夜を無くした賑やかな人々が、夜を探しに集まる街。 泣き出しそうな空。
楽器屋の前。 帽子姿の男前のあんちゃん。
外資系セルフサービスのコーヒーショップ。 互いが目指している音楽の話。 歌ものROCKとは?ボーカルとは? 響きあう感性。
忘れられた街の一角の、寂れたスタジオ。 かき鳴らすギター。 彼が作ったと言うオリジナル曲。 未完成、荒削り。でも、悪くない。
「何か歌ってみて」と言われる。 散々照れたが、覚悟してアカペラで歌ってみる。 「・・・いいですねぇ〜」 ・・・いいんですか!?(爆)
別れ際の優しい雨。 いやに静かな地下鉄の駅前。 とりあえずの握手。
そんなことを除けば、 今日もまたあたり前のありふれた一日だった。
でも、新しい何かが始まる瞬間なんて、 こんなものかもしれない。
そしてこの日が 『Sayten』と言う名のバンドの誕生の瞬間だった。
〇 ベイ・ブリッジ・セレナーデ / 浜田 省吾
2004年04月24日(土) |
それは、一本の電話から |
fridgeのラストライブの日。
1年弱(す〜さんやまるさんとは2年だ)の短い日々なれど、 素敵な仲間たちとの、足早に駆け抜けた日々への感傷に 引きずられてしまいそうになる心を必死で踏ん張って、 自分の足元に映る現実に目をやる。
・・・お前は“これから”どうする?・・・・
解散が決まった日からしばらくは、 もうオレも終わったな・・・と思った。 音楽活動とか、バンド活動とか、 さらに言えば、せっかくこの年齢になって出会う事のできた 素晴らしい『音楽仲間』の輪からさえも、 ひっそりと足を洗って去るべきかも・・・そんなことも考えた。
でも、心の奥底に、まだ意地が残っていた。 「大丈夫!あきらめるな!ここで終わるな!」と。
そんな日々の中でつかんだひとつの電話番号。 バンドを立ち上げて、ベースを担当したい・・・と。 今日の3時ごろにTELをくれとのことだった。
ライブのリハーサルが終わって電話をしてみる。 「明後日、会いましょう!」ということになった。 さぁ・・・いったいどうなることやら・・・。
でも、今日と言う一日を、fridgeを悔いなく終わらせないといけない。 階段を駆け上がり、ライブ会場へと、 fridgeメンバーが待つところへと向かった。
〇 風が吹き抜ける丘 / fridge
|