胡桃の感想記
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2004年09月25日(土) |
「痛くなるまで目に入れろ」シアター・ドラマシティ |
先週に続いて大阪ドラマシティ通い。決して決してご近所ではないのですけどね・・・。 劇場は当然のことながら、「ドリアン・グレイの肖像」の跡は無くちょっと淋しい。 音楽もロック調で、アナウンスもドラマシティのお姉さんだ・・・牧島さんの声が恋しい。と気分はまだまだ「ドリアン・グレイ」(笑) 席は19列目のサイドと全体は見渡せるものの、ちょっとサイド過ぎて見にくいのでオペラグラスを準備。
G2さんの舞台は「止まれない12人」に続いて2度目ですが、今回は回想の時間軸がバラバラで、ちょっと分かりにくかった。 少し前の回想かと思えば、そのまま更に昔へ回想・・・とついて行くのが大変だった。 ストーリーは息子(山内圭哉さん)の為なら、どんな犯罪もしてしまうという想像を絶する父(陰山泰さん)の話。そんな父を疎ましく思いながらも、しっかりレールに乗っている息子。そんな親子にヤクザや息子の幼馴染の殺し屋が絡んでくる。 Studio Life曽世海児さんはヤクザ若頭・中川というすぐに人を殺したくなるというキレた役だったけど、途中、女子高生と暴走族のレディース役も! Lifeでは割と普通に綺麗になっていたのでそんなに身構えてなかったけど・・・あれは酷かった(笑)。 特に女子高生はウケ狙いとしか思えない〜〜。 3人のうち2人は女性だったから、海児さんのデカさと異様さが目立ったし、赤チェックのミニスカートに黒のハイソックス、そしてオンザ眉毛の黒ロングヘアー・・・。 まぁ、山内圭哉さんのスキンヘッド学ランも同じぐらい不自然で変だったが(笑)。 ただヤクザの時はひたすらシリアス。一人スーツ姿でそれがまた似合っていて格好良かった。 そして華奢だった。Lifeの舞台だとそうでもないのに海児さんって細いな〜。(って事はLifeの劇団員って・・・/汗)
ストーリーテラーの執事(久保田浩さん)が実は死んでいて(劇中に刺された筈なのにずっと進行しているからおかしいなぁとは思っていたが)、父(陰山泰さん)が変装していたのには笑えた。というか二人が背中合わせにゆっくり回転して入れ替わる・・・ってありえない位、コテコテな演出に大爆笑。 ただ前回「止まれない12人」で最高に笑わせてくれた久ヶ沢徹さんがどの役なのか分からなくて・・・パンフで分かったのよ・・・。よくよく考えれば、あの役しかないのに、ヤクザでも一番下っ端の若そうな感じだったもので(遠かったしなぁ←失礼)、まさかあのウルトラ警備隊のおかしいおじちゃん(前回の役)とはね。
部分部分で笑いはあるものの、全体はダークでラストなんて救い無し! 父と息子以外、全員死んでしまうからねー。 席が後ろの方で、あまり細部は見えなかったけど(良かった)、結構“血”のシーンが多くて、ホントにシャツとか赤くなっちゃうのよ〜、血糊で。 私、血が視覚でくるのはダメなのよね。活字やセリフなら大丈夫だけど、コミックスの黒い血も苦手。 しかも、ナイフで刺すときぐりぐりしすぎ!!音がこれまたリアルで・・・やーめーてーって感じ(苦笑)。 「ドリアン・グレイの肖像」でドリアンがバジルを殺す時も、5回位刺したけど、こっちは音が無かったから、良かった・・・(ってやっぱりシメはStudio Life /笑)。
カーテンコールで最後にもう一度、と海児さんをオペラグラスで覗いたら口の周りが赤かった。 ・・・ナイフで刺されて血まで吐いたのね・・・。 スッキリしないラスト以上に、ある意味、衝撃的な舞台の終わり方だった。
2004年09月23日(木) |
◇映画「ヴァン・ヘルシング」 |
