おおさかはゆきがふっているよと。あのひとがいう。
ことしもあとはちじかんたらずになりました。
あずきたっぷりのおぜんざいできました。
こぶまきさんじゅっこもつくりました。
すごくがんばったのでごほうびにあつかんです。
ほんわかとあたたまってとてもいいきもちです。
さっきしぐれがふりました。こんやゆきにかわるかも。
はつひのでみにいけるかな。みたいなあのしんせんなひかり。
きらきらになってまたいきていきます。みんなもいきようね。
いちねんかんほんとにありがとう。かんしゃのきもちでいっぱいです。
がっしょう。
2004年12月30日(木) |
いくつもの朝といくつもの夜と |
さるものは追わず。くるならばとり込めと言っていいのか。 ほんとに今年も残り少なくなった。とてもあっけないようで。 どこか深く。日々在ることを許されたように思う一年だった。
あまりにも見つめ過ぎたかもしれない自分がそこにいて。 だからこそ気づけた愚かさをしかと受け止め。頷き許して。 どう生きるべきかと学べたのなら。よしとしよう。花丸をあげよう。
身の程を知ることがとても怖かった。限界があったことが悲しかった。 情けなく思うことがあまりにも多く。知れば知るほど殺すようにしながら。 ここに書いた。書きながら生きる道を教えられたのかもしれない。
残る人生は如何ほどのものか。いまいる駅の名を知る由もないが。 擦りきれた切符を破り捨てることは決してしないだろう。 かたことと揺られている。窓際の席がとても気に入っているのだから。
いくつもの朝といくつもの夜と。朝陽と夕陽と月と星。 雨も降れば雪も降る。やわらかな風も吹けば荒れ狂う嵐も。
そんな窓から見える風景はいつも懐かしくとても愛しかったのだ。
遠くの山が薄っすらと雪化粧。里はにわかに時雨なり。
雲さわぐ時。穏やかでないのは空ではなく風なのであろう。
ひとの心も不意に乱れる。風まかせで生きているなら尚更。
時にその風を怨んでしまうことの愚かさよ。なんと悲しき。
冷めて静まる時を待つ。情け容赦なく降る雨でもあるまい。
凍えるほどのこともなく。耐えねばならぬ理由もない。
なのにどうしてこんなにも。狂おしく想うことがあるのだろうか・・。
朝からきらきらといっぱいの陽射し。日曜日の太陽ってすごくありがたい。 鼻歌で洗濯物を干したり。軒下の鉢植えの手入れをしたり。
まるで春のようだ。マーガレットの蕾がいっぱいになり少しづつ咲き始めた。 寒さに弱いカランコエも薄っすらとピンクの蕾。シャコバサボテンは花盛り。
愛犬あんずのシャンプーもした。温かなシャワーでうっとりしている。 そこをすばやく洗うのだが、すぐにブルブルっとするので私もずぶ濡れになる。 バスタオルでくるんで陽だまり。もう老犬だけれど赤ちゃんみたいで可愛い。
午後は街へ行ってみる。化粧品店で『眉のお手入れサービス』とかしてもらう。 ついでにアイシャドーも。20代からしたことがなかった。なんか照れくさい。 でもおかげでシャキッとした。目元を明るくするのって結構大切だなと思う。
商店街は歳末大売り出しとか。今日は『日曜市』の日で少し賑やかだった。 市街地に幾つも大型店舗が出来たせいで。不景気風をもろに受けているみたい。 老舗のお店がたくさんある。のんびりと歩いてゆっくりと買い物したいものだ。
日曜市のおばさんとお客さんの会話。なんて穏やかなんだろう。 その横を通り過ぎるだけで。ほのぼのと心が温かくなった。
さてと。とりあえず福引なるものをしてみる。こんなのもほんとに久しぶり。 三角くじをゴソゴソ混ぜながら奥のほうから引いてみる。 ポケットティッシュだろうなあって思いながら引いたのに。
な、なんとびっくり仰天してしまう。こんなの生まれて初めてだった。 カンカラカンカラ鐘が鳴り響くし。歓声と拍手まで舞い上がるし。
綺麗なのし袋に包まれた特等金三万円とか。畏れ多くも頂いてしまった。 嘘みたいなほんとの話。なんてありがたいのだろうと涙が出そうになる。
すっかり放心状態で歩きながら。日曜市で榊を一束買った。 600円だけど500円で良いっておばちゃんが言う。 すごく申し訳ない気持ち。のし袋をそのまま差し出すべきではないかと思う。
榊とのし袋を助手席に座らせ家路を急いだ。 なんだか昨日から変だ・・と思う。もしかしたら今日死んじゃうかもと思う。 急ぐんじゃないぞ、慎重に運転しろよって言い聞かせた。
