けろよんの日記
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2008年10月18日(土) 容疑者Xの献身


 製作発表から数ヶ月、封切から2週間。
かーなーりー楽しみにしてました。

 福山ガリレオが好きだったというだけではなく、
手に取った原作がむちゃくちゃ面白かったからで。
小説をよんでこんなに手に汗を握るというか
早く早く読まなくちゃと思わされたのは久しぶりのことだったので。
文字通り息詰まる文章と申しましょうか。

 真実を間に挟んで、解けない問題を作る方と解くほうが
場面が変わる毎にギリギリと核心に迫っていくあの迫力。
何ともいえない魅力的な小説で。

この小説をどんな風に映画に作るのだろう!
もう読んでいる最中からわくわくどきどきしてたのですよ。

 で、今日。
実は肩透かし半分、嬉しさ半分でした。
うーーん何て言ったらいいのかなあ。
墨で書いていたからこそ迫力のあった画が、
カラーで書き換えた瞬間全く違う絵になっちゃった?
ってーか。
 あのギリギリの緊張感!胸が、背中がジリジリする感じが
すっかりなくなっちゃったような気がして。
なぜかは解りませんが前半から中盤にかけて冗長な感じがしました。

 反面、人物の造型も世界観は驚くほど違和感がなく。
石神と湯川先生がお酒を飲んでいた際、
湯川先生がグラスの氷を撫ぜる仕草にはもう
大感激! あーーー!湯川先生がいるーーーーっ!w
(注:テレビシリーズにもあった湯川先生のクセです。)

 この映画の主人公は 誰がなんといっても容疑者X。
堤真一さん演じる石神。
原作の石神はダルマの石神という仇名で
恵まれない容姿の、天才ですが見かけは冴えない数学教師という
設定で、堤真一と聞いた瞬間、かっこよすぎるわ!
と思ったものです。
すごかったです。脱帽です。
今となってはこの方以外の石神は考えられません。

髪の毛を薄くしたり、白くしたり役作りされたとのことですが、
何よりも目についたのはその姿勢でした。
ウィキペディアによると堤さんの身長が178、福山君180。
いや確かに堤さんでかいんだけど、石神は猫背で首を肩に埋めているので
ずんぐりした印象をうけるのです。
 対してガリレオ先生はすらっと背筋が伸びてスリーピースのベストや
グレーのコートの背中が美しい。
(関係ないけど、オットには今年の冬スーツ。
 絶対!スリーピース 買って着てもらうわー!!!!)

余談長くなりましたが、
猫背の丸まった背中、半白の無表情で無気力そうな目。
ゆっくりとした動作。原作を読んでストーリは知っていた筈なのに、
後半の彼の行動にはきっちり騙されましたともさ。
最後の一気に感情が溢れ出すシーン。すごすぎました。

松雪さんも上手かったです。
劇中で色っぽくて儚くてみたいな表現をされるのですが、
うん、やはり、靖子はこの人です。
きれいで頑張っているのに男運が悪くて不幸そうな役が
ぴったりでした。
娘役の金澤美穂ちゃんもよかったしね。


演技と言えば堤&松雪の圧倒的な技量の前に
ちょっと割り喰っちゃったかな。主役のお2人。
分が悪かった感じがしますが。
大スクリーンでみても華のあること。

#またさー、後姿の肩から腰にかけてのラインだけでも
#ごはん3杯はいける感じですな。
#やっぱいい男です。

ああ、それにしてもパトカーに乗る前の邂逅シーンよかったなああ。



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