ふつうのおんな

2004年10月29日(金) 妹からの電話

まだ仕事中だ。

さっき妹が電話をかけてきた。
母の続けている免疫治療のやりかたでどうしてもどうしても納得いかないことがある と。

母はすべて父の言うとおりにしてきた。
2年間。父のやり方を信じてきた。
だけど ここへきて 劇的に悪くなっているように見える。

だから どうしてもひとつだけ 試して欲しい治療があるのだ と。
妹はこらえるように言った。

どうしても試して欲しいけれど それを父が受け入れてくれるかわからない。
自分のしているやり方を否定された、ととられたら完全に拒絶されてしまう。
治療方法が混ざると嫌がるかもしれない。父は医者なのだから。
効くわけないといわれても、そしてもし 母が だめだったとき その方法を試せなかったことを おそらく一生苦しみ恨み父を憎むだろう。
だからどうしても試して欲しいのだと。

おねえちゃん
おねえちゃん
おかあさんに いきてほしいよ
いきてほしいんだよ
いままだいきてるんだよ

絞るように言った後 咆哮に変わった。

携帯の受話部分から妹の悲鳴に似た長い長い泣き声が響き漏れ出る。
近くには誰もいなかったから 私は それをふさがず 自分の口から同じ悲鳴が出ないようにハンカチを噛んだ。

妹はもう母親だから、母がしているかもしれない覚悟を自分の娘に対しても抱いているかもしれない。
そして毎日母との生活では 泣くまい 泣くまいと堪えているのだろう。
堰を切ったように うわあああああ と泣き声がやまない。

それを聞きながら、申し訳ないと心から思う。
私は母に会いたくてたまらないのに 母が衰えていくのを見届けるのが怖かったのだ。
怖くて 仕事が忙しいのを 言い訳に 月に一度しか母に会いに行かなかったのだ。

妹は毎日母の中に死の片鱗を感じては、自分の夫や娘のいない場所で泣いているのだろう。

私自身の命20年と引き換えに、母が2年痛みと苦しみのない生活を送れるのなら どうか そうなってほしい。

それで明日私の命が消えても ほんとうにかまわないのに。

私の年と同じ年月、泣くことの多かった母の人生に 幸せしかない時間をすごさせたいだけだ。

chick me

2004年10月28日(木) はずかしい風景

私の会社のミドルタワーの風景です。

オットと喧嘩した後いつのまにかカバンに仕込まれたり
仲直りのしるしなどに持参するなどでちょっとずつ。
doll

ちょっと画質が悪いんですが なんだかわかるでしょうか?

chick me

2004年10月27日(水) おかあさん

1年以上前から母は胃を患っている。
父と母は外科的処置を一切遠ざけ、免疫治療という手段を選んで私と妹に告げた。

小康状態ながらも日常生活をおくれる母を見ていると、入院や手術をしなくてよかったと いつも思っていた。

さっき 妹から 最近の検査の結果を電話で聞いた。

恐れていた 考えないようにしていた そういう結果だった。

私は今すごく仕事が立て込んでいて、ずっと時間に追われている。休日も出勤しないと間に合わない状態だ。
私じゃなくてもなんとかなるだろう。
だけど期日どおりにあげられるのは 今 私しかいない。

考えまい 仕事に集中しよう いまは

そう思って指先が震えるのを抑えてキーボードを叩く。

それなのに


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「その話題やめようよ」の声が震えるのが怖くて「そっかあ」と振り向きもせず返事するのが精一杯。

おかあさん おかあさん

人生80年の時代じゃないの?母は まだ 57歳だ。

chick me

2004年10月25日(月) 初めての結婚式とそうでない結婚式

24歳くらいからの5年。いくつかの結婚式に参加してきた。

レストランウェディング2回
ホテルの結婚式4回
結婚式場1回
2次会のみ参加で中華料理屋1回
思い出せるだけでこれくらいある。

一番最初は何を着ていったらいいのかわからなくて、母親に任せてしまった。

が、2回3回とこなすうちに友達の服の傾向がわかってきたのでアクセサリーは毎回なにかしら新調したが服は手持ちのきれいめなスーツをあわせたりと適当になってきた。

おとといの結婚式なんて、これまでで一番適当かも。

髪は一応内巻ブローにしたけど、ドレスは自分の結婚式の二次会用に買ったものだ。3年前?
JIGSAWの黒のマーメイドラインのロングドレスで肩ヒモはスパンコールですそはビーズで刺繍がきらきら。
上にはショールやストールを考えたが、買いに行く暇がなかったので薄くて透ける素材の7分袖のカーディガン。
ふつうのボタンだったので、一番上だけ留めてボタンにドレスのビーズとよく似た大粒のピアスをはめていっちょ上がり。
蝶の透かし彫りのリングと母親に借りた大粒の変わったデザインの真珠のネックレス。
後ろから見たら葬式みたいにならないように銀色の光る小さなバッグで おしゃれ おしまい。

