に
何度も何度も告白してきた人がいた。
いつも笑顔で迎えてくれる
同じ店の
従業員さんだった。。。




最初は疑いの心しかなかったけれど
いつしか好きになってゆく自分が居て、
止まらなくなった…











去年の12月6日。
私の誕生日。





私と彼は付き合い出しました。





最初は短大卒業するまで風俗を続ける気だった。
でも駄目だった。
股を開けなくなった。
他の男の体を触るのも触られるもの苦痛で、
彼に客を案内され、何度も泣きそうになった。







もう限界だ…






「もう風俗あがってくれないか。」




その一言が嬉しかった・・・。
彼の一言で私は風俗を辞めた。
大金よりも
彼が大切だった。。。








そう。
こんなに簡単に、アッサリと、
私はこの奈落の底の人生から抜け出せてしまったのです(^o^;)
人は恋愛でこんなにも変われるものなのでしょうか。






もしかして
お金と恋愛の力は紙一重なのかもしれませんね・・・笑









お水をしていたことも
風俗していたことも
私は後悔していません。



この道を歩んでこなければ
彼に出会えなかったのですから。。




2年間裏の世界で仕事をしてきて、
彼と出会えた事は、お金には変えられない。
私にとってのご褒美だと思っています。





昔があるからこそ
今がある。




今は月18万の給料でコツコツと暮らしています(笑)
あんな私が普通の生活に戻れるなんて思わなかった。。
全部彼のお陰^^
次は私の番です。





こんなだらしない2年間だったけれど、
ずっと忘れない、私の大切な2年間です。




■公判日決定。
2004年11月18日(木)


日記の更新が劣っていて申し訳ないです(>ー<)
仕事で疲れていたのと、精神的にきていました(苦笑




=========



今日は彼の面会に行って来ました。
先週の面会の時に「暖かい上着を持ってきて欲しい」と言われたので、
今日は差し入れも持って行きました。


慣れた足つきで留置場の中に入り、
玄関の所へ行くと「emi*!」と呼ばれた。
担当刑事のTさんだった。
今日はスーツでカッコ良かった(笑
「励ましてやってやりな」って渇を入れられ、受付の所へ。
留置場の人も私の顔を覚えてくれているようで(それも複雑^^;)
でもきちんと書類は2枚書かなくちゃいけなくて…
早く会いたい…ってキモチを抑えながら書類を記入した。


待合室で今日は20分位待たされた。
しかもこの待合室に入ると何故か絶対お腹が痛くなるんだよね…(-_-;)
しばらくしてお腹もおさまった所で看守さんに名前を呼ばれ、
接見室に入る。





「入りなさい。」








彼がきた。




先週は宅下げ(留置者の荷物を持ち帰ること)の件で、
全然彼とゆっくり話せなかったけど、
今日はゆっくり話せたよ(*^ー^*)


そして裁判の日が決定したとの事で
裁判決定の紙を彼に見せられた。
罪名とかも書いてあった。そして日にちは







2005年1月11日(火)






彼は執行猶予がつくと言われているので
この日、求刑そして判決まで行けば
夕方位に出てこれる・・・。



やっぱり年明けになってしまうけれど、
やっと先が見えてきた…。
起訴されてから決まるまで長かったな…;


弁護士(国選)はまだ来てないということで
彼の元に弁護士が来次第、
私と連絡を取るようにと約束した。



色々と決まってきて、動いているのが目に見えて。
いま凄い嬉しいです(^ー^)
特に動きが無かったこの1ヶ月、
刑事さんからも特に連絡は無くて
何も出来ない自分がいて、毎日毎日不安だった。
でもやっと希望の光が見えてきた。
本当に良かった・・・。。。






彼が薬指を触りながら
「指輪没収されちゃってるんだ…」って
悲しそうな顔をして言った。


凄く切なくて、
何度も私が泣きそうになる顔を見ては
彼も悲しそうな顔をしてた。
でもお互い泣かずに頑張って話してた。。。
泣かないって決めたもんね。



あとは手紙を書きたいのに
書かせて貰えないって事も聞けた。
何で彼は手紙をくれないんだろうって悩んでたけど、
やっと事実が分かってホッとした=3





別れ際、
「またね」
「バイバイ」
って冷たい壁にお互い手を当てたんだ。
こんなに近くにいるのに近付けなくて、
でもちょっとでも近付きたくて…
だから壁に手を当てた。


