2007年03月31日(土) |
You're a slave to money |
うちでmakkyと午前6時まで飲んだ後、何となくザ・ヴァーヴを聴いていたら。'Bittersweet Symphony'のクレジットにふと目がいった。'Mick Jagger; Keith Richards'───はあ?
調べてみたら、この曲はストーンズの'Last Time'のオーケストラ・ヴァージョンをサンプリングしていて(聴いていて全然気づかなかった)、きちんと使用許可を得たにも関わらず後から「使用し過ぎ」だと文句をつけられ、全くオリジナルの歌詞がついているにも関わらずクレジットを'Jagger and Richards'に変えられているのだ。
何て馬鹿馬鹿しい。'Bittersweet Symphony'の良さは、その歌詞の音によるところが大きい。"I can't change. But I'm here in my mold. I am here in my mold.""I can't change my mold. No, no, no, no, no"───この部分の歌詞は替えがきかない。
大体、結果的に'Last Time'の歌メロと'Bittersweet Symphony'のそれは完全に別物であり、私に言わせれば後者の方がずっと繊細で美しい。
───胸の悪くなる話だ。ストーンズのメンバーでなく、元マネージャー(誰よりもこの曲から利益を得ている)が文句をつけた挙句に'Jagger and Richards'のクレジットになったというのが、徹底的に美学がない。
著作権を失った時の、リチャード・アシュクロフト(vo)のコメントがいかしている。"This is the best song Jagger and Richards have written in 20 years."(これはこの20年間のジャガー/リチャーズの中で最高の曲だね)
───「汚辱はおまえが取りやがれ」と言わんばかりだ。おお、クール。これぞ美学。
You're a slave to money (金の亡者め) *Bittersweet Symphony / The Verve (1997) の歌詞。
2007年03月26日(月) |
I saw it with my own two eyes |
昨日台所のシンクが水漏れしたので、管理会社に修理を手配してもらった。16時に水道屋さんが現れた。顔に覚えはなかったが、話し出したらすぐわかった。ああ、あの時の水道屋さん。あの日の日記を読んだもじょきちさんにも感銘を与えた、あの水道屋さん。
あの日彼はずっと「慌てないでください。こんなことはたいしたことじゃないんです」と繰り返していたが。今日は、やはり低い説得力のある声で、「見ての通りです」と言うのだ。水漏れの原因だった脂汚れの詰りを流す時、私に見せながら何度もそう言った。「自分で見るのが一番です。見ればわかる。見ての通りです」
「見ての通りです」か。
そうだよねえ。自分の目で見ればはっきりしている。見ないふりをしてきた澱みを直視して、問題の対策にあたることが大事だってことか。
───この人に会えるのなら、時々配水管が詰まってもいいかもなあ。
水道屋さんが帰ると同時に、駅前のネットカフェに2時間篭る。そう、夕べmakkyがいる間にPCが壊れてしまったのだ。最近ファンの音が異常にうるさいのでDELLに修理手配をしようと思っていた矢先に、いきなりディスプレイのバックライトが消えてしまった。
思えば、PCを購入してからの4年半、一日たりともネットなしで過ごしたことなどない。ロンドンでもアムステルダムでも実家の沖縄でも、毎日ネットをしていた。家では24時間ネットに繋ぎっぱなしで、おかげで殆ど寝ないが、たまに眠ると目覚めた5秒後にはPCに向かう。
21時に帰宅したら、ジンナイくんから、週末にノートPCを貸してくれるというメール。聞けば中央線で三鷹を通過するところ。makkyも使っていないiMacを持ってきてくれることになっていたので、ジンナイくんもおいでと誘う。二人ほぼ同時に到着。
それから二人でiMacをひかりに繋ごうとさんざん頑張ってくれるが出来ない。途中三人で「喜八」に飲みに行き、戻ってきてまた朝まで頑張るがダメ。結局朝Tepcoに電話して、インストールCDが必要というので郵送を依頼。
二人ともお疲れ。ありがとねー。
I saw it with my own two eyes (自分の目でしっかりと見た) *Seeing Things / Black Crowes (1990) の歌詞。
2007年03月23日(金) |
Cause we're The Red Hot Chili Peppers |
23時53分にレッチリ親友であるママからメール。秋まで延期になった筈のレッチリの公演が、6月5、6、8日に振替決定。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
