けろよんの日記
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2009年02月15日(日) |
ハイスクール・ミュージカル3 |
全米大ヒットディズニーオリジナルドラマの第三弾が とうとう映画館で。
映画らしいスケール感で、「シニア・イヤー」の ごく僅かな期間を印象的に描いておりました。
音楽は最初のバスケシーンを除くと、圧倒的に1、2に 軍配が上がるのですが、 卒業を前に自分達の進路に期待・不安・迷いを持つ 主人公カップルの心理が細やかに描かれていて、 18の春が胸に沁みます。
父親や周囲の期待通りの道が開けているトロイ。 (バスケ少年とみなされ、バスケの名門校に行く予定。 父は往年の名プレーヤーで高校チームのコーチ) トロイの揺れ具合が、雷鳴で効果的に出てました。
これは本当にボクの進みたい道なのか?
正に春の嵐だわ。
そこに突如ジュリアード音楽院の推薦の道があるといわれます。 こっそりカレの名前で申請を送っていたダーバス先生の言葉が 今も心に残ります。 「若いうちに沢山の道を模索しなさい。 何年後かに選択の幅が狭くなる前に。」
スタンフォードに行く彼女。 地元アルバカーキに残ってもジュリアードに行っても 遠距離恋愛必至。 さてトロイの選ぶ道は?
アメリカの卒業は6月だけれど、丁度日本の卒業シーズンを 間近に控えているので、共感するティーンも多いのではと。 周囲を見渡すと、小学校高学年〜中学年くらいが最も多く。 中には中学生くらいの初々しいカップルがデートで来ていて なんかセンスいいじゃんと微笑ましくなりました。 思うに日本って中学生くらいの子が共感できて楽しめる 映画やドラマって意外に少なくない? とディズニーチャンネルを見るたび思います。
四季の舞台でみて、魅了されていたので、 映画も楽しみにしていました。 前評判で、とにかく楽しい!という声、とか歌は・・・とか、 聞いてたのですが。
だけど、実際に観てみると、ただ楽しいだけじゃない。 明るい太陽の光だけじゃない。 自分のアイデンティティを模索する娘。 こどもを旅立たせるさいの母の逡巡、、 心の片隅に隠れてはいるけど決して消えなかった心の痛み。
母と娘、昼間の陽の光と黄昏、若い男と折り返しの中年。 いろんな対比がスクリーンに現れ、 様々な人の営みを映し出します。
とはいえ、エーゲ海の青い海、空をバックに確かに楽しい! 180度のぐるりを見渡してまだ広がる海。 潮の息吹すら感じさせてくれる本物のロケーション。 歌い踊る人・人・人。 音楽を聴いてるとこちらも自然に元気が湧いてきます。 正にThank you for the music!
大抜擢というソフィ(アマンダ・セイフライド) は少し離れた大きな瞳と笑窪がたまらなくキュートです! 手放したくないドナ(メリル・ストリープ)の気持ちがわかるなあ。 スクリーンでみるとわざとなのか、小じわや目の下のたるみが まるわかりでえーと、、ですが、途中から全く気にならなくなります。
父親候補はみな魅力的で、サム(ピアース・ブロンスン) ハリー(コリン・ファース)、ビル(ステラン・スカルスガルド) の3人とあっという間に関係をもったドナ、、なるほど解らなくもない。
今回初めてコリン・ファースの魅力を知りました。 >ごみんなさい マイミクさま 白いシャツが爽やかかつセクシーです。
3人のあんな姿やこんな姿が見られて、ファンの方必見! いや、でも見たくない、、、か??
SATCでも思いましたが、女同士の変わらない友情。 いつまでも女ともだちと会えばすぐに時間を取り戻す関係でいたい。 ソフィたちもきっとドナたちのような関係を築いていくんだろう。 娘がヨメに行く年になってもああやってワイルドな友情を保ちたい!
ミュージカル! 歌は、、というと確かにむむっなところもないではないですが、 今回は全く気になりませんでした。 (ピアース・ブロンソンの声は確かに甘い。)
ダンシング・クイーンはもとより、チキチータ、マンマ・ミーアは もちろん素晴らしかったけれど、特に印象に残ったのが、
「Slipping Through My Fingers」 ドナが娘の婚礼の仕度を手伝いながら歌うナンバー。 「あの子の考えていることが分かったと思うたびに もう成長している子 私の指の間をすり抜けていく」 繰り返される歌詞。
喜びも悲しみも自分1人で受け止めて必死に生きてきたドナ。 娘の父親と分かち合うものは何もなく、母からも見捨てられ。 1人で試行錯誤を繰り返し、繰り返し。 けれでも自信をもってあなたがいたから幸せと。 幸せな一瞬を止めるすべはないけれども。
私は1人ではないけれど、 今正に娘とこの時期を生きている。 そしてこなみの結婚式には必ずこのシーンを思い出すことでしょう。 思い出すとまた目頭が熱くなってきました。
「The Winner Takes It All」 もう一つ。 結婚式の直前、岩の上の教会に向かう際、 (この教会がまた信じられないくらい素敵!) 黄昏時の海でサムに向けてドナが切々と歌うシーン。
「何もかも勝者がもっていくの。敗者は肩をすくめて 勝者の横に立っているだけ。それが運命というもの。」
ドナの人生は既に黄昏に向かっています。 エネルギー満載の魅力的な女性を敗者と呼ぶ人は誰もいないでしょう。 例え壊れかけたローンだらけのペンションのオーナーだとしても。 あっけらかんと泣き笑い怒っていたドナの影の部分をここで 発見します。 ずっと不幸だったわけじゃない、楽しくなかったわけじゃない。 けれど癒されなかった傷に胸が痛みます。 VIVA!メリル・ストリープ!
でもって、紆余曲折の末、大円団を迎えるわけですが、 終わっても直ぐ立たないで下さい! お楽しみのカーテンコールがあります-。
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