やっぱり温もりは伝わってこなかったけれど
でも心の距離は近付けた気がする。。
凄く胸が温かくなった、、、



たった15分だったけれど、
今日は言いたい事も言えて、聞きたい事も聞けて。
お互い距離を縮められた感じがしたな。。





もう少し
頑張らなきゃね。






また来週もゆっくり話せると良いな。。




■ベランダ。
2004年11月09日(火)


私はベランダに出るのが好きで、
よくベランダに出てはボーっとしていた。
(歯磨きもベランダに出て空を眺めながらしてる笑)


彼が捕まる前は
彼が仕事から帰ってくるのを
ベランダに出て待っていたっけ。
まだかなー♪ってベランダに出て外の景色と睨めっこ。
下の道路で彼が原付で帰ってくる姿が見えると、
嬉しくて。。**





私の家の前には交番(派出所?)がある。
下からサイレンの音とか聞こえてくると、
彼と一緒にベランダに飛び出してはその光景を見ていた。
「逆送だよ~」とか笑い合いながら。








でも



彼が捕まってからは
私がベランダに出ることはめっきり無くなった。









今日も下で
警察とトラックの運転手の言い争い(?)が起きていた。
数人掛かりの警察官がその運転手を取り押さえ、
運転手の人は大きな声で何かを叫んでいる。
横にはセイレンのついた白い車・・・










彼モアンナ風ニ叫ンデイタノ?
彼モアンナ風ニ警察ニ取リ押サエラレテ
冷タクテ重イ、手錠ヲ両手ニ掛ケラレタノ?
彼モアンナ白イサイレン付ノ車ニ乗ッタノ?











下で起きている交番でのやり取りや赤いサイレンを見ると
彼自身のその時の恐怖を考えてしまう、、、



そして
又私達が離れてしまうんではないかという
不安までもが私を襲う。



怖い。
物凄く怖い。



もぅ私達を離さないで欲しい。
もぅこれ以上離れたくない…







気が狂いそうだ。




またいつか
私が笑ってベランダに出れる日は来るでしょうか。。。




■刺青。
2004年11月08日(月)


私達はいつの日か婚約する日が来たら
お互いの腕に二人の刺青を入れようと約束していた。



「私は蝶が良いなぁ~」
「じゃあ俺はemi*=蝶の止まる場所、
 花が良いなぁ~」




行き慣れた居酒屋で
こんな会話をしていたのは2月だった。




婚約という日ではないけれど。
彼がいつか出てきたら、
“もぅ離れない”と言う誓いを込めて、
お互いの腕に、二人だけの模様の、刺青を入れたい。。。





消えない。
一生の残る物。





もぅ私を離さないで欲しいから。
そして彼が立ち直る為のスタートとして。






彼は何て言うかな。
木曜日の面会の時に聞いてみよう(*u_u*)




■寝ても覚めても。
2004年11月07日(日)


今日は休診日。
まだ友達と遊ぶとか言う気になれず、
ずっと眠っていました。




今日は夢の中に彼が出てきました(*^ー^*)
彼が逮捕されてからも何回か夢に出てきていた気はするんだけど、
今日は内容をハッキリと覚えている。



その内容とは、
ス●バで彼と手を繋いで注文していた夢…(-▽-;)
しかも料理を待ってる間彼にホッペにチューされてたという…(爆)

逮捕前によくやっていたなぁ・・・(ボソ/爆爆)





きっと彼とこうしたいとか言う欲求が
夢になって出てきたんだろうね。。


7時頃そんな夢から目が覚めて、
カーテンの隙間から見える眩しい日差に目をつぶって色々考えた。
今日は日曜日。いつもなら隣に彼が寝ていたなぁ…とか。
このダブルベットがとても広く感じるなぁ…とか。




