あたたかなおうち



 小学校

小学校の実習が始まって2週間。

子どもはまっすぐで、正直で、
申し訳ないほどに実習生を慕ってくれる。

弱虫だとあきれることもあり、
たくましさに目を見張ることもあり、
ただただひとつひとつの物事に目を奪われながら
保健の先生の卵として毎日を過ごしている。

祐ちゃんもこうして過ごしてきたのだろう。

今までの祐ちゃんの言葉の深さを思い知るとき
祐ちゃんは恋人から『教員の先輩』になる。

2005年05月20日(金)



 映画

祐ちゃんと映画を観に行った。

ホラーやサスペンス映画を、どうして観たいと思うのだろう。
怖いものが苦手な私は、最後まで抵抗する。
夜、眠れなくなるよ
祐ちゃんは笑って握った手のひらに力を込める。
大丈夫、毎日一緒に寝てあげるから


薄暗い館内で、私は祐ちゃんのぬくもりを探す。
祐ちゃんは私の差し出した手に気付いて、
自分の手のひらをジーンズでごしごしと拭く。

優しく導かれた手のひらには、
いつもと変わらないあたたかな体温。


2005年05月06日(金)
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