いろいろあってマジで約束をキャンセルしたくなったけど1時間前になんて俺にはできないから。 こんな状態なのに出かける自分は何考えているんだろうと思ったけど・・・
電車のタイミングがよすぎて30分前についてしまった。 いろいろ考えたり電話して相談していたらあっという間に10分前。 電話で「大丈夫だよ。」といってもらってほんの少し安心する。 待ち合わせのお店にいったら相手はもう来ていた。 少しうしろめたかった。
隣に座ったのにどこか遠いところから発せられている言葉のように聞こえた。 ボーっとしている俺に「疲れているんじゃない?」って。 だめだと思って必死で自分の意識を拾い集めようとするんだけど上手くできない。 「いろいろあって大変でさ。」ってやっと言った。 相手がもう一歩踏み込もうかどうか迷っているのがわかってでも俺としては踏み込んでほしくなくて見えない壁のようなものを張り巡らして。 そこへタイミングよく店員さんが注文をとりにきてくれた。 カウンターだったのもラッキーだった。 お互いの顔をみないですむから。
しばらくしたらお酒の助けもあってか気持ちがほぐれてきた。 相手はいろんなこと、そういろんなことを話してくれた。 俺は何も言わないで聞いているだけだった。 少しはこちらも何か話さなきゃと思ったけど何も考えられなかった。 それだけじゃない。 相手の話に気のきいた返答もできなかった。 後でああ言えばよかったのになぁとかああ言ってあげればよかったとか後悔だらけの会話だった。 要するに俺は上の空で会話していたことになる・・・
相手の希望で和食のお店だった。 なんだか芸術品のような綺麗なお料理がでてきたけど味がさっぱりわからない。 何を食べても味がしない。 相手は「これは何だろう?」とかいろいろ聞いてくるんだけどさっぱりわからない。 とにかく相手のペースにあわせてなんとか料理を口に放り込むのが精一杯。 もったいない食べ方だ・・・
突然「細いなぁ。痩せただろう?ちゃんと食っているのか?」と言われたのにもどう答えていいかわからなくて「いや、痩せてないから。」って。 相手がそれ以上踏み込んでくるのをまた拒絶した形になってしまった。 なんか俺って最低・・・
なんとなくのろのろ食べている俺に気付いたのかなぁ? 次何注文するとかいろいろ相手に気遣わせてしまった。 自己嫌悪・・・
そのすぐ後ぐらいかなぁ。 お互いの目と目があってなんか気持ちが通じているっていうか。 俺の思い過ごしかもしれないけどそういう安堵感が俺の中に広がって気持ちがさらに落ち着いた。 それからは普通に話せたかなぁ。
最後のほうに「また会おうな。」って言われて。 それも多分12月頃で。 その頃俺はどうなっているのかなぁって考えたらまたすごく不安になってきた。 「絶対だぞ!」って念をおされたのに声がでない。 曖昧にうなづいただけだった。 やっぱり最低な俺・・・
今回は彼の病気の話は一言もでなかった。 顔色もよかったし体調はよさそうでそれは俺にとっては嬉しいことだった。 帰り際に駅で別れる時「身体は大事にしろよ!」って唐突にわけのわからないことを言う俺に「ありがとう。」って。 言葉の押し付けで単なる自己満足にすぎない。 俺が言いたいだけ。 でも相手は人間ができているから俺の気持ちをそのまま受け取ってくれたような気がする。 偉いよなぁ。
帰りの電車の中で涙が何故か頬を伝ってまわりに不審な目でみられて恥ずかしかった。 でもどうして涙が出たんだろう・・・
にしてもさ、俺って本当に一緒にいて楽しくない人間だよなぁ。 こんな俺に「会いたい、会いたい。」って言ってくれる人の気持ちがさっぱりわからない。 9月に3人、10月にも何人か。 不安だなぁ。 俺上手く取り繕えるかな?
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