ひまわりさん観察日記
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2005年04月26日(火) おはなし絵、合作(呑竜教室)

おはなし絵『おじいさんのつるつるかぼちゃ』制作も、いよいよ完成。続きの立体工作は、夏休みのおたのしみです。


のんちゃん(小3)ともえりちゃん(小3)の合作。


こちらは、さとちゃん(小5)の描いた絵に、もえりちゃんが繋げて描き足した作品。


2005年04月25日(月) 家並み(一ノ割教室)


えみりちゃん(小2)の作品。「家をたくさん描く」というところからスタートしました。下の方の家並みがそれです。だんだんたいへんになってきたので、拡大して描きました。絵の具の色がきれい。


2005年04月24日(日) 踊る桜(庄和教室)



えりなちゃん(小2)の作品。音符が浮かんで、桜の木も踊っていますね。


2005年04月22日(金) くまとうさぎの話(一ノ割教室)

あとりえに来ているひまわりさんの半分以上が油絵に取り組むという異例の状況、いつになくしーんと静まりかえる部屋でみんな真剣に絵を描く隣の部屋で、もうひとり、やはり同じく黙って人目を忍びいたずらをしかけているひまわりさん発覚(もちろん、全員帰宅後!)。

『ぼく、ペ・ヨンジュン ハングル文字です』と、ハングル文字っぽい記号が書かれた紙発見!爆笑!!

面白いから月曜(クラス)まで貼ったままにしておこう、とそのままにして私の帰宅時、玄関にも貼り紙発見。『立ち入り禁止』・・・・なかなかシャレにならんですねえ。

この貼り紙いたずら確信犯、だいたい目処がついてます。。。ふふふ。




ゆりちゃん(小4)が、2週に渡っておもしろい『絵本』を作った。

まず、この絵本としての形態が面白い。
八つ切の画用紙を折って切り込みを入れて(この完成品のようにはじめからイメージしていたゆりちゃんだが、切り込みの位置がなかなか思う通りに出来ず、何度か失敗を重ねて、これに至った)、番号順に開いていくと、中には絵と文章が描いてある、というものだ。

もうひとつ、面白いのがストーリーである。
もちろんこちらもゆりちゃんのオリジナルストーリーである。
1週目に4コマ目まで描いた。むむ、ちょっとこれはすごいストーリーになるかも、と感じた。落ちはどうなるのか、個人的にものすごく興味があった。
ゆりちゃんは途中にしたまま終わってしまう常連さんなので、2週目、「これ、がんばって完成させてみて。続きがすごく気になるから」とお願いした。私の本気の期待を感じとったゆりちゃんは、油絵の後に続きを描いてくれた

切り込みのカタチと絵は丁寧に時間をかけて作ったものの、ストーリーに関しては何気なくさらっと作り上げたこのゆりちゃんのお話。皆さんはどのように感じますか?

(上記本文中『4コマ目まで描いた』『続きを描いてくれた』をクリックすると、絵本を読むことができます。)


2005年04月19日(火) 頼れる先輩(呑竜教室)

おはなし絵『おじいさんのつるつるかぼちゃ』大制作も、あと一息!それぞれ担当の場面が仕上がってきて、最後に隣り合う絵が上手く繋がるような作業に入っています。4場面目に突入ののんちゃん(小3)ともえりちゃん(小3)は、合作で取り組むことになり、また新鮮な気持ちで臨めたようです。


3月にお休みが続いてしまったゆうたくん(小3)は、それでなくても慎重派でおはなし絵に突入したのが人よりも遅かったので、1場面目に手こずっている。ダンボール板にポスターカラーで下塗りをして、乾いた上からクレパスで線描き(これは省略も可)、さらにポスターカラーで色を乗せていく、という手順で進めているのだが、クレパス描きで本人は完成したつもりになっている。というか、慎重派のゆうたくんらしく、この上にさらに絵の具を塗ることが億劫なのでもなく、失敗を恐れてる気配。

で、『ゆうたくん盛り上げ大作戦』を、センセイは企てる。

ゆうたくんの『ツボ』を突くっきゃない。

今日から正式にあとりえの一員となった、れおくん(小1)は、ゆうたくんと同じ小学校に入学したばかりだ。れおくんにとっては、ゆうたくんは幼稚園の先輩、小学校の先輩、そしてあとりえの先輩、となるわけだ。
おまけにれおくんのおにいさんのりきとくん(小5)は、本日発熱でお休み。あとりえの男の子はこの3人のみ。つまり、入会したてのれおくんをサポートしてあげられるのは、ゆうたくんしかいない!