逮捕される前の日、
夜中目が覚めて、彼の腕の中から離れていた寝相の悪い私は、
彼が何処かに行ってしまうんではないかと不安になり
彼の腕の中に改めて入った。
寝惚けながらもギュッとしてくれた彼。
そんな些細なことだけど、とっても幸せだった。
まさかその時は本当に離れ離れになるとは思わなかったけど(^^;)





またそんな幸せに浸りながら眠りたいな。。。




そんな事を考えていたら涙が頬を伝った。





いま彼は何をしているんだろう…
留置場は土日面会に行けない。
土日休みの人が殆どなのに。。ひどいや。
たったの15分だけど、折角の休み。会いに行きたいよ。。





それから起きていると色々考えてしまうのが嫌で、ひたすら寝た。
眠っていれば何も考えなくて済むし、
寂しくもならない。




なのにまた夢に彼が出てきた…;




寝ても覚めても
今私が考えるのは彼のこと。。



せめて夢だけは
幸せな2人であって欲しいな。。




■戻る⇔戻らない
2004年11月05日(金)


彼は借金返済の為に裏仕事をしていた。


本業であった風俗店員としての給料は、
きっちり貰っていたら借金の返済をしていけた額だった。
ただ給料は何回にも分けて数万ずつ渡されていたので、
返せるものも返して行けなかった。

なので、彼は裏仕事をしてお金を作っていた。
ただその仕事は犯罪ものであり、事実捕まった。






彼の借金は150万前後。





自己破産するまでの額ではない。
車1台ローンを組んだようなもの。
彼も自己破産するつもりもないし、
定職について返していく気だと言っていた。








定職?







現実に彼は仕事が無い訳で。
“風俗店の店員”はもぅしないと約束したし、
実際店の人も、私の為にももぅ働かせないから。と言っていた。
だから出てきても彼には職が無い。
借金の返済なんて到底無理。
だからといって又裏の仕事をして捕まったりしたら
今度こそ刑務所行きだ…そんな現実が待っている。







どうする?
























私が手伝う?





彼が定職につくまで
もぅ1度私は風俗に戻ろうか本気で考えてしまった。。。






私が風俗をすれば、
彼が出てきた後の資金として、金銭面が楽になる。
私の今の昼職では彼を養っていけるまでの額が無い。
風俗をする事で借金返済の手助けになれる。


ただ風俗をすると言う事は
好きでもない知らない男の体に奉仕をして、
お金と引き換えに病気と言うリスクと戦わなければならない。






私は彼の為に風俗を辞めた。
同じ店の従業員であった彼と付き合ってからは、
好きでもない男に抱かれるのがたまらなく辛くて、
指一本触れられるのでさえ吐き気がした。

勿論彼も同じキモチで。
当時店にとっては売り出しの商品であった私に
「辞めて欲しい」と言ってくれた。
勇気が要っただろうね・・・




彼を愛していたから。
お金よりも彼の方が大切だった。
贅沢なんかいらない。
彼が居れば良い・・・
そう思ったから。
もぅ絶対この世界には戻らないと約束して
私は風俗を上がった。









でもまた風俗に戻ったら約束を破ることになる・・・・








「私がまた風俗するって言ったらどうする?」



「許さないよ。」




昨日、見事に怒られてしまった…(^ー^;)
しかも泣かれてしまった…滝汗





私だって出来ればしたくないよ…
でも現実には…







夕方彼(と私)が働いていた店に彼の荷物を取りに行った時、
代表と言う方ともその話をした。
勿論駄目だと言われた(-Д-;)




「emi*ちゃんがまた風俗に戻ったら、
 あいつが立ち直ろうとしてるのが台無しだよ。
 出てきて苦労する事が、今のあいつには必要なの。
 emi*ちゃんのそのキモチも分かるけど、
 それじゃあいつはいつまでもemi*ちゃんに甘えちまうよ。
 そんなんじゃ就職もすぐには見つけられない。
 職はいくらでもあるのに、今まで見つけなかったのは
 あいつの甘えでもあるんだから。
 本気であいつが折角再スタートしようとしてるんだから。
 たまには鬼の目で見守ってやりなよ・・・」