一緒に出席した友人も黒のホルターネックのロングドレスに、いつぞやの結婚式で見たアジアンテイストなベージュのストール。

で、新婦側の友人たちは。

黒どころかロングも皆無で、皆膝くらいのチューリップラインのワンピースにおそろいのジャケット。
パステルカラーが揃い踏み。
髪も「美容室でアップにしてきました」なことになってたさ。

新郎側友人の女子はあんまりキラキラしないほうがいいのよねー などと言ってみたり。

そういや、きちんとおしゃれしていくのは礼儀だっけ。


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chick me

2004年10月22日(金) 若い花嫁

明日は大学のときの男友達の結婚式なのだが、台風にも合わなかったしひと安心。
だが、ひとつだけ気になることが。

ソイツの嫁って23歳なんだよね。
嫁も若いけど嫁の友達も若いってことじゃん?
7歳も差があるのかよ 
ぴかぴかじゃんか

こちとら午前様続きで肌もあれてんだよう
服だって明るい色のものなんて着ていかないんだよう ちょっと間違えたら葬式みたいな格好しちゃうぞ
爪だってアクセサリーだってきっちりするさ
髪だって多目に巻くよ

でも でもでも 


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トシ相応の嫁もらえってんだ こっちには30歳未婚男子女子がごろごろいるだろーが
ったく

chick me

2004年10月21日(木) かに

今日はこれから他社でおちごと。
---
私は蟹好き。
大好き。

オットはそれを知ってるし、オットも蟹好き。

昔は家で食べるときは二人一緒か、相手がいなくても相手のぶんを残しておいた。
で「蟹あるよー」と出し、相手の食べる様子をにこにこ見ていた。

昨日台風で電車が止まってしまい頑張ってタクシーを止めて帰ったら家が生臭い。
聞けば蟹を貰って食べたという。

ガーン がーん 蛾餡
オットが私に蟹を残してくれなくなった!

夕べ何度も「残してくれなくなったぁ かにーかにー」とオットに向かって嘆いたが、ほんとーにショックだったの。
それほど食べたかったんじゃなくて、オットが蟹を一人で食べちゃうようになったのが。
まるで西原理恵子のカニ母さん。

そして今朝台所でガニを踏んづけてしまってまた悲しくなった。

蟹あるよーってもう言ってもらえなくなったのね・・・


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chick me

2004年10月20日(水) 秋雨

という言葉の響きは好きだけど、台風はうざい。
私は一見ストレートなくせっけなので、朝いくらブローしても雨の日は外はねになる。
しかも中途半端なはね方。

きぃいいい

ワックスもダメ
内巻用のスプレーもダメ

ぜったいはねる

しかもいま中途半端な髪の長さで肩にあたるのでこれまた余計にはねるのよ。

コテとかもちあるいて会社に着いたらまきなおすか?
でもそんなコギャルみたいなことすんのも面倒。

ああ はやく ただの秋雨になってほしい。

chick me

2004年10月18日(月) さよならゼータ

カミーユ と聞いたとき「女の名前云々」よりも普通にカミーユ・クローデルが浮かんだ。
といっても彼女についてそんなに詳しく知っているわけではなく、『ロダンの恋人で最後精神が壊れた人』という程度の知識だ。

で、まあゼータガンダムのアムロに変わる主人公がカミーユという女の名前だということで、コンプレックスをもともと秘めた性格という演出なのかなぁと。

こつこつ見つづけて夕べ等々DVD13巻目まで見ました。

言っていい?言っていいよね?

ざけんな!たむったむっ(←地団駄)

だいたいゼータはサイコミューみたいの使えるってことだって最後の2話でようやく出てきたかと思ったらあっというまにシロッコも人の心を連れて逝ける能力があったなんてオチ。
しかも主要人物はばんばん死ぬしさあ。
シャア/クアトロだけは死なないと解っていたのでそこだけは安心してみていたけど・・・。
ファーストを見よ。
連邦側で死んだ主要人物ってマチルダさんとかいるにはいるけど、5人未満だろ。
ぜ、ゼータって主人公総入れ替えのための大虐殺じゃんか!!