ゆうたくんは表面的には元気者でいつもおちゃらけてあとりえを賑わせているが、とっても慎重派、しかも頼られると俄然威力を発揮する頼もしい男の子。その『ツボ』を押してみよう!

「ゆうたくん、(今までゆうたくんが描いていた)この場面の隣が空いているから、れおくんにお願いしようと思うんだけど、れおくんひとりじゃちょっと難しくて可哀想だから、ゆうたくんも一緒に描いてくれるかなあ」
・・・新しい場面で、れおくんとの合作を提案してみた。

すると、はじめは「えーっ!めんどくせーー!」などと渋っていたゆうたくんだが、実はちょっと嬉しそう。「お願い、他に頼める人いないのよ、りきとくんお休みだし」とさらに頼むと、「しょーがないなあ、ほら、『れお』とかいうヤツ、やるぞ!」と、ちょっと照れながらもやる気を見せた!

(念のため、「『れお』とかいうヤツ」という呼び方には、確実に後輩に対する友情がこもっています。そのたびに「れおくん、でしょ」と直していますが。)


それからはアッという間である。

ゆうたくんがリードをとって、れおくんもいっしょにかぼちゃのつるをつるつるっとさせたり、川に橋をかけて魚まで描いたりした。れおくんが「かぼちゃは描けない」というと、ゆうたくんが先に描いてみせて「これをまねして描けばいいよ」なんて言ったり。

調子が出てきたので、センセイもここぞとばかりに隣にゆうたくんの途中の絵を並べて「ついでにこっちも塗っちゃおうか!」と提案すると、そちらにも手が進み、ぐんぐん絵が生きてきた。あんなに引き気味だった絵筆を持つ手が、つるつるつるっと軽やかに、絵に命を吹き込んでゆく。


作品写真は、後日掲載いたします。


2005年04月18日(月) なが〜い旅路(一ノ割教室)

なぜか、なが〜いおけいこが流行っている。長い、といってもおけいこ時間が長いのではなく、画用紙を何枚もつなげて『なが〜い』のである。

とくになが〜いのが、せいたくん(小5)とゆうなちゃん(小4)。このふたりと言えば、以前ちょっぴり紹介した、定規を使って描くことを好むふたりだ。

せいたくんは相変わらず電車や車や船を描いている。最近は建物も出てきて、絵が街の様になってきている。横だけでなく縦にも繋げて、海の中の生き物も描いている。家から熱帯魚の図鑑を持ってきて、さすがにコレには定規を使わず、でも何度も描いては消し、消しては描いて、納得のゆくカタチを追い求めている。長さだけではなく、消しゴムのかすの量も半端じゃない。久しぶりに色鉛筆やサインペンを使って色が出現した。

ゆうなちゃんはもっぱら『ビル』を描く。マンション、病院、薬局、スーパー、学校、などなど。定規を使って、たくさん窓を描き、窓の中の様子も描き、入り口のドアは開く仕掛けを作って、中も描く。とにかく細かい。細かくて長い。4つ切りの画用紙を横に5枚も6枚も繋げてゆく。すでに1ヶ月ほど描き続けているが、どこまで続くのか・・・。

ふたりに見習って、画用紙をつなげる下級生も少なくない。
長いなが〜い旅路への挑戦は、まだまだ終わる気配はない。


ゆまちゃん(年長)作『パパがお休みの日、おはなみに行った。ゆまちゃんが「うれしい〜〜!」と言った』
大きな雲の優しい表情が好きです。


2005年04月17日(日) またまた寂しい卒業(庄和教室)

ゆかちゃん(小5)は、もう随分油絵を描いていない。確かに、ゆかちゃんの描きたい絵は、油絵よりも鉛筆描きの方がむいているかもしれない。でもいつもそれでは進歩がないので、敢えて油絵で挑戦してもらいたいのだ。で、本人に説得、納得してくれたので今日か今かと油絵を勧めるが、「来週から」といつもまんまとかわされてしまう。今日も負けた。来週こそ…!?