 






胸が痛かった。。





風俗はもうやらないよって、
昨日彼の前でも代表の前でも約束をしたけれど、
正直まだ悩んでいる自分がいる。






答えは決まっているハズなのに、、、
分かってるのに、、、
私は馬鹿だ。



もぅ少しだけ
自分が納得するまで。。。
悩ませて下さい。。。




■逮捕後初めての面会
2004年11月04日(木)


やっと念願の接見禁止が取れ、
今日は逮捕後初めて彼に会った。


電車を乗り継ぎ慣れた足つきで彼の居る留置場へ向かう。
そしていつも通り留置所の2つの玄関を抜け、
受付で2枚の受付の紙に自分の名前等を書く。


待ち合い室で五分程待っていると、
第一接見室と言う所へ案内された。



ガシャン!という鍵が開くような音。
奥で誰かの掛け声みたいな声が聞こえる。


「886、入りなさい。」












ドアが開く。
そこに彼は居た。








10日振りに見る彼・・・
顔色も良く元気そうだった。。
ちょっと痩せたかな?

透明で丸く穴の開いた、
ドラマで見たのと同じ壁越し。
目の前に彼は居るのに、彼に触れたいのに、触れられない。。
壁越しに二人の手を合わせても
温もりは伝わってこなかった。。。
ただの冷たい壁だった。。




「ゴメンネ・・・」





彼が最初に話した言葉。
それを聞いたら沢山話したいことがあったのに、
言葉が中々出てこなかった。
一生懸命笑顔を作って「馬鹿…」って言ってあげたけど笑。


それからどうやって捕まったのかとか。仕事の事とか。
気になっていた事をゆっくりと聞いた。
彼は1つずつ私の他愛も無い質問にゆっくり答えながら、
涙がぽろぽろと頬を伝っていた。。




「出たらちゃんとする・・・
 仕事ももぅ店に戻るつもりは無い。
 出たら挨拶をしてきちんと辞めるから。
 ちゃんと就職もするよ。
 それともう嘘はつかないって約束する・・・
 本当に今回はゴメン・・」





頭を下げる彼を見ていたら、
涙が出てきた。

泣かないって決めてたのに。
彼に心配かけない様に泣かないって決めてたのに。
化粧バッチリで泣いたら困る様にしていたのに。
全部台無し。

涙を拭っても拭っても止まらなくて、
「あの部屋で待ってるからね・・・」って言うのが精一杯だった。


でも、暗くなっちゃいけないと、
警察のTさんが呼び捨てにするんだよ~(笑)って笑い話を言ったら
「呼び捨てはやめろっていってるんだけどな」って。
Tさんに嫉妬してた彼が可愛かったな(*^-^*)



ちょっと和んだ所で、
横に居た看守さんが「終わりです」と言った。
ここまでで約15分。短い様で長かった気がする・・・。



彼と看守さんが二人並んで立ち、私が席を離れるのを待つ。
彼が泣きながら立っている姿を見ていたらまた涙が出てきて、
「また来るから」って言わずに、
ただ彼に手を振って走り去ってしまった…





ゴメン…







留置場の外で沢山泣いた。
もしかしたら年内に出てこれるかもしれないのに。
たった3ヶ月位なのに。

彼の顔を見たらもっと会いたくなって。
彼に触れたくなって。
どんどん欲が出てくる自分が悔しかった。
近くに居たのに何も出来ない。
その現実が、分かってるのに出来ないのが苦しくて。
涙が溢れてくるばかりだった。





でもね、
彼の顔を見た事で
少し安心した部分があった。

いつまでも泣いてはいられないと、
彼も頑張っているんだから私も頑張らなきゃって。
ボロボロに化粧の落ちた顔を拭いて、立ち上がった。



空を見上げると
雲1つ無い空は澄んでいて、とても綺麗だった。
今日の空にはちょっと元気を貰った気がした。





頑張らなきゃね。



あんな彼だけど、
やっぱり好きだから。


大好きだから。



ずっと待ちます・・・。






















■もくじ





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