Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2010年11月26日(金)  ありがとう!ありがとう!!ありがとう!!!

前回日記に、「神聖かまってちゃんのライヴ映像をこの日記に貼ったら、それを見てSOがメールをくれた」と書いた。だが、実際その映像のポイントになっていたのは、実はミドリだ。

日記にアップしたのは、Arabakiロックフェスの映像だ。最初はつまらない(しかし多分有名な)バンドの演奏がだらだらと流れ、次につしまみれの元気でインパクトのある演奏が短く入る。さらに短いかまってちゃんの演奏がはさまり、の子が引きずられていくシーンにかぶさるように、ミドリの演奏が始まるのだ。
誰かにいいこいいことされてる時は
どんな頭の悪そうな顔をしてるんでしょう
ミドリには珍しい、おとなしく可愛いバラード。ボーカルの後藤まりこが、ステージから身を乗り出して、観客の一人の手をしっかり握り締めて歌っている。その観客は手しか映らないが、顔が見えないだけに、相当に心臓が高鳴っているだろうと想像してしまう。それほど後藤まりこの歌い方がひたむきで、一般的な女性らしさとは無縁のタイプでありながら、見る者を平静でいられなくする色気がある。ロックシンガーに一番大切な「存在感」が、画面からにじみ出る、印象的すぎるとでも言いたい映像だった。
その映像を日記にアップした。7/13の日記だが、例によってアップ時期が10日以上遅れていた。そしたらすぐにSOから、あの映像を見て、かまってちゃんもいいが特にミドリに興奮したという内容のメールが来た。7/26のことだ。実に6年ぶりの連絡だった。
その時ちょうど私はOQ(drs)に、パーカスとギターと私でユニットを組みたいのでギタリストを探してくれと言われていた。なので「ギター弾きません?」と持ちかけた。
そしてたった5日後の7/31に3人でリハをした。SOに会うのはまる6年ぶり。6年前には、会ったといっても他に大勢いる場所で3回程度顔を合わせただけだ。
ただし、そのたった3回程度の出会いで私はSOにかなり好感を持っていた。だから、メールをもらって嬉しかった。
で、3日後につきあい始め、3ヶ月後に入籍した。

数日前に久しぶりにTwitterを見てみたら、後藤まりこが宣伝の映像を貼っていて、最初の曲が「Pop」だった。だからretweetして、「Arabakiフェスであなたがこの歌を歌っている映像に感動し、自分の日記にリンクを張ったところ、ソレを見て感動してメールをくれた男性がいまして。その人と3週間前に結婚しました。本当に有難うございました」と書いた。
ソーシャル・ネットワークの類が嫌いで、アカウントだけ持っていても全く書き込んだことのなかった私の、唯一の"tweet"だ。
そしたら今日、後藤まりこがさらにretweetで「おめでとう!!!」と書いてくれた。

私とSOがつきあうことになった原因をつくってくれたひとは、何人もいる。私の2004年当時の彼氏(彼のバンドにSOが後から加入した)、仲野さん(b)(そのバンドにSOを誘った)、前に書いたがkenjinだって一役買っていると思う。でも、後藤まりこという人の果たした役割は大きい。
SOは私が日記に貼った音楽映像をほとんど見てくれて、気に入ったものもたくさんあったらしい。メールしようかと思ったことも何度かあったというが、結局実行には至らなかった。
後藤まりこがArabakiフェスで見せたパフォーマンスは、それを実行させるだけの力が確かにあったと思う。大袈裟ではなく、「感動」という言葉がふさわしかった。
その映像が今はYouTubeで見られなくなってしまったのが残念でならない。

*私がこの日記をアップするのにぐずぐずしている間に、ミドリが解散してしまいました。結局ライヴを観る機会がなかったのが悔やまれます。

ありがとう!ありがとう!!ありがとう!!! (Arabakiロックフェスの演奏の最後に、後藤まりこが何度もこう叫んでいました。関西弁なので尻上りのアクセントが可愛くて誠実な印象でした)



