dependance diary** 2004年10月、彼が逮捕されました。
突然の出来事に戸惑いながらも奮闘した日々。
そして2005年2月、執行猶予4年と言う判決を受けて彼が戻ってきました。
そんな私達の毎日を綴ります。




dependance diary**





■初めての留置場そして供述調書<後半>
2004年10月29日(金)


お世話になっている刑事のTさんから電話があり、
私は留置場を後にして20分位の所にある警察署の方へ向かった。



刑事課へ行き、
Tさんと初対面。
「おいっす!初めまして!」
何かサバサバしてる感じの人って印象。
そして奥の席へ案内され、
コーヒーを貰った。(B●SSのレインボー笑)





それからは約3時間、
私自身の事・彼との出会い・交際歴・彼の仕事について等
私と彼の事は全て事細かに聞かれ、全て正直に答えた。
そしてTさんは私が話した事を全てパソコンで打っていた。




彼を助ける為。
そう思ったから、
答えたくなかった自分の過去の仕事の事も話した。
正直ちょっと泣きそうになった。






「大体言ってる事が2人共合ってるな。」




終わった。
その瞬間横にいた違う刑事さんに
「結婚考えてるんだって~?」と聞かれた。
え・・って思った。どうやら彼がそう話したらしい。
「今のままじゃ無理ですけど…
 更正してくれればいずれはそうなりたいと思ってます…」

と結婚する気満々だったのに、そう答えておいた笑




するとTさんが


「emi*ちゃんよぉ~









もっと男選べよぉ~









グサッ!





「あはは…分かってるんですけどねぇ…^^;」



それから延々と1時間
Tさんのからの説教開始(爆)
分かってます。
分かってますって;
馬鹿だと分かって好きになった
馬鹿なんだから仕方が無いんです…(--;)





「でもまぁあいつも正直に話してるし、
 反省もしてるみたいだからさ。
 そんなに長くは掛からないと思うけど、
 大事なのは出てきてからなんだからな?
 いまあいつを変えてあげれるのはemi*だけなんだぞ。
 また周りに影響されない様に、調教してやんな。
 あいつは絶対周りに影響されるタイプだから。
 でもだからって保釈金とか甘やかしたら駄目だぞ!


 emi*さぁ、苦労するって分かってんのにそんなにあいつ好きなんだな。
 ったくよぉー…あいつもこんな子一人にしといて馬鹿だな。
 でもまぁ・・・これからつらいだろうけど、頑張れよ!?
 あいつはemi*だけが支えなんだからさ。
 まぁ、また同じことしたら別れて俺と付き合え?」







と閉められました(^ー^;)
長かった・・・。ハゥ



でも今までの不安とかも全部Tさんに話せて
凄いスッキリした気がした。
誰にもこのモヤモヤ言えなかったからね…。
付き合う気は無いけど笑




まぁ彼を捕まえたのはTさんなんだけど(苦笑)
彼を変える為の良いキッカケを与えてくれたとも思います。


彼はこんなことが無い限り、
絶対風俗の仕事も裏の仕事もダラダラ続けていたと思うし。
もうこの仕事が出来なくなって、
ちゃんとした職に就く良い機会じゃないかな。
よりによって彼を捕まえるなよ~ってキモチもあるけれど、
ちょっとTさんには感謝もしています。




気持ちがスッキリして、
足取りが軽くなった日でした^^




■初めての留置場そして供述調書<前半>
2004年10月28日(木)


この日は彼へ着替えを届ける為に、
とある場所にある留置場へ向かった。



留置場のある駅に着くと、
そこは何とも殺伐としていて、何か寂しいキモチになった。




初めて足を踏み入れる留置場。
坂を下って一歩一歩ゆっくりと中ヘ向かう。
玄関の前には、彼も乗ったであろうサイレンのついた大型車があった。
その車を見て胸が痛くなり、立ち止まりそうになった。。
インターホンを押して中の人を呼び出すと玄関のドアが開く。
その玄関でのやりとりを数回繰り返して、やっと受付に入れた。





受付で「今日は接見(=面会)禁止が出ている」と言われた。
昨晩、警察から今朝地検に行くと聞かされていたので
会えない事は分かっていたけれど、
いざ接見禁止が出ている事によって、
手紙ですら受け取って貰えなかったので
ショックだった。




ただ彼の元に届くのは着替えだけ…。




ちょっとね、
もしかしたら彼に会えるんじゃないかって期待してた。
会えなくても手紙だけは彼に渡るモノだと思ってた。
彼に私の今のキモチを伝えたかった。
私のキモチを伝えて、一人の彼に少し安心して貰いたかった。





馬鹿みたい。。。
現実は厳しいのに。。




彼は罪を犯した者。
例え小さな罪だとしても、罪は罪。
自分が甘い考えだった事を痛感した。






涙が出てきそうなのをこらえながら、
受付の紙に震えた左手の人差し指で拇印を押した。
頭を下げて私は留置場を去った。




空はこんなに晴れているのに
心が晴れることはなかった。




■運命の日<後半>
2004年10月26日(火)