思いがけないことがこんなにあって。ほんとにいいのだろか・・。 あたり前のことなんかひとつもない。これが天からの恵みでなくて何だろう。
帰宅するなり亡き父の遺影に手を合わす。 「お父ちゃん?お父ちゃんなの?」って訊くけれどただ微笑んでいるだけだった。
報われたいと思っているから。報われることはないだろうと諦めていた。 どんなに尽くしても尽くしきれない。身を粉にして。その粉はきっといつか。 突然の嵐に吹き荒らされて。跡形もなく。私は消え失せなければいけなくなる。
そんな風に儚く散ってしまいたいものだ・・・。
だけれども。どうして神様は私を救って下さるのだろう。 この邪念だらけの欲深い女を。まだ生かして下さるのだろう。
ならば歩まなければいけない。果てという場所に行き着くまでずっと。 きっとそれには理由がある。いまはそれを教えては下さらないけれど。
尽くせば感謝されたい。罪すれば許されたい。 愛すれば愛されたい。認めて欲しい。失いたくない。
嗚呼なんて愚かなことだろう。
だからなのだ。救われたいとは決して思っていなかったのに・・・。
今日。こんな私のところにもサンタクロースが来て下さった。
新聞の占いに「己を全面に出さず静かに過ごせ」と書いてあった。
一心に。ただひたすらに台所の床を磨く。ひざまずくようにして。 きゅっきゅっと力を込めて。あそこもあっちもと汚れが嬉しくなるくらい。
手を止めればどっと襲って来る邪念。よくないことだ尋常ではないことだ。 「おのれくたばれ」「これでもか、ええいかんねんしろ」そんな気持ち。
時々。毒のようにそれを感じ。毒と知りながら飲んでしまいそうになるが。 かつて飲んだこともあったそれを。いまだに憶えていることが哀しい・・。
まあまあ綺麗になったところでワックスをかける。 艶が出て来るとほっとする。同時に右腕が棒のように固くなってしまう。 これくらいの罰なら。いくらでも受ける。これくらいの痛みなら。
我が身可愛さゆえに。どれほどのひとを傷つけたことか。 何ひとつ罪滅ぼしもせずに。よくもここまで生き長らえてきたことか。
午後は眠る。胸の上で手を組めば。そんな我が身の鼓動でも愛しい。
ありがたき静かな時よ。決して忘れてはいけないことさえも。
つかのまの眠りについた・・・。
なんだか一日中走り回っていたようで。空を見上げる余裕もなく。 これが師走というものだろうか。無理矢理急がされている気がする。
お昼休み。水筒とお弁当を持っていつもの憩いの場所へ行く。 ビニールハウスと枯れすすきと。小川と名も知らぬ鳥が囀るその場所。 クルマの窓を開けて。たっぷりの陽射しを浴びる。卵焼きが美味しい。
少し本を読んでから。ともだちに電話する。 三線ちょっとだけ弾けるようになって。初めて人前で演奏出来たって。 ほのぼのと嬉しい報せ。ほんとに好きな事に出会えて良かったなあって思う。 人生もきっと奏でられる。今はほんの一曲でも。これが光でなくて何だろう。
今日は冬至らしくて。かぼちゃかぼちゃと買い物。 お惣菜売り場でかぼちゃのコロッケを見つけた。 揚げたばかりで手づかみで食べたいなって思う。これでビールとかええな。
帰宅すると。愛犬あんずがすごく甘えた声で鳴く。 「くい〜ん くい〜ん」なんだかいつもと違う声。 はっと気づく。そっか、コロッケの匂いが分かったんだね。
「おまえもかぼちゃしようね」なんて言いながらふたりで半分こ。 病気するな。元気でいろよ。長生きしような。
そうして暮れていくいちにち。今日も夕陽は落ちていった。 明日のために。明日光るために。落ちることが使命ならば落ちなければ。
わたしはほんのいちぶぶん。この空のした終える一日があることを。
ありがたくうけとめていよう。
明けない夜などありません。
だからぐっすり眠りましょう。
2004年12月19日(日) |
ここではないところで |
どんな日もあるのだけど。今日はずっとどんよりの曇り空。 すごく何かを待っているような気持ちに気づき。少し憂鬱。
降り注ぐ陽射し。それとも猫になれる陽だまりの空間。 不意に突然に大切なひとを失ってしまったような錯覚。
きぶんてんかんしなければ。ここではないところで。
満ち足りていること。ほんとうにもうじゅうぶんだと思うこと。 きっとたくさんあるのだろう。ありがたいとなんど涙したことか。
許されて暮している場所で。まだ追い求めることがあるのか。 どうしてこうも欲深く。わたしは生かされているのだろう・・。