結果を知っていたオットは「予想通りの反応だ」とにやにやしていたが、冗談ではない。

そうか
カミーユって名前自体が伏線なわけね。
もういいよ
なんだよ

大体アレで壊れるって言うのがわかん。
宇宙空間でバイザーをあける頃から壊れ始めの前兆ってことなんだろうが、じゃあなにか。
親やロザミアやフォウの死よりもあの戦いのほうがストレスだったってこと?
わっかんないよう

コップに水が満ちるかのごとくすこしずつ狂気がたまっていったという意味なのか。
アムロみたいに自己愛が強いほうが壊れないってことだとしても、カミーユの壊れ方は唐突すぎ。
(エヴァンゲリオンのなんとかって主人公もよわっちいココロだったけど、それはガンダムの流れ??)

ダブルゼータがもうあったから大虐殺がまかり通ったのかもしれないけど、やっぱ子供が見るアニメとしてはダメだろう。
R-15だろう。大人でも不可解なのに。


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chick me

2004年10月14日(木) いえないけどやりたいこと

「本当はこれをしてみたい」「あれになりたかった」という夢は人に話せるものと話せないものがある。

私の父の一族は全員開業医で、あたりまえのように医者になるか医者一族と結婚している。
私の妹も歯医者と結婚したがその彼@三男も父親・次男・長女は医者で長男が歯医者。
つまりみーんな「センセイ」と呼ばれる職業な訳だ。

その中で唯一私だけが医療すらかすりもしない職種@えんじにあ につき、これまた自営業のオットと結婚したわけで。

私は医学部受験もしていない。農学部だっちゅの。
医者を目指す、というのは一族の中では当たり前で国家試験は一発合格が当たり前。
医者になるまでは時間の遊びが少ない。

同い年の従兄弟が合格したときは胸をなでおろした。
彼からは「えっちゃんもなるって言ってたのに」と大学時代にぶぅぶぅ言われたりもした。

私だとて中学1年生くらいまでは本気で医者になりたかった。
父親は外科と麻酔科だったので、私も外科医がいいなあなどと漠然と考えていた。

が、14歳の頃、根が真面目じゃないのでこつこつ勉強することが苦手だったことと、性格的に人の命を救うことへの不向きを感じた。
そして母は嘆いたが、高校受験はせず中学から大学までのエスカレーターに乗りつづけることに決めたのだ。

そんな私でも25歳くらいまでは「今から死ぬ気で勉強すれば大学入学に1年・学校が6年・国家試験に一浪くらいするとしても8年で医者だ。2年くらいインターンを経るとして、35歳までにはちゃんと医者だ。どうしよう間に合うかな。」などと不届きな考えもあった。
医者なら食いっぱぐれないからとかじゃない。
従兄弟たちと同じ様に父親と同じ職業につくことの喜びを感じてみたい。
同じ職業であれば彼らと同じ目線でものを見られる。
そういう気持ちだった。

この気持ちは、本当に諦めがつく年になるまで消えないものなのだろう。
業みたいなもんだ。

で、これは人にいえるほうの考えだ。

言えないのは、文章を書くこと。
こんなつたない日記を書いておいて恥ずかしいことなのだが、私の書いたもので読んだ人から共感を得られたらすごく気持ちよいのではないか と。

書きたいのはエッセイでもノンフィクションでもSFでもない。


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ただ書くだけなら誰にでもできる。
女たちからの共感が欲しいと欲をかいているので書けないのだ。

chick me

2004年10月13日(水) 花の香り

東京は雨続き。
朝どんなにブローしても出社する頃にはばほばほになるので不快なり。

だけど、小雨でひとつだけいいなと思うこと。

最近は帰りがずっと終電なので雨もやみ、シンと冷えた空気の中を帰るわけで。

てくてく歩いているとどこからともなくキンモクセイの甘い香りがする。

誰の小説だったかこの香りを「歯が痛い」と表現していたがそこまで強くはなく。

泣きたいような切ない感じのするこの香り。
ほんとうの秋がくる、としみじみ思う真夜中の家路。

chick me

2004年10月12日(火) ガンダムについて言いっぱなし

あなたは
ゼータ派?
ファースト派?
シード派?
と問われたら、反応はだいたい3通り。

1.熱く語りだす
2.ガンダムは知ってるけどどれがどれなのか解らない
3.全然解らない

私は1と2の中間だけど、俄然ファースト派です。

いま会社の人に借りたゼータDVD全13巻を一生懸命見ているところですが、オットが私の不在時にバンバン見てしまうので、夫のいないときは追いつくのに必死。

んで、10巻目なんですが、ファーストを愛している私としてはゼータはファーストの時に望んだシチュエーションが満載。
アムロとシャア(クワトロ)の絡みなんて、もお遠い目で見ちゃってるよ。
アムロとシャアが出会ったときお互いそれと意識していないのに
「さがってろ!シャア」
「アムロか?」
ここで「えーなんでわかるの」とか思った人はどぶに落ちるがいい。