2010年11月18日(木)  It's a strange invitation

神奈川に引っ込んだと思われている私だが。実は今も、週に3回は新宿でカフェ授業をしている。荻窪の自宅で授業をしていた生徒の殆どが、カフェに移ってでも授業の続行を望んでくれたからだ。
鶴間から新宿までの通勤中、iPhoneで音楽を聴きつつ、英語の勉強などする。今日はベックの"Odelay"を聴いている。1曲めの"Devil's Haircut"は、何かがからからと揺れているような効果音が(しかも音楽より微妙に後ノリで)入るので、歩きながら聴いていると、自分のiPhoneの揺れが反映されているようで、妙な気分になる。こういうゆるいフラストレーションが、ベックの特性じゃないかと思う。

iTunesに400アーティスト、15,000曲なんて入っていたりする私である。そして毎日毎日音楽を聴いている。しかも真剣に聴き入っている。さすがにたまには食傷する―――いや、滅多にしないんだけど。
今はその、珍しい食傷期だ。このところの環境の変化も影響している。そういう今の状態に、ベックはすいっと入り込む。
部屋の隅にへたり込んでいるような音楽だ。目が合うと、ふと立ち上がってくる。負けを前提にしているような音楽だ。僕はルーザーだから殺せよ、って、本気でそんなこと言ってんのかてめえ。と、いうような反応も馬鹿らしい。だるい、白人の音楽だ。"Hotwax"は曲の途中に「ジングル・ベル」のワンフレーズが現れたりする。ああ、ロックなんか文明の余剰だ。全くエレガントだ。このへんは、大きなくくりだけどストロークスを思わせる。こういう音楽に全く価値を見出さない人間というのはロック好きにも多い。私はベックを大好きというわけでもないのだが、この感覚は、はっきりと私のコアに通じる。
kenjin(g)はきっとこの感覚をわかっているんだと思う。だから私にこの音源をくれたんだろう。前回kenjinに会った時、「ストロークスは好きですか」と訊かれたので、「ストロークスはいいよ。いやもうフツーにいいね」と答えた。ただしそれを理解しない人種は多いよとつけ加えたら、不思議そうにしていたっけ。

何かを徹底的に好きな人間にありがちなこととして、私も本や音楽を簡単に薦められるのが好きではない。薦められれば一応は律儀に聴いてみるが、まあそれなりの感想しかないことが多い。だけどkenjinが薦めるものだけは違った。
最初に薦められたのはブラーだ。何しろブラーにはデビュー当時から「あざとい」と反感を持っていた私だから、いきなり"Blur"(アルバム)を渡されたときは正直ひるんだ。だがkenjinは、「このアルバムは気に入る筈です」と強く言い切った。1ヶ月もぐずぐず延ばしにして、ようやくきちんと聴いてみたら、あっという間にはまった。確かにブラーの中でも、アルバム"Blur"は別格だと思う。
その後ギタリストのグレアム・コクソンにのめり込んだ。そしたらグレアム好きだという珍しい男性が現れたので、うっかり結婚しちゃった。
そういうわけで、私の2008年のスピード離婚は、ある意味kenjinのせいである。(あっ)

そのkenjinに今年5月に久しぶりに会った時、薦められたのが神聖かまってちゃんだ。何だか痛いバンド名だし、話を聞いても最初は全然そそられなかった。前にブラーの件があるからって、そうそうまた同じ奇跡は起こらないわよ。なんて思ってたら、結果はご存知の通り、爆発的マイブーム。勢いあまってこの日記に「ロックンロールは鳴り止まないっ」のPVを貼ったら、それを見たある男性が気に入ってくれて、自分のブログにそのPVを貼った。私がさらにライヴの映像を貼ったら、さらに感動してメールをくれた。
その男性と、今月結婚した。
要するにまた今回も、kenjinのおかげである。(あらっ)

私はSOに惚れきっているので、今のところ別れる予定はないが。
もし離婚することにでもなったら、kenjinにまた何か薦めてもらおうかな。

It's a strange invitation (お薦めされると何かが起こるんだ)  *Jack-ass / Beck (2008) の歌詞



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