大して何も変わらない アナタが居ても居なくても どうせ仕事は忙しいし アナタの穴を埋めている その感覚さえない ただ そのふとした隙間に アナタがここに居た、ことを ふらりと思い出す
世界が色を失くすのは アナタの影を 見失った日かも知れない
ずっと我慢してたよ ずっと、泣かないように ずっと、堪えてたんだよ
触れなかった指先 戯れなかった視線 呆気なくて
何かが解ける音がした
その瞬間 抑えきれずに、
泣いた
笑え、って ねぇ 無茶なことを云うわ
あなたも私を置いていくのに ねぇ? 勝手なことを云うわ
私の世界に あなたの影は残るけど あなたの未来に 私の影はいないでしょう?
どうしてそれが解るのに
わらえる訳、ないでしょう
どんなに好きでも どんなに大切でも 貴方の未来を、邪魔しちゃいけない
さよなら
貴方の腕を、引き留めずに済む距離へ
この手を離す日が来たよ
これから起こる現実に 取り留めのない溜め息を吐く 私が望んだ世界の最後は 異様に重たく、鉛色をしている
あなたが望む 世界の始まりに 私は跪き、顔を伏せる
ただ、ただ、 泣く
あなたの名を呼び 声にならない音で ただ。
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