ファーストをなぞらった構成もちらほら見えたり。
ただ、ファーストにもゼータにも言える事だけど、恋に落ちた時がわかりにくい。
マチルダさんに何故憧れたのか
カミーユがフォウ・ムラサメと何故惹かれあうのか
レコアはどこをどうしたらシロッコに心寄せるのか。

ララァの目の色は怖い。
フォウの口紅の色はどうかと思う。
フラウとファは役どころが似すぎている。
せりふの言い回しが独特。
クアトロでもなんでもシャアはかっこいい。けど、シャアの好みはわからん。ララァもレコアもなんか違う。
DVDの説明がきに「カミーユは性格破綻者」とあったけど、そういう不安定さこそニュータイプとしての証でもあるのか?でもアムロは大人な性格になっていた。カミーユもそうなるのかな。

しかししかし ラストに関してまわりのみんなが「うーん」というのが怖い。
どきどきしながら消化してます。


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chick me

2004年10月08日(金) ランチにいこう

私の職場は中途半端なところにあり、駅に隣接するビルを離れると食事をするところがない。
よって、ここ数年でほとんどの店は行き尽くした。

「たいてい同じ店で日替わりランチ」が楽だとは思うが、日替わりっていてもそう変わらないし。

だいたい女子3人くらいと男子が1人が2人でいくのだが、最近女子2人がおにぎり持参になった。
どの店で食べても1000円はするので(相場が高いの)節約だそうだ。

えらいなーと思いつつ、私は一人で店で食べるのも平気だし大体本を持っているんで読みながらだらだら食べるのがすきなのでおにぎりやサンドイッチの持参はしていない。
また、男子の一人はコンビニで買ってくることが増えたのでそうなると私ともう一人の男子しかいない。

なのに今月はまだ一度しかランチを食べにいっていないほど、ちょっと仕事が立て込んでいて その男子も一人になってしまう。

彼は買ってきて食べるのは平気だがひとりで店で食べるのはたぶん苦手。

そんな感じで日々すごしていたのだが、昨日になってその男子から彼が最近気にしていることというのを聞きひっくり返ってしまった。

1.ぼくは普段から良く喋る。
2.ランチのときもそんな感じ
3.最近女の子たちがおにぎり持参で一緒にランチに行くことがなくなった
4.どうしてだろう?
5.はっ ぼくが喋るのがうるさいから??

と。

中学生の女子じゃないんだからさー
たのむよー
そんなわけないし、万が一そうだったとしても男がそんなこと気に病むなよ

大受けしていたら「言わないで。しー」と秘密ねのポーズをしていたが、私はさっさとばらした。

女子二人は
「かわいい」
「繊細なんだね」
と評したが


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chick me

2004年10月06日(水) 今夜一人でバーに

を、やりたいなあと思った。ふと。
実際には終電くらいまで仕事だからそうもいかないわけだけど。

ひとりでだまーって飲みたい。

近況報告程度の世間話もちょとつらい感じだが、思いつくどのバーもお店の人との会話が皆無というわけにはいかない。

基本的には一人でいってバーテンダーとぱらぱら話して飲んで、というのが好きなんだけどね。
今はそういう気分ではない。

どこか新規開拓するか?