かつてのっぺらぼうだったゆきこちゃん(小6)の自画像を御記憶だろうか。先日、こんなに自然な人物画に、見事に仕上がりました。ゆきこちゃんの内に秘めたパワーを感じます。



ゆうきくん(中3)が、3ヶ月ぶりに現われた。眠そうな目をこすりつつ(日曜日の午前中です・・)「もうあとりえ辞めます。」と、一寸照れ臭そうに。

以前ここで紹介したちいちゃん(当時中2)と同様、ゆうきくんもあとりえ最年長の8年生だ。小学1年生から、日曜日の朝、長いこと通い続けてくれた。はじめの頃は同級生のお友だちも多かったが、みんながサッカーだ野球だと次々あとりえをやめていく中、油絵や木炭デッサンなどに特に興味を持って、絵を描き続け、メキメキと腕を上げていった。

ゆうきくんは小さい頃から心優しい男の子で、よく年下のひまわりさんたちや、私の手助けをしてくれた。特に私には、黙ってスッと片付けを手伝ってくれたり、センセイに対してやんちゃに無邪気に反抗する下級生たちをピシッと制してくれたりと、気を使ってくれていた。

中学生になってからは、部活動との両立であとりえに来れない日も増えたり、日曜日の早起きは眠くて辛かったと思うけれど、大好きなドラえもん(!)の絵なども描いたりして、僅かな一時を楽しんでくれていたようだった。


・・・ちっちゃい頃のゆうきくん、かわいかったんだよねえ。昔、仲良しのKちゃんと一緒になって、我が家にピンポンダッシュしてくれたこと、知ってたよ。それが、いつの間にか私よりもぐ〜んと背が高くなって、大人っぽくなっちゃって。。。。
親でもないのに、一人の人間の成長を見せてもらった、って感じです、いかにも。

そして、着々といろいろな意味で大きく育ってゆくゆうきくんと共に、あとりえも私も成長させてもらったように思う。温かく支えてくれて、どうもありがとう。
ゆうきくんが4年生の時に描いた飼い犬のユリちゃんの油絵、これからも引き続きあとりえHPの中で使わせてもらいます。


中学校生活ラスト1年、実りある良き1年となりますように。ガンバレ!!


2005年04月15日(金) 絵の具修行(一ノ割教室)

どの教室でも春のソワソワ感がまん延する中で、金曜クラスはいつもにも増して集中して絵を描いている。油絵を描くひまわりさんが多い中で、特にこの春油絵デビュ−したしょうちゃん(小3)の集中力の深まりは著しい。

しょうちゃんは2年生になった頃から「油絵、油絵」と言い続けていた。油絵を描きたくてしかたがない。2つ上のお兄さん、まあくん(小5)が油絵を描きはじめると、隣を陣取って絵の具や筆をいたずらする。とうとう止められず、画用紙にまあくんの使い残した油絵の具で絵を描いたこともあった。

2年生の秋頃から、その熱は深まった。
「いつから?いつから描いていい?」と連日の粘りに負けて、「じゃあ、2年生の3月からね」と、ちょっとだけフライングを認めた。




これはしょうちゃんの記念すべき第一作目の油絵。図鑑を見ながら、クワガタとかぶとむしを大きく描いた。周りに色を入れて欲しかったのでそう言うと、星を描いた。白い部分はキャンバス地むき出し。普段はなるべく全体に色を入れるよう指導しているが、何度も描き直した木炭の下描きの痕跡がいい味を出しているので、キャンバス地もいいか、と思い無理強いはしないことにする。

そして現在2作目を描いている。2作目も「かぶとむしを描く」と言い出したので、同じではつまらないなと思い、別の絵を描いたら?と勧めたが、他には描きたいものはない、どうしてもかぶとを描きたい、と言うので、それもいいかと思い、1作目と違う感じの絵にしようね、という条件で描き出す。

しょうちゃんにはひとつ下の弟がいる。りょうすけくん(小2)だ。
しょうちゃんがめでたく油絵に昇進すると、今度はりょうすけくんが黙っていない。しょうちゃんの絵の具をいたずらしたり、「おれもかきたい!」と言ったり。

「しょうちゃんもずっと我慢してきたからね。りょうすけくんも来年まで、もっともっと修行しないと。(水彩)絵の具で修行しないと!」

・・・餌で釣るみたいな、ちょっとずるい戦法だが、なかなかやりたがらない絵の具のおけいこの導入としては、とても効果があるこの一言。




ってわけで、油絵と同様に、画用紙に木炭で下描きをして、そこに水彩絵の具で色を塗った、りょうすけくんのオオクワガタと幼虫の絵。とても気持ちよく、大きく大胆に描けました。この調子であと1年。修行の道は長いのだ、りょうすけくん!