突然の彼の逮捕の話に戸惑いながら、
タクシーで彼の働いてる店に向かった。


お店に着き、
久し振りな店の階段へと足を踏み入れた。
内装も私が在籍していた頃と全く変わっておらず、
少し懐かしくも感じた。



受付の所に着くと、
以前いた従業員Sさんが私を迎え入れてくれた。
そして空いている部屋へ連れて行って貰った時、携帯が鳴った。
知らない番号。






『emi*ちゃん?』






警察だった。




『彼氏に連絡してくれって言われてたんだけど、
 連絡遅くなっちゃってゴメンネ。
 実はね、今日こっちで彼氏捕まえたんだ。』






どうやら彼は私の事を警察に話していたらしい…
私の部屋にずっと住んでいたし、当たり前かもしれないけれど、
私の事を考えてくれている事が分かって、ちょっと嬉しかった…。

そしていま警察署ではなく留置場に居る事を聞き、
そこへ彼の着替え(スエット)を届けに着て欲しいと言われた。
私は木日休みなので木曜日届けに行くことを伝えると



『今回の逮捕は、
 彼氏も大人としていけない事しちゃったんだから仕方が無いよな。
 まぁショックかもしれないけれど、大丈夫だからさ。
 3ヶ月弱かかると思うけど、見守ってやってくれよ。』




その時はただただショックで、
警察の言葉も耳に入らなかった。
どうしてそんなに軽い感じに話せるのかと、
ちょっと怒りさえも感じていた。
今思うと凄い優しい言葉をかけてくれたのに・・・。






そして電話を切って、
従業員Sさんにこれからの事を色々話して貰ったり、
付き合ってるのバレてないと思った~?って少し笑わせて貰ったり…

そして


「ここで働いていた事を△ちゃんに話さなかったのは、
 奴の優しさだからさ・・・それだけは許してあげてな?
 誰から見ても奴は△ちゃん一筋だったよ?」




と言われた。
言わなくても分かってるよーだ・・・(泣)



1時間弱の話し合いだったけれど、ちょっと精神的に楽になった。
「これから辛いと思うけど頑張って下さい」というメェルも貰った。




今は辛い。
物凄く辛い。
彼の腕の中で眠りたい・・・




でもね、彼が頼れるのは私だけなんだと考えたら、
私も頑張らなくちゃいけないんだと思った。
たとえ馬鹿だと言われようとも。
私は彼を待つ事に決めた。


涙はまだ止まらないけれど、強く誓っていた。
くすんだ東京の空を見上げながら・・・





コレカラドンナニツライコトガマチウケテイルノダロウ・・・




■運命の日<前半>
2004年10月25日(月)


この日、
左手の薬指にしている彼とお揃いのペアリングが緩かったのを覚えている。
いつもはむくんでいたのか(苦笑)キツキツだったのに…。



いつも連絡をくれる彼が連絡をよこさなかったので、
何か嫌な予感がして、ずっと彼に連絡を入れていた。
必要以上に連絡を入れど繋がらない彼の携帯。
そしていつも帰ってくるハズの時間にも帰ってこない彼…
どうしようもない不安が私を襲った。

我慢が出来なくなって、聞いていた仕事場へ電話をした。すると





『6月から●で働いてるよ~』





●とは名前は変わっているものの、
私が前働いていた場所にある風俗店。
彼からは3月いっぱいで売却されたと聞いた。
確かにそこは本当に3月に一回店を閉めていたし、
6月には新しい経営者の風俗店が出来てた事も聞いていた。
でも彼は4月から違う店の、女の子とは全く関わりの無いホテトルの電話番の仕事をしていると言っていたので、私は信じていた。



でも度重なる怪しい行動で
彼が●で働いているんじゃないかって言う事は薄々感じていた。

もし彼が●で働いていたとして、
私に女の子とは関わりの無いホテトルの電話番をしていると嘘を言っているとしたら、それは彼なりの優しさだと思った。
だから〝知らなくても良い嘘もある”と私は知らない顔をし続けていた。
薄々気づいていた事がいざ本当だった事を聞いて、
正直ショックだったけれど、そこまでは悲しくなかった。







そして従業員さんに●の電話番号を聞き、
●へ電話をすると聞き慣れた声・・・
以前いた従業員Sさんだ。



『△ちゃん(私の在籍してた時の源氏名)だよね?お久しぶりです^^』




その方は私が在籍している時から彼と付き合っていた事を気づいていたらしい・・・・(^-^;)
そして深々とした声で




『あのね、△ちゃんの為にもハッキリ言うけど
 彼は今日の7時過ぎパクられたんだ・・・』










目の前が真っ暗になった。
何が起きたのかと。
生まれて初めて床に体が落ちた。

震える手を反対の手で押さえながら、
声を出して泣いた。





ドウシテ?
ドウシテカレナノ?





止まらない涙を抑えながら、
●の店へタクシーで向かった。。。




■はじめまして。
2004年10月24日(日)


私の名前はemi*です。


元風俗嬢。
現在医療機関で働く20歳です。




今自分が置かれている状態を整理すると共に、
キモチを吐き出す場所が欲しかったので、
日記を書き始める事にしました。
暗くなる可能性大なのであしからず…(^ー^;)




私が風俗をしていた時の、
同じ店の従業員であった彼と付き合って、
もうすぐ1年になろうとしていました。

喧嘩も沢山したけれど、
お互いこれが最後の恋愛だと信じ、
今まで支え合って付き合ってきました。




この日も
彼の腕の中で眠り、
朝、一緒に家を出ました。


「また夜ね^^早く帰ってきてね」
「うん。気をつけていっておいで」
「バイバイ。」
「バイバイ」




彼の背中を見送りながら、
私も仕事へ向かいました。



これが最後に交わした言葉になろうとは・・・・。






















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