神様ありがとうありがとうありがとう。
一度「秋」と言われてからの「6月」は、もうすぐそこに感じる。2ヶ月半、あと2ヵ月半だ。
ひとつだけいいことがあった。公演日が変わったことで、私の行く日が日本公演の初日になったのだ。(当初の予定では大阪が初日) 直前延期騒動があった後の初日とあれば、レッチリの気合も相当入るだろう。
でもそんな細かいことはどうでもいい。レッチリに会える。
何が嬉しいって。これで、悲しくならずにレッチリが聴ける。SAをもっともっと聴きこもう。
今回の騒動で、ファンの熱はより高まったに違いない。レッチリのファンは元々熱いし。
私も今回は熱くなり過ぎた。「秋」と言われてショックで大騒ぎして、あっちこっちに噛みついた。
後日NORITAさんのブログに「U2に引き続き、日本のロックファンはよくよく運が悪いとしか言い様が無い」と書いてあるのを見て、そういえばU2の時は特にどうも感じなかったことを思い出した。やはり身勝手極まりなかったわけだ。
なんでレッチリだと、こうも冷静さをなくしちゃうんだろう。そしてそれは私だけじゃない筈だ。
だってレッチリだからね。レッチリは違うんだよ。理由? 知らないわ。
Cause we're The Red Hot Chili Peppers (だってレッド・ホット・チリ・ペッパーズだからさ) *Nevermind / Red Hot Chili Peppers (1985) の歌詞。
2007年03月18日(日) |
Waking up dead inside of my head. Will never never do there is no med. No medicine to take |
13時半にまだベッドにいたら、HYから電話。いきなり違法なブツを届けてくださった。一回の使用量が不明だそうで。「まあ死なないから」と言われる。「でも向うじゃ死人が出てるんだけどね」
・・・あ、ありがとうございます。
15時過ぎにNobuがうちから出勤。その後ほのぼのしたお礼メールが来る。「Bunnyんちはいつもあたたかいね」と言うので、「ソレは多分、私があたたかいヒトだからってことで」と返したら、「本当に温かい人だと思うよ。感謝している」という愛溢れた返信が。
・・・寒いわあ。
そんなことより、レッチリ。
夕べは呆然として思考が停止していた感があるが。一人になってみたら、しみじみと悲しくなってきた。
・・・涙が出る。・・・・・・・ジョン。
レッチリのファンが皆、泣いたり鬱になったりしている。アンソニー命のママなんて、今日アンソニーと同じ気管支肺炎になったって!(「自分にアッパレ」とメールが来ていた。・・・ああ、アンソニー本人に聞かせてやりたい)
一方それほどレッチリを好きでない人たちがくれるメールは。「(Nobuに返してもらった)チケットの買い手を探す時間が出来てよかったじゃん」だの、「まあ、秋には来るんだから」だの、「無理に来て中途半端な演奏されるよりいいよ」だの。ひとつひとつにいちいち傷つき、あちこちに噛みつく返信をする。
みんな私を慰めようとしているのはわかっているんだけど。「どうして私がこんなに辛いのがわからないのよ!!」という気分になる。しまいには、ああどうせ誰も他人の痛みなんかわからないんだ、とまで。
普段ならもっと冷静になれるけど。他人に自分の辛さを解れというのは甘えだって思えるけど。
今日は駄目だよ。悲しい辛い寂しい。今日はダメ。
いつまでもめそめそと泣く。
Waking up dead inside of my head. Will never never do there is no med. No medicine to take (虚ろな気持ちで目覚める。この気分を癒すすべはない) *Slow Cheetah / Red Hot Chili Peppers (2006) の歌詞。
2007年03月17日(土) |
Autumn's sweet we call it fall |
19時前に仕事を終えたNobu(b)が私物を取りに来る。
一昨日の夜の電話で、一旦は、私物は玄関に出して置くと言ったが。そうまでする必要もないかと思いなおし、普通に取りに来るよう言った。最後にハラを割った話でもと思ったが、昨日の時点で既に、何も話したいことなどないことに気づく。makkyを呼ぶことも考えたが、あいにく今日は仕事。
普通に上がらせて、普通にお酒を出す。適当なところで帰ってもらおうと思っていたら。
20時52分に、bbsにマチちゃんから書込み。それを見た瞬間、固まる。
「知ってる? レッチリ、延期だってよ」
・・・は?
慌てて検索。───アンソニーが気管支肺炎。すぐママ(友だち)に電話。いつまで延期か訊かれるがわからず。しばらくしてママが調べて電話をくれた。「秋だって」
────────秋?
何それ。秋って。秋っていつよ? 今、まだ春になったばかりだよ。秋って一体いつ来るの。何ヵ月後? 何年後?
