けろよんの日記
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2024年08月12日(月) ロミオとジュリエット 劇団 ユメノイト第2回公演 

 
 今年1月にモーツァルト!を観た劇団ユメノイトさん。
早くも2回目公演です。

ロミオとジュリエットは先月梅田芸術劇場で観たばかりなのです。
が、今回の公演は宝塚版の方でした。

全体の感想から。
まず、テンポ感が非常にスムーズでした。
場面場面の展開にもたつきがなくストレスレスで進みます。
大道具の配置、演出方法なども自然で苦しいところがない。
舞台そのものがそこまで奥行きも広さも高低差もあまり作れない
ところ。
 そこでの仮面舞踏会のシーン、ロミオとジュリエットの恋に
至るまでのボーイミーツガールのかくれんぼと追いかけっこが
秀逸でした。(表現力がないおタクの感想)

前回のモーツァルト!に比べてロミオとジュリエットの方が
圧倒的にダンスシーンが多いし、お歌も聞いてると気持ちいいけど
実際に歌うのには難曲が多いのでほんとに大変だったんじゃないかなと
思います。それであの完成度。素晴らしい。

 演出で特に印象的だったのが、「ひばりの歌声」のシーン。
東宝(TBSもホリプロ他あるけどここでは東宝)版だと、
結構微妙な気分になるんですよ。ベッドで半裸でなんちゅーか生々しい。
特にジュリエットは割とティーンエイジャーしかも小柄な人が
採用されるんで年々観る側がキツイ。今話題のインティマシーコーディネーター入れた方がいいんじゃ、、とか思ってしまう。


その点宝塚はまだマシなんですが、
今回は、バルコニーでの別れのシーン、ええやん。


普通にありそう・・。ひばりの歌声を聞いて身支度を調え
バルコニーからヴェローナの街角をみるロミオ。
だって、ジュリエットだけじゃない生まれ育った街、家族・仲間からも
追放されたわけですから。そしてそっとロミオの後を追うジュリエット。
セットの都合とかあったのかどうだかわかんないけど、いい。
こういうのとてもいい。
 
音楽のテンポとかちょっとしたメロディとか多少アレンジされてたかな、
歌いやすいように、雰囲気がでるように。

照明もなかなかにドラマチック。

あと、お衣装、圧倒的な進化を遂げていてすごかった。
すっごい本格的になってる。プリンシパルだけではなく
アンサンブルの方々のも。

さてここからキャストの感想。
パンフレットの掲載順に。

 ロミオ
  毎回男役されている方。確か割と癖強めの脇が多かったイメージ。
 レ・ミゼラブルのテナルディエとか印象があり、予想では
 ティボルトあたりくるかなーと思っていたところ主役のロミオ、
 をーこう来ましたか。どちらかというとしっかりモノ、
 演技プランは正統派のロミオ(柚希礼音版)あたりかと
 いうイメージでしたが、ジュリエットとの恋より、
 「僕は怖い」「狂気の沙汰」のあたりの苦悩のシーンが耳に残りました。


ジュリエット
  こちらの方は正統派ヒロイン率高いですね。
 オランプ・コゼットと来てジュリエット。
 そしてそれがとてもよく似合います。可憐というか華があるというか。
 1幕の恋に恋する少女と、2幕、周囲の大人たちにすごいエネルギーで
 反発する姿。今回気づいたのは一旦大人になったジュリエットが
 霊廟で眠るロミオをみた瞬間また無邪気に恋する乙女に戻る、ということ。
 AーBときてまたA’なんだ、と思ったのは今回のジュリエットが
 初めてです。デュエットダンスの際の輝くばかりの笑顔が印象的でした。


 手足先まで神経を使った踊りってこういうことかと思いました。
 ”愛”という概念を身体表現で表すのすごいよね。
 もう完全に宝塚やん、、初演の礼真琴の愛を思い出しました。
 プログラムみたらアマデ君やったのか。2作続けて台詞のない役で
 この存在感!