Studio Life「DRACULA」の記憶がまだあるので、どうも主人公ヘルシングよりドラキュラと花嫁たちが気になってしまった。いけない、いけない、すべてがLifeの世界になってしまう〜〜(笑)。 娯楽映画の王道って感じでストーリーも分かりやすく、映像も豪華だったので大画面で観る作品だなと思った。 オープニングのモノクロエピソード、フランケンシュタインのシーンは雰囲気があり(従来の作品をモチーフとしているのだが知らない私が見ても)良いのだが、ヘルシング最初のお仕事のターゲット、ハイド氏(ジキル博士とハイド氏)は、もの凄い巨体でいかにもCG!!という感じで安っぽかった。私のハイド氏のイメージとあまりにも違いすぎてちょっとショック。 意外だったのは、ウルフマンの出番が少なかったのと、花嫁の一人・マリーシュカがさっさと退治されてしまったこと。 そしてヘルシングとアナ王女はいつ惹かれあったのか分からないまま、終盤でキスシーンがあっても・・・無理やりそこだけロマンス? アナ王女の人物描写はとても浅いものの、キリリとしてとても格好良かった。 最近のハリウッドも戦う女性が格好良くなったよなぁ。 カールも期待以上にいい味出していたし。勿論、ヘルシングはヒーローで格好良かったけど、過去を全編で匂わしていた割には、なんだかあやふやだった(分かりにくかったという訳ではなく、あっさりしすぎ)。
割と早く映画に興味を持ち(Life公演つながりで/笑)、前売りを買ってから、TVやラジオで宣伝が始まったのだが「5分に一度驚く」とか「ヴァン・ヘルシング!!(叫)」とかで、なぁ〜んか観る気が失せてしまった。 あの宣伝はちょっと・・・ちなみに5分に一度も驚かなかったし(笑)。
ストーリー展開がテンポ良くて、カールの運の良さに感心しつつ・・・でもラストで狼男になったヘルシングに殺されるアナ王女ってどうなの?身体能力は勿論の事、ドラキュラや花嫁に絡まれても生き延びたアナ王女なのに・・・。 死ぬ前にちゃんと薬をヘルシングに打って狼男を治してからって所が、健気なヒロインで涙を誘うけど(それまでのアナ王女はヒロイン度よりも凛々しさが勝っていた)、結局ドラキュラ退治に400年を費やした一族は途絶えてしまったのか。 ドラキュラ滅亡で一族は皆、天国へ行けたのだけど・・・ラストでいきなりファンタジック? う〜ん・・・。
最近、女性演出家・倉田さんの舞台ばかり観ていたからか、男性の方がドリーマー(なんだその表現は・・)とか思ってしまった(笑)。 アナ王女はラストでヒロイン度UPだけど、それまではドラキュラの花嫁・アリーラのような気がする・・・小悪魔っぽくてかわいかったから。 それにしてもドラキュラの子供たちにはビックリだったな・・・。大量の幼虫の群?
そうそう前売券のおまけで貰ったショッキングピンクの変身後のドラキュラのマスコット、後ろにゴムが付いていて用途がイマイチ分からないのだけど、“トランシルバニア製”!!(←ドラキュラ伯爵生誕地です) 本当かどうかは分からないけど(笑)こういう凝り方って大好き♪
2004年09月12日(日) |
「ドリアン・グレイの肖像 Crimson」紀伊国屋サザンシアター |
☆劇団Studio Life(スタジオライフ)公演☆
終演後のトークショー ☆司会 藤原・深山 ☆女優たち 石飛・及川・佐野・牧島・吉田・三上 ☆フレッシュ 荒木・大沼・宗村・関戸・黒川