マチちゃんにも電話する。声を聞くのはかなり久しぶりだが、挨拶すら抜きで泣きつく。
LEOからメールが来る。PCにはマチちゃんの書込みより前に雅樹からレッチリ延期の知らせが来ていた。皆にメールする。
────────────────ボーゼン。
このところ、嫌な事があってもゴタゴタしても、全部「でもレッチリ観るし」で済ませてきたのに。
───いや、実際にはXeroX問題以外はたいして気のふさぐこともなく、3月に入ってからは、Kinkstonesやどるたんとのライヴがあったり、PANTAを観に行けたり、楽しいことが満載だった。でも、どんな些細な憂鬱も全て「レッチリ」ひとつで忘れてきたのだ。それが、ライヴ5日前の今になって延期って。
もう理由も思い出せないブルーの数々が、掃き集められた落ち葉の山のようになって降ってくる。軽いはずのそれに動きを止められる。
「へこんだ」と言う。そうやって本気でへこんだりするのが可愛いとNobuに言われる。あ、そう?
飲む。いっぱい飲む。Nobuもいっぱい飲んでいるようだ。電車がなくなったらしい。ああ、そう。Nobuがお酒を買い足してくる。飲む。
灯りの下で見ると髪がかなり赤いなと言われる。今回はストロベリーレッドのマニキュアにしたんだよと思うが、返事もせず曖昧に微笑む。
いつも通り色々と音楽を聴くが、レッチリだけは聴く気になれない。
爆睡しているNobuを見て、ああやっぱり寝顔が愛しくないなと思う。初めて彼がうちに来た時、その寝顔を少しも可愛いと感じなかったので、私この子に対して微塵も恋愛感情がないんだなと思ったのだ。そう女友だちに話したっけ。
そういえば彼の寝顔にキスしたことも一度もない。他の男にするように、メールが来て携帯のディスプレイにキスしたことも。
Autumn's sweet we call it fall (すてきな「秋」は、「失意」と同義語だ) *Scar Tissue / Red Hot Chili Peppers (1999) の歌詞。
2007年03月02日(金) |
I have never known the like of this |
そして明け方、ビートルズを聴いていた。──いや、私が未明の感覚なだけで実際は午前8時過ぎ。
アルバムの'Help!'を聴いていた。これを初めて聴いたのは小学生の頃。以来ずっと愛し続けたアルバムだ。'I've Just Seen A Face'から'Yesterday'という流れが大好きで。
「顔を見たんだ」という出だしの歌詞のはっとするような驚き。ベース抜きでアコースティック・ギター3本、ドラムはブラシ・・・そんなことが小学生にわかるわけもないが、こんな曲は初めて聴いたと思った。そしてその後に続く'Yesterday'が、あんまりにもきれいなので唖然とした。子供から大人まで、いや、兎にすらわかりそうなほどのうつくしさだ。初めて聴いた時からずっと、これが世界で一番きれいな曲だと思っている。
小学生だった私は、'Yesterday'の歌詞を聞いて、冠詞ひとつ落とさずに丸暗記した。そして、一単語ずつ辞書でひき、文のつくりを調べて、一行ずつ理解した。おかげでそれと知らずにかなりの文法を覚えた。
まるであの曲を理解する為に、英語を学んだかのようだ。
昨日はずっとNobuとメールのやり取りで泥沼化していって。彼と文章で話し合っちゃ駄目だということはわかっているのに。しかも多分彼が言いたいことは「いやだ」だけなんだろうに。実際出てくる言葉が全然違う。で、私は言葉の定義に忠実だから、言われたことを額面通り受け取って反応してしまう。
今日は今日であるひとからメールが来て、これがまた単語を適当に使っているらしくて、どういう意味で言っているのか訊いても答えられない。
普通なら激怒してもおかしくない内容だけど。別に他人だから、ただ呆れるだけだ。
今日は携帯メールが約40通。かなり重くて憂鬱になるのが3人と、来週飲もう的な軽いのが4人、これに交互に返信をすることでぐったり。誰にも会っていないのにへとへとだ。まだ風邪で熱もあるのに。
夜は着信が7回。Nobuからかかった時に、彼がXeroXのbbsに書いた書込みのことでつい怒って電話を切ってしまう。すぐかけ直してくれたので、何とか気分を整えたが。
最初の電話では泣きながら怒鳴っていた。
―――――バンド関連のことでは、我慢が出来ないんだよ。
I have never known the like of this (こんなのは初めてだ) *I've Just Seen A Face / The Beatles (1965) の歌詞。
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