●●●
冬の出来事(テニ王/リョーマと桜乃)(その他)。
2006年02月04日(土)
それはまるで雪のような。
「リョーマくんて、雪みたいだよね」
偶然隣を歩いていた少女は、おもむろにそう言った。
詩的な比喩を用いられた少年は、ただ思い切り眉間に皺を寄せた。
「何の冗談?」
「本気です」
「………」
ぴしりと、まるで姉か母といったような年上じみた物言いを、彼女はどこで覚えたのだろう。少年はひそかに息を吐く。
けれど彼もきちんとわかっている。何かと臆病に見えるこの少女の芯の強さが、稀に真剣な声音を向けてくる。
「…それで?」
「ちょっとだけだから」
「……意味不明なのはやめてもらえる?」
要点がわからないまま会話を続けるのは御免だ。それこそ性に合わない。越前リョーマという名の彼は、さっさと彼女を促した。
揃いの制服、同じ学校指定のコートを着た二人は、冬枯れの街を歩く。放課後の気配と、曇天の空。
長い黒髪を二つのおさげに編んだ少女は、数秒の沈黙の後に息を吐いた。
「…いいの、思っただけだから」
「は? 何それ、気になるんですけど」
「もういいの」
「よくない」
「いいの。ごめんね、気にしないで」
「…………」
困ったように微笑んで、なおかつ謝られてしまっては、一体こちらはどう出ればいいのだろうか。
ひそかに悩んだ少年心を彼女は気づかず、軽く空を仰ぐ。
「…不意打ちだと、余計嬉しいよね」
「…………?」
散文的すぎて、全く理解出来ない。乙女心の不可解さに首をかしげる少年に、うら若き少女は六花の如き可憐さで笑う。
「雪は、いきなり降ってくる印象なの」
たとえば、帰り道が重なった偶然のような突然さ。
予報でもなく、約束でもなく、たまさかの出会いだからこそじんわりと嬉しい。
それだけです、と彼女は最後は早口になって視線を前方に戻す。
「…どうせなら、もう少し解説つけて欲しいんだけど」
自己完結してないでさ。
校門を出て次の角で彼女を見つけた少年は、至極もっともな意見を述べながら、さらに歩調をゆるめてみせた。
***********************
…オチは?(また微妙な)
超がつくほど久々に書くリョーマさんと桜乃ちゃんです。
素でリョーマさんの苗字を忘れていて焦りました。越前だ越前。そりゃジャンル離れて三年も経てば手塚部長が左利きだったことだって忘れるサ☆(忘れんな)
そういえば「ザ有頂天ホテル」観てきました。
どっかで見たようなネタがあったり、とあるキャラがものすごく千石さん(※王様のレストラン)に見えてしょうがありませんでしたが、楽しめました。
…子供年齢が全くいないのに、あんなに館内で笑いが起きる映画ははじめてでした。
三谷作品は、エッセイなどと合わせて読むと一層楽しめると思います。もしかしてこのネタ、あのエピソードから? みたいに彷彿出来るところが妙に楽しめます。
人生最大の現実逃避をしたい日々が続いておりますが、何とか元気です。未だ場所が不確定な転勤とかほんと勘弁してよ…入社のとき聞いてないですよ…(げそり)。
日々の慰めは、タキ○バです。
去年の年末に新曲を振りつきで見たとき、大爆笑しました。2005年の笑い収めはタキ○バ。むせかえるほど笑ったぜ。
伊達に好きな芸能人「滝○秀明」とか言ってるわけじゃありません。こういうときこそ役立ってもらわにゃ!(※間違ってます)
でも私的に大ウケした愛想曲のパンチには今回はまだ追いつきませんでした。
|
|