藤原「こんばんはっ、皆さん!!(いきなりハイテンション)・・・あっ違う、こんにちは、だ」 深山(笑顔で)「こんにちは〜皆さん!」 藤原「海児くんとかとはよく司会するけど、深山くんは初めてね〜」 深山「そうなんですよ、もうカーテンコールから気になっちゃって」 藤原「舞台の時からでしょ〜?」 綺麗なドレスの大女・藤原さんはスタートから客席の笑いをとっていた。 そして女優陣&フレッシュ君たちが登場。横並びすると結構な人数だった為、佐野さんが牧島くんと吉田くんに“もっと奥へ詰めて詰めて”と言っているのがとても印象的。 そして今回のテーマは「話題のフレッシュに質問!初恋の人を例えるならだぁれ?」 荒木「荒木健太郎です。」 と何故かここで間があき、会場も“?”(でもフラッシュは続く・・・) 藤原「自分から拍手を求める新人なんて初めてよ〜」 名司会者のコメントで、会場からは笑いと大きな拍手が。荒木くんも笑いながら(照れ笑い?)「初恋のタイプは石飛さんです」 石飛さん、いきなりのご指名(笑)にとても嬉しそう。藤原さんの薦めで前へ出た石飛さんのしぐさはまさに女性!! 藤原「どうしてですか?」 荒木「初恋の人は僕より大きかったからです」 それだけ?!明瞭簡潔な回答に皆、大ウケ。 深山「大きいってなら、隣の藤原さんも大きいけど?」 荒木「・・・・(ちょっと無言)縫い物も上手でした」 会場は笑いの渦に。ちなみに私は2列目だったのに荒木くんはほとんど見えず・・・。 大沼「大沼亮吉です。僕は深山さんです」 舞台袖の柱にいた深山さんはビックリ顔。司会者の自分にくるとは思いもよらなかった様子。そして自ら深山さんの横へ。積極的なフレッシュだな〜。 大沼「僕は月の子からいて、ホリーが可愛いなぁと思っていて、次の魔女で髪が少し伸びてきて、今回更に伸びて(とここで深山さんの髪を触る)、この位の長さが一番好きです。楽屋で可愛い可愛いと言っていたら“うりゃっ!”とワキ毛を見せられました」 会場は笑いの渦。 藤原「もぉ〜新人なので言っちゃいけない事、分かっていませんねぇ。ごめんなさぁい」 ・・・藤原さん、お姉言葉っぽいのは気のせい? 関戸「関戸博一です。こんな格好(ヴィクトール・老けバージョン)ですが新人です。僕は牧島さんです」 会場は“おお〜”と驚きムード。マキシー(←勝手に友人とあだ名をつけてそう呼んでいる)はアガサ叔母の衣装でちょっと渋めだからなぁ。 藤原「楽屋では皆の話題になって“いるいる、こういう人〜!!”って言われているんですよ。“サリバン先生だ〜っ”って」 笑いに包まれる会場&一歩前へ出て、控えめに微笑むマキシー。 ああ、世界名作劇場とかに出てきそうな気品が溢れていて眩しいわ!! 藤原「で、理由は?」 関戸「背が高いからです(キッパリ)」 藤原「・・・この事について何かコメントはある?」 牧島「・・・コメントって・・・特には・・・」 確かに、どうコメントすりゃいいのだろうか。 藤原「じゃ、役の説明して」 牧島「ヘンリーの叔母さんです」 ・・・マキシー、それだけっ?! 藤原「男と女、上手くバランス良く演っているよね」 牧島「ハイ」 今公演もアナウンス担当・マキシーは開演前・休憩中・終演後の案内と共に物販促進までしているという多弁さなのに!(別にマキシーが勝手に宣伝しているわけでは無いけど)もう少し喋るイメージだったので、ちょっと意外。サインとか公演案内は可愛いし、ますます謎が深まったマキシー・・・。 宗村「宗村蔵人です。僕は・・・メイド役の三上くんです」 藤原「じゃ、2人前に出て」 宗村「(三上くんの方を見ながら)くりっとした目の子で、低学年の時は化粧してないけどほっぺたが赤くて・・・高校までずっと好きでした」 藤原「えっ?高校!?・・・付き合っていたの?」 宗村「いいえ」 藤原「は〜凄いわねぇ」 三上「三上俊です。選ばれないと思っていたので、こんなすてきな人に選ばれて光栄です」 ・・・何か2人の周りだけ空気が違う。テーマから離れて、告白タイムみたい(笑) 藤原「後ろで(女優たち)似合っているから付き合っちゃえとか言っています。もう2人でそのままどっか行っちゃって下さい」 会場も舞台上も笑い、ほのぼのムード。 藤原「では次は・・・」 黒川「ハイッ!(挙手して一歩前へ)黒川幸一朗です!