でもこれまでの経験上一人ではじめてのバーでも隣のお客さんと話さないですんだことがない。
「ちょっと一人で飲みたいものですから」
なんてぴしゃりとやれるほどハッキリした性格でもなく、話し掛けられるとついつい話題を面白いほうへと発展させようとしてしまう。
サガ。

2年位前か、友達と飲んだ後時間が早かったので乗り継ぎでおりた高田馬場のあのバーは最悪だった。
生バンド演奏があると表に書いてあったので「こりゃひとりでOKね」と入ったら、隣に座った常連と店長しかいなくて 目新しい客だった私はロックオン。
演奏よりもでかい声で話し掛けられつづける羽目になったさ。
バーに酒飲みにいってカラオケより喉が疲れたのは初めてだった。

地元に焼酎バーができたのは知ってるけど焼酎を飲みたい気分でもないし・・・。

気持ちが低迷してるからといって悪酔いすることはないんだけど(むしろそういう時はロックでちびちび飲むから酔わない)じゃあいざ行こうかと思えばこんなメビウス。

暗い酒飲みたい


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chick me

2004年10月05日(火) アンパンマン まじめに育児を考える

「あんぱんまん」
もうすぐ2歳になる姪っ子が電話でそういった。

もちろん自分でかけてきたわけではなく、妹が用があってかけてきて姪に代わったのだ。
「え?」
「あんぱんまん ごにょごにょ」
どうせ妹が言わせてるんだと思ったので(私は丸顔なので妹がよく姪に「あんぱんまんだよー」と言っている)「だめでしょー そんなこといったら」と返事した。
沈黙があって受話器の向こうから妹と母がなにかを取り成している様子がうかがえる。
「おねーちゃん!おねーちゃんのことじゃなくて、アンパンマンをみたよって言ってるだけだって。」
どうやら私に怒られたと思った姪はべそをかきはじめたらしい。
「あれ。じゃーもう一回電話かわって。」
母「電話でないって。いやいやしてるわよ。」

「ちーちゃん(姪 仮名) おばちゃん怒ってないよー。びっくりしたねー ごめんね」聞こえるように大きい声で言う。
母「ちーちゃん、えっちゃん怒ってないってよ。ごめんねーってよ。」
ごそごそごそ
「ぇっちゃん」小さい声で姪の声がした。
妹「遊びにきてねって」
姪「あちょびにきてー。(ぐすぐす)」

「週末行くからね。」週末って意味わかるんだっけ?2歳児って。
妹「えっちゃんに遊びに来てねって」
姪「きてねえ(べそべそ)」

友人たちに聞いても、姉妹の産んだ娘というのは息子よりも親しみが湧くらしい。
同性のきょうだいの同性の子供というのはそういうものだろうか?

写真で見るとわかるが、私の妹の子供時代というのは本当にかわいらしかった。
にーっと笑うとえくぼができて、なくときは目をつぶって少し上を向いてワーンと声をあげるしぐさ。
姉妹喧嘩をしていたときはただの憎たらしい妹なのだが、いま思い出すと すべてが愛らしい。

姪をかわいいと思う気持ちは、妹をかわいいと思う気持ちをよく似ている。

妹にしてみれば「おねえちゃんはいつまでたってもシッカリしてなくて心配」らしいが、私から言わせればシッカリしすぎるとプランがこけたときどうすんだろー、だ。
ふん(負け惜しみ)

で、姪だが、一月に一度行く程度にしか顔を合わせていないものの いつ行ってもベッタリ甘えてくる。

一度むずがって母にむかってワンワン泣いている最中に訪ねたことがあるが、私の顔を見たとたん涙でぐしゃぐしゃの癖に口がふわーっと笑って、よちよちと寄って来た。

心からいとおしい、と強く感じたのはあの時が初めてだ。
もちろん生まれたときや初めて抱っこしたときなど感激したが、私を私と認知して純粋に甘えてくる小さな生き物がこんなにも愛くるしいものかと我ながら驚いた。
親というのはそのいとおしい瞬間を幾度も迎えるから、子供が成長して悪たれついても憎めないものなのだろうか。

そしてそのいとおしい瞬間を噛み締めそこなうと、子を心から慈しむ気持ちが育たないのかもしれない。

子を愛さない親はいない、という。
世の中で起きている色々な罪を見るにつけ、そんな言葉は絵空事のようでもあるが 親は 特に母親というのは 望んで産んだ子を一度も愛さないことはないはずだ。
憎い相手から無理やり作られた子だったとしても、産むことを願ったことさえあればたとえ一瞬でも子を愛する。

その一瞬がどれほど訪れるかによって子供との距離が変わるのではないだろうか。

私の母には、私と妹が世界の全てだった時期があるという。
私たちが幼い頃、知り合いの誰もいない土地に引越し 心打ち解けて話せる相手が皆無だった頃、父も仕事にかまけていた。
当時の母の日記をちらっと見たことがある。手帳へのメモがきだったか。
不安な気持ちで私と妹を抱きしめた とあった。
母は私たちを守ろうとして抱きしめたのではなく、私と妹に抱きすがったのだ。
子供という存在が親にとっての支えになることもある だから親は子を抱きしめ 自分を支えるのだと 書いたのは誰だったか。

親が子を支え 子が親を支える
この繰り返しが起きてこそ、母性や父性は育ち 子は親を同じように愛す。
バランスがくずれて平衡が保たれなくなったとき、子は迷い親は恐れる。自分が人の親であるということに。

私は姪の人生に対しての責任はない。
ただひたすらいとおしく、守りたい存在なだけだ。
でも我が子に対してはそうはいかないだろう。

果たして私は 自分の子を ちゃんと 愛せるだろうか?