2005年04月12日(火) ぞろ目で勢ぞろい(呑竜教室)

一ヶ月ぶりのおけいこ。みんな久しぶりの再会は、あいさつがわりのこの質問で...


きょうかられおくん(小1)が仲間入り。よろしくね。



あとりえ(呑竜クラス)最多4名の新3年生なかよし組は、4人とも小学校は別々だ。だから久しぶりの再会は嬉しくて楽しくて仕方がない様子。

はりきって同着一番乗りでやってきたのんちゃんとゆうたくん。ふたりに「もう3年生かあ〜、早いねえ〜〜、何組になったの?」と何気なく聞くと、ふたり声を合わせて「3組!」・・・あれ?一緒だね〜!

次にやってきたもえりちゃんに、ふたりが「ねえ、何組になった?」と聞くと、「3組」!!おおっ!またまた3年3組が現われた!

「これでゆきなちゃんも3組だったら、すごいねえ〜!」3人ともワクワクがとまらない。とそこへ、ゆきなちゃん登場。

「ゆきなちゃん、何組?」3人が聞くと「3組だよ」。やった!

「みんなでぞろ目だ!」と心の中で小躍りしたのは私だけですが、4人も「すご〜〜い!」と大感激して、この偶然の喜びを分かち合っていました。

もちろん、小学校が違うので、同じ3組でもな〜んのメリットもないのですが、箸が転がっても嬉し楽しい、春うららなおけいこスタートです。


2005年04月11日(月) 魔女の宅急便(一ノ割教室)

春のおけいこは、なんとなくみんなうきうきそわそわと、落ち着きがなくなる。どのお教室でも、毎年この時期は仕方がない。入園・入学、クラス替え、と新しい環境でチョッピリたまるストレスを、いつも変わらないのんびりムードのあとりえで発散しているのだろう、そんなおけいこも楽しいものだ。けいじくん(小5)はめずらしく「やる気が出ない・・」とぼんやりしているし、えみりちゃん(小2)も「何も描く気がしな〜い」なんて言っている。いいよいいよ、のんびり行こうよ。(でもふたりとも、その後おえかきに突入しました)


キキになったまさみちゃん。テーブルの上の、毛糸とビニールテープで作っているのは『スベリ台』。

今日のあとりえでたったひとり、まだ新学期がスタートしていないのが、まさみちゃん(年長)。明日から幼稚園がはじまるのだそうだ。

「今日も公園でい〜〜っぱい、あそんだけどね」まだまだ元気はあまっているようす。髪を肩まで切って、春らしく生き生きとしている。

「キキみたいだね」。りなちゃん(小6)が、髪を切ったまさみちゃんを「かわいい〜〜!」とほめる。『魔女の宅急便』の主人公のおんなのこ『キキ』に、そう言われれば似ている。

それを聞いたまさみちゃん。折り紙でリボンを作って、頭のてっぺんにセロテープでくっつけた。おおっ!まさに魔法使い見習い『キキ』だ。

みんながなんとな〜くグッタリ&ソワソワしている中、いつもは「つかれた〜」が口癖の最年少まさみちゃんも、今日ばかりはひとり颯爽と空飛ぶほうきにまたがって、あとりえに元気を届けてくれたのでした。


2005年04月10日(日) 暖かな春の風のなか(庄和教室)

正風館(お教室を開いている公民館)の玄関先に咲かせているパンジーがとてもきれいだったので、みんなで画用紙と鉛筆を持って外に出て、写生をしました。


新4年生になったしおりちゃんとさやちゃんは、大の仲良しなのに、先週から引き続き絶交中。顔を合わせようとすらしない。でも、どちらもお互いを意識しているのはよ〜く伝わってきているのですが。