初恋のタイプは及川さんです。好きだった保母さんに似ているからです。あと一途な所もいいです」 及川「(ちょっと考えながら)・・・保母さんって言うのはよく分からないけど、もっと一途に演じられるようがんばります」 及川さんらしい真面目コメント。フレッシュの一言でシヴィル役の更なる向上まで決意するなんてさすが!! 藤原「僕達(及川さんと自分を示して)一緒の楽屋なのですけど、(黒川くんと)仲良いよね、よく話し掛けているでしょ?」 及川「何か知り合いに・・・知り合いの女の子に似てカワイイんだもん」 藤原「女の子!?」 及川「そう、カワイイから仲良くしたいなぁって」 結構凄い内容を、普通に淡々とコメント。軽い感じで言えば、会場も笑うのかもしれないけど、及川さんがあまりに真面目に普通にコメントするので、“へ〜そうなんだぁ”的反応しかできない。元気な黒川くんも微笑みはあるものの、コメントはなく、ちょっと固まっていたような気が・・・(笑) 藤原「じゃ、こちらに来て並んで貰いましょう!シャッターチャンスですよ〜」 黒川くんの腕にそっと手を寄せるサービス精神旺盛な及川さん。そして凄いフラッシュの嵐。 藤原「ハイハイ皆さ〜ん、調子に乗らないように(笑)」 ここでフレッシュ終了。そして今までさっぱり司会業をしていなかった(というかずっと舞台袖の柱にいた)深山さんが中央に登場。 深山「僕もい〜ですかぁ」 佐野さんは深山さんに、吉田くんをアピール。でもそれにはお構いなしに 深山「僕は佐野です。僕は小学生の頃、よく先生に叱られていました」 藤原「今からじゃ考えられませんねぇ」 深山「リコーダーとかをよく忘れるような子でして・・・それを“ダメじゃないのっ”とよく注意してくれた女の子です」 藤原「しっかり面倒を見てくれるお母さんみたいな子ね。でも佐野くんってホントしっかりしていて、ウチの演出の倉田も一番頼りにしているのですよ」 佐野さん、ニコニコ照れ笑いしていて凄くかわいい。 深山「月の子のホリーのセリフで気配(けはい)を気配りって読んじゃう位、気配りの佐野だもんね〜」 会場、大爆笑。佐野さんは舞台袖の柱に逃げていく。その時の“きゃ〜恥かしい〜”オーラが出ている佐野さんが物凄く可愛くて、写真を何枚も撮ったのに、笑いながらシャッターを押した為ほとんどブレていた・・・がっかり。 藤原「いや、バカにしている訳じゃなくて〜」 深山「そうそう。あの時、緊迫したムードを和らげようとしてくれたのだよね、気配りで!!その位しっかりしているんですよ」 気を取り直し舞台中央に戻ってきた佐野さん。 佐野「ハリーの妻、ヴィクトリアは女の人に浮気ならともかく、男のドリアンに夫を盗られてしまう可哀想な女性です」 比べるのは良くないけど、さすが深山さんは話の持っていき方が上手だった。 フレッシュはまぁ初々しかったから・・・ね。 藤原「じゃ最後に私も・・・。あの隅にいる吉田くんです。何故かと言うと口が大きいからです。保育園の先生が大きな口で優しく“遊んでいいよ”とか言われてとても安心したからです」 何か他にもコメントがあったけど、笑う吉田くんに見惚れていて聞き逃してしまった・・・。 吉田「(笑いながら)ありがとうございます」 藤原「誉めてないよ」←ヒドイ(笑) 吉田「吉田隆太です。確かに僕は口が大きくて、楽屋にあるお菓子なんて一口で食べられちゃいます。ドラキュラの魔女の時、萬代さん、下井さんにあだ名があり(萬代→皆より100年前に魔女になったから“お局”、下井→見たまんま“2メートル”)、勿論、深山さんもありましたが・・・僕はビックマウスでした」 深山「今回2人で笑いながら出てくるでしょ。あの時、喰われるかと思うもん」 新人でこんなに会場を笑わせるなんて凄い!! 吉田「(何かしゃべっていたのに写真に夢中で忘れてしまった)・・・口が大きいけど、これからも頑張りますのでよろしくお願いします」 会場、暖かい拍手。笑いもとれて、最後のご挨拶までバッチリな吉田くんは、とても慣れている感じがした。この後、まだ時間があるからと、もう一度出演者全員が出てきてカーテンコール。