 こちらも概念。元花組トップスター仙名彩世さんに似てるなーと
 思いつつ、そんでさらさらの鬘が愛月ひかるさんのよう、
 美しい死。割と無表情が多いように見えたのに毒薬を使って
 ロミオをもてあそんでる時の笑顔が実にいい感じでした。

ティボルト
 1789はロナン君でしたね。あのときのまだこのレベルの声出るのか!と
 いう驚きはまだ覚えてます(笑) 歌ウマさんの彼。
 なんかね、本当はこんな風に育つ筈じゃなかったんだけど、
 愛するジュリエットとキャピュレット夫人を守るため、
 ティボルトの生来の誠実さと生真面目さで 
 頑張ってオラついてこういう感じになりました、
 キャピュレット夫人が彼に惹かれる気持ちとジュリエットが
 愛する従兄という説得力がありましたわ。
 ついでにしんどいのでちょっと壊れて狂気も産まれました感もある。

マーキューシーオ
   ロミジュリの中で最も難曲を歌うのは彼だ、と私は思ってます。
 「マブの女王」難しくないですか?私だけですか?
 音程もリズムもえらい厳しい。プロでもなりたってないやん、、
 と思った役者さんいます。すっごい練習したんだろうなあ、
 お歌がすっごい化けた気がする。
 まあ、とにかくイケメンでいらっしゃる。
 女ったらしで遊び好きで最低なのについふらふらといってしまう。
 毎回声かけに行きたいと思いつつ、おばちゃん恥じらってしまい
 感想伝えられず今日も帰宅(笑笑)


ベンヴォーリオ
 この方も上手かった。台詞によると今回のベンヴォーリオは
 粗忽者ではないらしい。 誠実さを感じさせる歌と演技で
 相変わらずこの劇団はうまく役者を役に当てはめてくるなあと。

ロレンス神父
 個人的にMVPを差し上げたいです。歌・台詞・表現 全て神父様。
 歌ウマは勿論ですが、何よりも感情が歌と仕草に乗ってるんですよ。
 ロミオに対しての声かけとか慰め方とか。退場時の足の運びとかまでね。
 きちんとおじさんの神父様なの。役を生きてる。


乳母
 この人も役を生きてる。歌も勿論上手い(でなかったら乳母は難しい)
 んだけど、あ、乳母がいる、って感じさせられた。
 ジュリエットへのまなざし、とかやっぱり仕草とかね。
 

ヴェローナ大公
 短い出番で場を支配する圧倒的な力が必要な役。
 堂々たるものですわ。やんちゃモーツァルト!とは真逆です。
 その中での支配者の苦悩も繊細に表れていました。
 とはいえ、今回はまず演出にブラボー!

キャピュレット卿
 元々女性が多い劇団ユメノイトさん。ですが、
 男役さんたちがなんか自然だよねーって
 思って観ていました。キャピュレット卿もその一人です。
 ジュリエットを思う気持ちがとてもよく伝わってきました。

キャピュレット夫人
 悪女というよりはキャピュレット家の屋台骨を支えてきました
 というしっかり感。上品で美しいキャピュレット夫人でした。

モンタギュー卿
 強そうなモンタギュー卿でした。
 堂々たる偉丈夫でナンバーは少ないけど存在感ありましたね。

モンタギュー夫人
 コンスタンツェからの華麗な転身。
 骨太で強さのある声なので、確かにモンタギュー夫人ありだわ、
 キャピュレット夫人との憎しみのデュエット、やはり聞かせ所です。

パリス伯爵
 いやあ可愛かった。気取りやの間抜けなんだがやっぱり可愛い。
 キャピュレット卿と一緒に仮面舞踏会の算段をするときの
 ぴょん・ぴょん・ぴょんのジャンプがよき。

ピーター
 いやあ可愛かった。表情から動きから何もかも。
 マーキューシーオと扇で遊んですっかりてなづけらてる。
 愛と二人完全にタカラジェンヌやん・・・。 

アンサンブルの皆さん。
 目が足りないながら全ての小芝居が拾えなかったのですが、
 あの人数での迫力がすごいです。
 世界の王・仮面舞踏会・街に噂が、狂気の沙汰、
 どれも素晴らしかったですが、
 エメのリプライズのハーモニーが最高に荘厳でした!

よい舞台をありがとうございました。
 


 








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