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2007年03月18日(日) ステージの差

 毎週観ているテレビ番組にフジテレビの報道特集があるのですが、今朝は、東京都知事選の候補者4名の討論を聞きました。石原現都知事が候補者の浅野氏に対して、千倍の人脈を持っているという発言をするのを聞いて、つくづく人には生きているステージの差があるものだなど考えました。このごろ、自分には少々荷が重い仕事を進めているせいか、なんだかとてもこの石原発言が身につまされて、自分がひどく小さくて狭い世界で生きているように思え、それでも、今生きているこのステージで精一杯やるしかないのだなど自分で自分を励ました朝でした。いつもどちらかというと、相手が誰であろうと、また、どんなステージで生きていようとも、幼稚なまでにものおじしない自分なのですが、どういうわけか今朝のこの一言は先月下旬くらいからの暗く沈んだ気持ちに、さらに錘をかけたようです。別段、仕事で失敗したわけでもなんでもないのですが、むしろ周囲のスタッフのおかげでうまく進行しつつあるのですが。一瞬だけですが、かなり心の深いところまでぐさっとつきささりました。気持ちのどこかで、もう少し、仕事のステージを高いところへ持って行きたいという希望を持ち始めたからなのかもしれません。でも、それが幸せにつながることなのかどうかはわかりません。そしてまた、そのための具体的な努力を始めようともしておらず、ただただきっと、祈るように、今ある仕事のひとつひとつを大切にしていくだけなのですが。

 最近出会った本に、とてつもなく成功しようと思ったら、大きな犠牲を払わなくてはならないのだということが書いてあったけれども、こうしてここでくらして、身近な大切な人たちの幸せを願いながら、また仕事も目標通りに得ていこうなんていうのは『漁師と金の魚』みたいなもんだなと思うのですが、人間ですから、ときどきこんな気分になったりもします。


 写真は、今日討論会で石原慎太郎と激論を戦わせた黒川紀章の設計 国立新美術館です。
今月8日に東京へ出掛けて、打合せの後に寄って来ました。これまでみた現代アートの美術館の中では、圧倒される重みを建物に感じました。駆け足で、展覧会をひとつだけ観て来ました。また、大好きな藤田嗣治作品に会えました。


 こちらの写真は、3月3日に仕事で御殿場へ行った時に写した、秩父宮記念館にある、宮様の使っていた陶芸の工房です。わずか20坪に無駄なく窯、轆轤のある仕事場、農機具置き場が配置された古い工房です。この日の仕事は実は午後からだったのですが、この工房が観たくて、朝も早くから出かけて行って、工房見学だけで一時間半も費やしてしまいました。

偶然ですが、こうして2枚並べてみると、私のいるステージは、やっぱりこちらの工房なんだなって、それを心地よくも感じて今日を終わろう。


TSUKIKO |MAILHomePage

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