この時は写真に必死で、皆が去り司会者2人になった時には肖像画を狙っていて(結局失敗)、ラストのトーク内容は聞いちゃいなかった・・・。司会者しかしゃべってなかったと思うけど。 そして愛があればあるほど、写真はブレていた(泣) トークの内容は、「ドリアン」とはあまりにかけ離れていてビックリだよ。 メインいないし〜〜。いえ、面白かったからいいのです。また行きたいと思ったし。
ただね・・・トークをホントに楽しむのならムービーだと思ったわ・・・(ぼそっ) 写真を必死に撮りながら聞いていたので、内容は多少違いますが大目に見てくださいね。
2004年09月11日(土) |
「ドリアン・グレイの肖像 Azure / Crimson」紀伊国屋サザンシアター |
☆劇団Studio Life(スタジオライフ)公演☆
【Azure Cast】笠原浩夫 高根研一 岩崎大 林勇輔 深山洋貴 奥田努 佐野孝治 牧島進一 篠田仁志 寺岡哲 下井顕太郎 大沼亮吉 関戸博一 三上俊 吉田隆太 黒川幸一朗 石飛幸治 藤原啓児 河内喜一朗 ほか
Azureは何といっても笠原浩夫さん演じるヘンリー・ウォットン卿(通称ハリー)の凄い誘惑が印象的。 2列目ほぼセンターだったので、役者さんたちの表情までしっかり分かり、あまりの近さにくらくらしながらの初観劇。 もう最初に笠原ハリーと岩崎バジルが舞台に現れた瞬間、モデルのような2人に失神しそうになった(笑)。 メイン3人が精神的な三角関係と雑誌のインタビューに載っていたのだが、ハリーはどっちが好きなのか観劇前は分からなかった。 だが笠原ハリーをみていると、岩崎バジルが好きなのかなと。 岩崎バジルがあまりにも高根ドリアンに心酔しているから、それに嫉妬して高根ドリアンを彼の哲学で以って破滅へと導く笠原ハリー。 だから前半の高根ドリアンを見る笠原ハリーの目ってどことなく冷めている。 懐いてくる子(高根さんに向かって“子”もどうかと思うが)をややうっとうしく思っているかの様な感じ。 岩崎バジルはホントに高根ドリアンを好きなのが伝わってきて、みているこっちが切なくなってくる。劇場で高根ドリアンをなぐさめるシーンなんて、寄り添って岩崎さんの優しさが滲み出ている感じ! ただ笠原さん(同級設定)、高根さん(10歳下設定)と並ぶと・・・やっぱり一番若い。高根ドリアンと同年のほうがまだ自然・・・と言うか金髪の笠原ヘンリーが貫禄ありすぎ(笑)。
高根ドリアンに恋をする少女、シヴィル・ヴェイン。最初にシヴィルは劇中劇で演じるジュリエットとして登場するのだが、林さんは素晴らしい!もうジュリエットの一声で意味も無く涙が溢れそうになってしまった。林シヴィルはもう声もしぐさも“女優”で熱演。でも、はしゃいで石飛ママに「・・・バカな子だよ」と言われるシーンは、本当〜にバカだった(笑)。 そしてシスコンの弟・奥田ジェイムズが登場して、少しだけ家族の風景。 石飛ママの芝居じみた演技が笑いを誘っていた。石飛さんって男らしいのに、女性役やっても普通にいるいる〜って思ってしまう。それだけ演技力があるってことね。 舞台で大失敗して、高根ドリアンに振られてしまう林シヴィル。泣き崩れる林シヴィルの姿に涙が出そうになっていたのに・・・突然音楽が変わり、立ち去る高根ドリアンの足にしがみついた時、固まってしまった。振り払われてもしがみつく姿に、女の執念みたいなのを感じて恐ろしくもあり、ちょっと笑いたくもなり(汗)複雑な気分になってしまった。林シヴィルは無表情で思いっきり足にしがみついているから、高根ドリアンのズボンが少し落ちかけていたような・・・気が(いえっ、気のせいだよね)。