しほのちゃんの『おはなみべんとうたべた』。左下の桜の木のとなりには、パンジーお花壇がありますね。


意気揚々と外に出て、ふたりは油絵にしようとキャンバスに花や植木を写生します。優しい暖かな風がそよいでいて、向こうに見える満開の桜は花吹雪。

自然の力って、偉大。どんな理由か知らないけれど、外で絵を描いているうちに、いつのまにかふたりは仲直りしていました。ふたりも私も、ホッとひと安心!おかげで絵に集中して、素敵なできあがりになりそうです。


しほのちゃん(小2)は向こうの桜の木を眺めながら、春休みに家族で出かけたお花見のことを絵にしました。外で描くと心も手もグッと新鮮に絵と向かい合えます。鉛筆描きができたところで、お部屋に戻って色塗りです。




きれいに色を塗った後、しほのちゃんにお弁当も描いてとお願いしました。するとしほのちゃん、「そうだ!いいことおもいついた!!」。

画用紙を小さく切って、本のページをめくるように、扉を開くように、おべんとうの位置にセロハンテープで貼りました。めくると中にはおべんとうが!そう、付け足した小さく切った画用紙は、お弁当の蓋だったのです。

「そうだ!またいいことおもいついた!!」もう一枚同じ大きさに切って貼り、お弁当は2段重ねの豪華おはなみべんとうになりました。


暖かな風に包まれながら、仲直りもできたし、お弁当も作れたし、充実した時間が過ごせましたね。


2005年04月08日(金) 新学期スタート!


まあくん(小5)作『いちごがり』。春休みに行って「たっくさんたべた」そうです。


本日から新学期のおけいこスタートです。


午前中、絵画指導を担当している呑竜幼稚園の入園式に出席してきました。
3歳児と4歳児。大泣きする子や、センセイの歌と手遊びにあわせて立ち上がってノリノリの子などなど、千差万別です。在園生によるお遊戯の発表なんかもあって、ほがらかたのしいひとときでした。

絵画指導を担当するのも、今年で3年目。
毎週大勢のちびちゃんたちに励まされながら、あとりえとはまた違う楽しみを、私自身も味わっていきたいです。(体力的にはいっぱいいっぱいです・・・がんばるぞ!)



ついでにもうひとつ。
今年の『第9回ひまわりあとりえ児童画展』の日程が決まりました。

2005年10月8日(土)9日(日) 春日部市中央公民館ギャラリー です。

今年は都合により、恒例の夏休みの開催ではなく、10月の開催となります。
展覧会の目玉となる、おはなし絵の制作や、夏休みの共同制作も、企画中です。おたのしみに!

5月のお知らせに載せるのをうっかり忘れてしまったので、一足先にここでお知らせいたします〜〜。


2005年04月01日(金) 偶然の密会(番外編)

浅草で開催のおひさまあとりえ児童画展の最終日、会場に向かう快速電車内での出来事です。

春休みの暖かな午前中、浅草行きの快速電車はすでにとても混み合っていた。春日部駅から乗り込んだ私は、進行方向右側のボックス席の把手につかまり、文庫本を取り出して読みはじめる。

すると、私の目の前の席に座っている御夫人が、通路を挟んで反対側のボックス席の窓側にお行儀よく座っている男の子に向かって「もうすぐ一ノ割駅を通過するよ」と話しかけている。一ノ割?、我がアトリエや呑竜幼稚園の最寄り駅である。話し掛けられた男の子は熱心に窓の外を見ている・・・・あれ?良く見ると、呑竜幼稚園を卒園したばかりのSくんである。

Sくんの座っているボックス席には、隣におじいちゃんらしき男性、向いの窓際にはSくんのお兄さんらしき男の子、その隣の女性はお母さまだろうか、いや、もしかしたら全くの別人だったかもしれない。私の立っている位置からはお兄さんとお母さんらしき女性のお顔を拝見することは出来なかったのだ。そう言えば「一ノ割駅・・」と話しかけていたご婦人は、数年前あとりえの児童画展で一度お会いしたことがある、Sくんのおばあちゃんだ。

ここで解説しよう。

Sくんのお兄さん、Sちゃんは、この春小学5年生になる。Sちゃんも呑竜幼稚園の卒園生で、年中・年長の二年間ひまわりあとりえに通っていたのだ。その頃一緒にお迎えに来ていたおちびちゃん(Sちゃんは当時、弟の事を「赤ちゃん」と呼んでいた)がSくんで、あとりえのひまわりさんではないけれども、幼稚園の絵画指導(授業)で二年間おつきあい出来たというわけだ。