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2004年10月04日(月) みそぢ

今日はオットの30回目のバースデー。

区切りだからなにかプレゼントをちゃんとしたかったんだけど、私が手に入れられるもので特に欲しいものがないようでまだ何もあげていません。

欲しいものは自分でさっさと買ってしまう人なので・・・。

あ。今月半ばに「カッパの飼い方」のプレステソフトがとどく。
で、でも30歳のプレゼントがゲームだなんてあんまりだよね。

40回目のバースデーも私が一番に「おめでとう」を言いたいです。

今日残業ナシで帰れるかなあ・・・。


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2004年10月03日(日) 免許不携帯

雨の日曜。
これがおわれば涼しくなるのかな。

今朝オットを会社まで車で送っていったのですが、実はワタクシ免許不携帯。
正確に言うと1年以上前にどっかで落としてなくしてから再発行してないんです。
ゴールドだし失効まで猶予あるだろってことでなかなかいけなくて。

けど、運転する権利を失効しているわけではないからいい・・・よ・・・ね?

ただまあ雨だし久々の長めの運転だし、一本道とはいえ一人で運転したことのない道ってのは怖いものです。
タクシーやオットの運転では何度も通っている道なのでまったく道の場所ではないのが救いか。

だけど気がついたら橋で90キロも出ていたりして大層びびりましたよ。


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chick me

2004年10月01日(金) ちゃんと笑いたい

オットは私に「いつも笑っていて欲しい」と言う。「怒った顔大嫌い」と。
私もできるならそうしたいと思っている。

だけど、他のヒトもそうであるように いつも笑っていることなどできない。
オットの言うことがこの世の全てで、他に何のかかわりも影響も受けないでいればオットの一言一言をかみ締め オットだけを信じ いつも笑えるのかもしれない。

が、そんなことは不可能だ。

オットと出会うまでの25年弱に形成された性格と、それまでの生活環境から受けた影響に基づく思考パターンというのは そう簡単にぶっとばない。
オットだとてそうだろう。

前に書いたかもしれないが、オットに対して怒っている時の私の言い方というのは、とても冷たい。
人を傷つける言葉がナイフなら私のナイフは氷柱でできているのかもしれない。
だけど私はこれまでの人生を振り返って他人に氷柱をかざしたことはない。そもそも他人と口論などしないからだ。

なのに、オットに対してだけは何度も氷柱を突き刺している。

私がオットを刺すときって
「そんなことやめてほしい」「こうであってほしい」「これはしてほしくない」「こういう関係でありたい」

・・・ただのエゴだ。それもとびっきりの。

いまこうやって書きながら初めて気がついた。
そうか オット以外の他人と争ったことがないのは、特に期待していないからか。
オットに対してだけ望むことが多いから 私は 冷たく 厳しいのか。

「そんなことやめない?」「こうしない?」「これはしてほしくないな」「こういう関係でありたいね」
語尾を変えるだけで言葉の印象はガラリとかわるというのに。

何かがあったときオットにだけ対処を望むのではなく(たとえそれが私自身には関係のない出来事だったとしても)一緒に考えよ、という気持ちであればいいのだろうか。
オットはおそらくそういう私をうるさがると思うのだが、それでもいつもそばにいれば 何かが変わるかもしれない。

オットに「結婚したことを後悔しているの?」と聞かれたときすぐ否定できなかった。
それは、結婚そのものを後悔しているのではなく 結婚生活をうまく過ごしてこられなかったことへの後悔があるからだと思う。
オットだけが悪いのではなく、私も等しく悪いのだ。

あと4ヶ月で同じ苗字になってから まる4年になる。

まだ、間に合うだろうか?

本当の意味で「ふたり」で生きていく気持ちにお互いがなれるようになれれば きっと 笑っていられる。


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chick me
 < Past  Index  Future >


etsu

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