ぶらんこ
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2012年07月21日(土) |
淋しい夢(宇宙船と報酬) |
なんでそんなことになったのやら、、、兄たち(2人)が宇宙へ行くメンバーに選ばれた。 スペースシャトルとか、そういう大層なものではなく、ごくごくフツーに船出〜みたいな感じでの出発だった。 わたしたちは窓だけで出来ているようなタワーのてっぺんから兄たちのテイクオフを見守っている。 ふたりとも、まるで釣りにでも行くような気軽さで手を振っていた。
砂漠のようななんもない場所から、ふたりを乗せた宇宙船が発射された。 あーーー行ってしまった、、、そう思った直後、緊急用に配備されていた酸素タンクのいくつかが爆発した。 たたたたた、大変なことになってしまった、、、 動揺するわたしに、いちばん上の兄貴が「あれが爆発したのとあいつらが乗った船とは関係ないから大丈夫だって!」と言う。 「船が爆発したわけじゃないだろう?船はもう飛び立った後だろう?な?」 あぁそう言われてみればそうだな、、、と思い直す。でもやっぱりどこか引っかかるよ。 いちばん上の兄貴は他の人たちと一緒に笑っていた。下のほうでは酸素タンクの事故処理がなされている。 どうやら宇宙船のほうは順調らしい、その後、誰もそんな話はしていなかったから。 あー良かった、、兄貴たち大丈夫だったんだ、と、胸を撫で下ろす。
でも、でも、うちの兄貴たちふたりとも宇宙へ行ったんです、もっと気にかけてください、なんでみんな普通にしているの? 宇宙へ行くのって、凄いことでしょう?
誇らしいのと心もとないのとが入り混じって、まわりを見回すのだけれど、もう誰も兄貴たちのことは話さない。 淋しくて、泣きたくなる。
だだっ広い敷地に整列している。 隣合わせになった人とペアになり、作業を言いつけられた。 ふたりのうちひとりはリーダーとして作業内容の伝達や報告を行うが、誰がやっても同じだからという理由で、右側に並んだ生徒らがリーダーね、 ということらしかった。 なのでわたしはリーダー役にはならなかった。
終業。Y先生が教壇に立ち、あー報酬のことだけど、、と、ちょっと言いにくそうな感じで説明をしていたが、わたしは殆ど話を聞いていなかった。 その後、ひとりひとり名前が呼ばれ、皆それぞれその「報酬」とやらを貰っていた。 わたしのパートナーも呼ばれ、席に戻ってくるなり、彼女は興奮した状態で喜んでいた。 「なんだーーただのボランティアかと思っていたのにこれで1ヶ月分の授業料は払えるよ!インターンシップってやつだったんだねー」 まわりを見ると殆どの子が呼ばれているので、なんだ全員じゃん、と思っていると、 「じゃぁ、そういうワケで。。。ご苦労さん」と言って先生が退室していった。
え?わたしは?わたしには??? わたしは他の生徒たちに悟られないよう普通に平然としていたが、心のなかは恥ずかしいやら悔しいやらでいっぱい。 リーダーにならなかったからだろうか。いやそんなことはない、リーダー役じゃなかったひとも呼ばれてたよね。 とにかく帰る前に先生に訊かなくてはと思い、机の中から荷物を取り出そうとすると、いつのものか大きなマフィンが入っていた。 小袋に入った市販のりんごマフィン。あまり美味しいものではないけれど、お腹が空いたときには腹の足しになりそうな。 賞味期限は、、、確認しようと思いつつ、これは明日でもいいかと、そのまま机の中へ戻して職員室へ向かった。
Y先生は他の教師らと談笑していた。 わたしは近寄って行って、「先生、わたしは・・あの・・貰わなかったんですけど、、何かの間違いなんじゃないですか、、」小さい声でそう伝えた。 きっと「あれ?貰えなかった???なんでだーそんなワケないよ、今、探すからー」とか言うだろうと思っていたのに、先生はあっけなくこう言った。 「お前ー先生の話を聞いてなかったんだろう。だから言ったじゃないか、全員じゃぁないぞ、って。 まぁいい。つまりだ、まこの場合、あの仕事でかなり稼いだだろう、給料だってもの凄い額だった筈だ。 そういうことよ、他のどの生徒らよりも沢山貰っている、ってこと。だから公平にね。 しかしあの会社もかなり成長したよな〜」
そう言われてみると、まったくそうだ、5年間働き詰めだったからなぁ、、と、思い出した。 そんなつもりじゃなかったけれど、そんな気もしてなかったけれど、そう言われてみたら、沢山お給料を貰ったのかもしれないな、、と思えてきた。 わかりました、ありがとうございました、、、これ以上言ってもどうにもならなさそうだったので、挨拶をして職員室を出た。
でもなんだかなぁ、、、みんなと一緒に貰えるのが良かったなぁ、、あんなに一生懸命働かなきゃ良かったのかなぁ、、、 とぼとぼと帰り道。公平なのか不公平なのか、よくわからないまま、少しだけ悲しかった。
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