笠原ハリーはもう格好イイの一言に尽きる。舞台を観れば観るほど、この人の格好よさを再確認って感じで、看板俳優なのも王子なのも納得できてしまうのだ。 金髪であの格好が似合う日本人ってそういないと思う。笠原ハリーは演技が割とオーバーリアクションで、顔の表情がとても分かりやすい。好き嫌いが分かれるだろうけど、私は感情が読み取れるような気がして好き。
高根ドリアンは、前半のおどおどした感じが思ったより自然だった。肖像画を隠す衝立を軽々と上から持ち上げて移動させていたのが印象的。ああ背の高い人は上から持つのかって思った(私だと横から持つから)。肖像画が醜く変化するのをスライド(?)で見せてくれるのだが、席が近すぎて見にくくて醜かった(苦笑)。
笠原ハリーの妻、篠田ヴィクトリアは高根ドリアンに嫌味をいう時、ヒステリックな感じがよく表れていた。ハリーとの意思疎通が出来ず、虚しさを凄く上手に表現していた。 しかし・・・ハリーってば何故ドリアンの写真を16枚も持っていたの?
最近、劇団員さんの顔は割と分かるようになったと自負していたのに、寺岡トマスが出て来たとき、最初誰だか分からなかった。・・・あの不自然な大きな髭は何っ?!寺岡トマスは笑顔で笠原ハリーと会話をかわした後、背後でメガネをくいっと上げてから立ち去るのが印象的。たったこれだけの事なのに、ハリーの社交界での思われ方を表しているようだった(うるさ型には煙たく思われているのだなーと)。
そしてフレッシュ吉田くんは今回もかわいい女性役で活躍だった。 特に後半のグラディスは知的な女性で、ハリーのいとこなので口でも負けていなくて、観ていて楽しい場面だった。
二幕(18年後)で高根ドリアンが岩崎バジルを殺してから舞台は更に暗くなっていき、ラストも救いが無いような気がする。でも後味は悪くないので不思議。何故なのかはこれからもしばらく続く「ドリアン・グレイの肖像」を観て考えてみようと思う。答えは出ないかもしれないけど。
この1時間30分後に、もう一つのチームCrimsonの観劇だった(ちょっと頭がいっぱいいっぱい/笑)。
【Crimson Cast】山本芳樹 楢原秀佳 山崎康一 及川健 深山洋貴 小野健太郎 篠田仁志 寺岡哲 佐野孝治 牧島進一 下井顕太郎 荒木健太郎 宗村蔵人 松本慎也 吉田隆太 黒川幸一朗 石飛幸治 藤原啓児 河内喜一朗 ほか
実質10列目センターだったので、とても良席だった。 だって山本ドリアン初登場の立ち位置がほぼ目の前で大興奮(舞台から遠いけど)。 二回目はストーリーが分かるぶん流れが早かった。Azureのメインがモデルのような3人で大迫力だったが、Crimsonの3人も似たような身長で、楢原ハリーと山崎バジルは同級というのが自然と納得できる落ち着きぶり。 そして山本ドリアンは、山崎バジルに「モデルなんて飽きちゃった」とポーズを決め、「散歩に行こう」と長椅子に跨いでねだるという無邪気さで若々しさが出ていた。
そんな山本ドリアンに対する楢原ハリーもおちゃめで面白い。庭で握手した後、楢原ハリーは山本ドリアンの手にキスしようとして逃げられていたし(笑)。ドリアンに対する冷たい目が少ない感じがした(明日は前の席なので、また変わるかも)。 山崎バジルは役柄的にやや抑えた感じはするものの、絵描きシーンなどに細かいこだわりを感じた。モデルのドリアンに「いい子だから・・・」というセリフが妙に説得力があり自然だった。 あと楢原ハリーがシヴィルを観て「すてき、(自分のステッキを見て)ステッキ」というギャグの後、すかさず「ハリー!」っていうツッコミの発音とタイミングが素晴らしかった。