一度、Sくんがあとりえのおけいこを覗きにきたことがあって、「Sくんのおにいちゃんも、あとりえでお絵描きしてたんだよー」と話したことがある。その時、Sくんはどうもピンと来ないような、ふしぎそうな表情で聞いていたが。

で、ここで私の、ちょっとずるい考えが働く。

ここでSくんに私の存在を知られてしまうと、20分近く身動き出来ない快速電車の中で、一度しかお会いしたことのない祖父母さま方にご挨拶だけでなく『あとりえ』のことや『絵画指導』のことを説明しなくてはならないだろう。これは一寸難儀である。ここはいっそ、Sくんに気付かなかったことにしよう。都合良くマスクで顔半分覆っているし、いつもの作業着にエプロン姿でもないし、Sくんに背中を向けていれば気付かれることもなかろう。

・・・という考えは、甘かった!

10分ほどして、なんとなく気配というか視線を感じた私は、Sくんの存在のことを半ば忘れて、ふと背中越しに目をやると、なななんと、Sくんが私の事をじい〜〜〜〜っと見つめているのだ。私は咄嗟に、目をそらし本に戻るふりをする。

・・・・ばれたかな? マスクしてるけど。
どうやらSくんはすぐにまた窓の外に視線を移したようだが、まだ疑惑は晴れていない。


なぜなら、二ヶ月程前に、こんなことがあったのだ。

地元のホームセンターに買い物に行った時の事。
自動ドアを入ってすぐの切り花を見ていた母。私はドア付近で他の客の邪魔にならないように、ボーッと立っていた。

その時も、なにやら視線を感じて、振り返り一面ガラスの自動ドアの向こうに目をやった。

ガラス越しに、私をじい〜〜〜っと見つめる、男の子。
そう、Sくんだった。
その時は、私から手を振った。するとSくんも満面の笑顔で手を振り返してくれた。ガラス越しだったので、言葉は交わさなかった。
後からやってきたSくんのお母さんが、息子に手を振る私を見て、お互い会釈した。その時には私が誰か、分からなかったようだが、きっと後でSくんが説明してくれたことであろう。
(後日、幼稚園でSくんに会った時、「このあいだお店で会ったよね〜」と話をした。)

・・・という過去があるのだ。今日もばれてるかも。実にあやしい。


咄嗟に目をそらしてしまい、さすがの私も後悔した。
せっかく私に気付いてくれた(マスクをしてるのに)Sくんは、もう卒園してしまった。もしかしたら、もう二度と会えないかもしれないんだ・・

よし、電車を降りる時にまた私を見てくれたら、マスクを取って笑顔で手を振ろう。


さらに10分後、電車は北千住駅に到着。Sくんたちは下車するようだ。私は終点まで行くので、ドアの側の空いた席に座る。ここに座れば、間違いなくSくんは私の目の前を通る。

通った。Sくんはやっぱり私を見てくれている。私は慌ててマスクを取って、手を振る。Sくんも疑いの眼差しから愛くるしい笑顔に変わり、思いっきり手を振る。次の瞬間、すぐ後ろを歩くSちゃんの身体を、バシバシ叩く。「おにいちゃん、あとりえのせんせいだよ。しってるでしょ?」という無言の訴えである。

5年生になったSちゃんの顔をはじめて見る。4年ぶりに会うSちゃんは、背もスウッと高く伸び、表情もきりりと引き締まり、ニコニコ愛らしかったあの頃と比べて、ずいぶん大人びて見える。街ですれ違っても、Sちゃんだとは気付かないかもしれない。もちろんSちゃんも私が誰だか分からない様子。なぜ弟がこの人と手を振りあうのか、弟が自分の身体を叩くのか。

この間、たった数秒の出来事である。


Sくんとの、誰にも気付かれない、二度の偶然の密会。
もう幼稚園で会うことは無くなるけれど、また街のどこかで会えるような気がしてならない。

Sくんや、他の卒園生に、私だと気付いてもらえるように、よし、頑張って若さを保とう、と、くだらない気合いの入る、新学期の始まりだ。 











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