及川シヴィルは予想通りの美少女!!及川さんはストレートの方が似合うような気がする。 石飛ママの「バカな子だよ」の時は、衣装を抱えて「きゃっ!!」という位でバカ度は控えめ(笑)。弟・小野ジェイムズに対して「おバカさんねぇ」と言う時などは愛情がこもっていて、ホント“お姉さん”っぽくて、凄い美形の姉弟だな・・・と思いながら観ていた。 ドリアンに振られるシーンは、必死にしがみつく及川シヴィルと必死に逃げようとする山本ドリアン・・・・・・山本ドリアンはちゃんと舞台袖まで辿り着けるか心配してしまった(苦笑)。及川シヴィルの絶叫がセリフ以上に高音で女の子っぽくて・・・あのシーンがもう少し長かったら、私泣いていただろうなぁ。
堕落していくドリアンだけど、さすがダンサー山本さんは動きがキレイ。 Azureではさらりと流していたけど、山本ドリアンと寺岡アランって出会った時から妖しい・・・。何がどうかは明日しっかり見よう(笑)。 寺岡トマスの髭は、アランとの区別をより明確にする為なのかな(だって髭で顔の3分の1は見えないし←大袈裟な)。前公演「DRACULA」に続いてドクター役の寺岡さん。山本ドリアンに振り回された上に脅されている役がハマっていて良かった。
篠田エイドリアン(ドリアンの堕落した友人)は、最初誰だか分からなかった(まただよ・・・)。 だってAzureで麦藁色の髪でドレス姿のヴィクトリアと同一人物には見えないって。 佐野ヴィクトリアは美人で強がっている感じ。山本ドリアンと佐野ヴィクトリアはお互い仮面を被り「負けないわよ」(何故女コトバ?)って感じだった・・・けど何の戦い?場面が短くてよく分からないけど、ヴィクトリアが嫌味を言って、ドリアンがそれに応戦しているのは分かった。
そういえば山本ドリアンが茶髪に巻き毛で、やたら触れていた。楢原ハリーは頭をなで抱きしめていたし、及川シヴィルも「キスして」と髪撫でていたし、深山娼婦も撫でていたなぁ。珍しくてカワイイから?(笑)
Crimsonの楢原ハリーを観て、陽気な悪もあるのだなぁと思った。笠原ハリーが計算づくで悪の道を示したとすると、楢原ハリーの場合は彼の哲学+山本ドリアンの行動力であの結果という感じがした。
今回は12列目(実質10列目←しつこい)センターで舞台全体が良く観えた。その為かマチネの4列目(実質2列目←分かるって)ではあまり観えなかった肖像画の映像もしっかりチェックできた。山本さんが醜く変わるのは嫌だなぁと思っていたけど、あの映像は「誰?!」だったので安心安心(笑)。 白いカーテンを上手に使い、秘密の部屋まで登場するというセットで、衣装も音楽も良くてキレイな舞台という印象だった。堕落と殺人のある舞台をキレイというのもおかしい気がするけど、ラストシーンで流れる音楽と、もとに戻った美しいドリアンの肖像画(ラストで初めて公開される絵で、ドリアンそっくりでとても上手)でエンディングだから、後味がいいのかなぁと思った。
ここからは個人的注目シーンについて・・・それは舞台での山本芳樹さんの飲みっぷり。 「MOON CHILD〜月の子〜」の山本セツは食塩水をセリフがない時、ゴクゴクとそれはもう爽快な飲みっぷり。しかも時々ぐるぐるとコップを回して塩を溶かすという芸の細かさ! 「DRACULA」でも山本ジョナサンはWキャストの甲斐ジョナサンに比べて、明らかにワインをゴクゴク飲みまくり(といっても一杯だけだが)。 今回も二幕始めにアルコールを飲むシーンがあり、私は大注目していた。 バジルがドリアンの悪い噂を問いただしているシーンで、最初は軽く飲んで話を聞いているから“あれ、今回は少ないな・・・”と思っていると、最後にくいっと口に含んでからゴクッと!(←やっぱり芸が細かい) 嫌な事を指摘され「いまいましい!!」みたいな顔をして飲んでいた。 期待を上回る飲みっぷりをありがとう、山本さん!!これからもあなたを応援します!と思った瞬間だった。
2004年09月04日(土) |
「吉例顔見世 第十一代目 市川海老蔵 襲名披露(夜の部)」御園座 |
友達に誘われての観劇。海老蔵さんはすごい人気で三等席最後列のサイドだったが、前列の頭などが全く邪魔にならず、よく観えた。
一.熊谷陣屋(1時間30分) 内容がよく分からず、登場人物も把握できず、舞台上で動きもほとんど無いからちょっと眠ってしまった(ダメじゃん!)。 だって2階席でずっと下をむいているし、途中から目が乾いてきて・・・(言い訳です)ついうとうと・・・と。
二.口上(25分) これは皆さまが順に、新・海老蔵さんに祝いを述べるというもの。三番目の人がよく通る格好良い声をしていたのだが・・・名前も顔も思い出せない(涙)。 大体が普通に述べるのに2〜3人位「公私共に話題に欠かない」みたいな事を言って笑いを誘っていた。確かにTVの襲名インタビューでも、女優とのこと言われていたな。 そして、海老蔵さん挨拶後“にらみ”を披露。 “にらみ”って?!と思いオペラグラスを覗くと、想像どおりの“にらみ”だった。なんだ、そのままなのね。
三.助六(2時間) 幕間にパンフレットで粗筋を読んでおいた。歌舞伎の十八番。 ただ開始40分は助六(海老蔵さん)は登場せず、その恋人・揚巻(尾上菊之助さん)の話。 Studio Life「DRACULA」を思い出しちゃったよ。タイトルロールが30分以上登場しないなんて反則だ〜って思ったけど、古典の、しかも歌舞伎十八番でもそういう演目はあるのだ。ごめんなさい、無知でした。この発見があっただけでも、この観劇は実になったなぁ(単純〜)。 この作品、十八番の古典でも笑えるところもちゃんとある。 助六の兄・白酒売の新兵衛(松緑さん)なんて存在そのものが“笑”だし、通人里暁(松助さん)なんて、ギャグ万歳だし。 通行人に力を見せつける助六のシーンで、眼力で負けた通行人が股をくぐるというシーンで、「普通にやると芸がないから・・・オリンピックの水泳・平泳ぎで」と腹ばいになって平泳ぎで進むと、黒子が日の丸振って、くぐり終わると即、懐から金メダル!!すぐ片づけたけど。 次に虎の意を借りた新兵衛からもやれといわれると、しぶしぶながら・・・「(助六さして)100Mと(新兵衛さして)200Mか!」このテンポが凄く良くて客席は笑いと拍手。 すると突然“冬のソナタ”の音楽が流れてきて、マフラーとメガネをして新兵衛にブルガリ香水かけて「ヨン様スマイル〜」と言いながらくぐり、「もう暑いのにぃ」とさっさとマフラーとメガネを外し「喉が乾いちゃった。おーいお茶」で伊藤園のお茶を飲んで退場。 すごくベタなのに、楽しかった。 助六は結構自分勝手なのに、面白くて、しかも凛々しくて格好良い。海老蔵さんは時々、声が割れて聞きづらいときもあったけど、格好良かったからいいや(笑)。 揚巻は強い女性ですてき。菊之助さんって割とぽやっとした顔立ちなのに女形やると凄く美人さん。声も聞き易いし。帯に凄くリアルな海老がついていた・・・。
歌舞伎は3回目だけど、今回初めて「成田屋!!」とか叫ぶ人たちの潜伏姿を見ることが出来た。偶然、私の前が成田屋はっぴを着た本日多分一番高齢だと思われる男性だったのだ。杖をついて歩くときは少し危ない感じだったけど、声にハリがあってさすがだな〜って感心。ただ、助六は掛け声が減ってきて、途中で早退されてしまった・・・残念。 でも年を重ねても、好きな事ができるっていいなぁ。 ちなみに幕間で同じはっぴを着た人たちを見かけたので、後援会の人たちなのでしょうか?
実は誘われて仕方なく(おいおい・・・)行った歌舞伎で、花道が半分以上見えなかったし、終演後オペラグラスの覗き過ぎで、ちょっと気持ち悪くなったけど、公演内容は満足だった。
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