きどうしゅうせいしなければ。ここではないところで。
そうさだれだって道に迷う。迷うからはたと立ち止まる。 そうして見つめる己の姿に。頷いてまた歩き出せばいい。
薄っすらと霧につつまれた夜。月はぼんやりと一切れの檸檬。 こんな夜には宇宙の果てから。未確認恋愛物体が飛んでくるらしい。
見つけてはいけないから目を閉じていよう。 見つかってはいけないからそっと隠れていよう。
嗚呼。それでも声を出してしまいそうになる。 息を殺す。いっそ死んでしまえ愚かな女よ。
なすすべもなく落ちゆく心の破片に触れてみるがいい。 どんなに痛かろうとしっかりと握り締めてみるがいい。
その血がすべて。その血が祈り。その血がいのち。
在るべきか在らざるべきか迷うならなおさら生きよう。 光れない輝けないまして抱きしめることもできなくても。
ワタシイガイアナタヲアイセルヒトハイナイ。
月から雫が落ちてきそうな夜。たとえほんのひとしずくであろうと。 いま見上げたひとみんなの手のひらに。その涙ほどの希望がひとつ。
この一週間。ただならぬ痛みに耐えていた。 右腕が自由にならず。上げようとすると激痛がしたりして。 とても情けない有り様で。年のせいかと思うとちょっと悲しかった。
日に日に痛くなり月曜に病院へ行ったところ。 レントゲン写真の肩の付け根に何やら怪しい黒いもやもやが見つかる。 自分の骨って。そんな時でも面白くて。ふむふむと真剣に眺めてしまう。
「腫瘍かもしれないから」ってお医者さまが言うので。 なぬ?って焦りながら。ついついまた可笑しくなった。 とことん悪くしてくれるじゃんとか思いながら。実はちょっと怖くなる。 そうか、そうか、ならば抉り取って貰おうじゃないかと開き直る気持ち。
水曜日におっきな病院へ行って。MRI検査つうのを初体験した。 それがやたらと緊張しまくり。なんなんだ!この衝撃音は!ずんどこ煩い。 生きているけど死んだみたいに。三途の川で殴られているみたいだった。 もう二度とごめんだ。あんな音なんか絶対に聞きたくない。
そして今朝。その結果を聞きに行く。悪いのなら好きにしてくれと思いながら。 自分の肩の骨をいっぱい見せてもらう。ひとコマずつ連続の愛着があるものだ。
「原因は年ですね」って決して言わないお医者さまは優しくてとても好き。 黒いもやもやは確かにあるけれど、自然に消えるでしょうと言われた。 「無理せず労わってあげなさい」って。単なる肩の疲労らしいのだ・・。
ほっとする。肩の力が抜けるってこんな時なのに違いない。 同時に気も抜ける。すごくいきり立っていたようなそれもお終いとなった。
それからがとても不思議。時間が経つにつれて痛みが薄れていった。 おそるおそる腕をあげてみたら。ちょっと不恰好だけどバンザイが出来た。
ささやかな戒めだったのかもしれない。誕生日を迎えたばかりだったし。 身の程を知りなさいと教えられたのかもしれない・・。
気持ちとカラダがとてもアンバランスなのだろう。 まだまだこれからだ!と思いながら。もうそろそろだよと教えられた。
出来ることを精一杯やりたい気持ち。でも出来ないことは素直に認めたい。 出来ててもしんどいんだよって気付きたい。その時は焦らずにいよう。
休めばまた。続けられるだろう。無理せずゆっくりしようじゃないか。
陽だまりであくびする猫になりたいなのこの頃。 むにゃむにゃにゃんと夢ひとつだけすやすやと。
まあるくなって想うこと。なんだかとても儚くて。 消えちゃいそうで消えなくて。だからきっと大切。
大切だから忘れない。大切だから抱きしめて生きる。
霧の朝。川辺で朝陽に会った。まっすぐにそこにいる。 その光が貫くように射して。きゅんとして感じる気配。
失ってはいないのだろう。たぶんその在りかの影にきみを。
きみがいて。この光をぜんぶあげられたらどんなにいいだろうと。 きみを貫いて。微かでいい。その背中がぼくの在りかならと願う。
儚き夢の向こう側に。今日も紅く紅く紅く落ちていったいちにち。
休み安まる日。音もなく微かに降る雨に濡れながら。 思い想うことは。とりとめもなく流れちゃったのかな?って感じ。
少しだけカラダが不調。まっ・・もう年だからしょうがない。 痛いところとかあるとへこたれそうになるけど。 心が痛むわけでもないから。弱音吐くまえに強気を呑みたい。
久しぶりにサチコと買い物に行った。 花屋さんでシクラメンを眺めたりして。 白いシクラメンって。紋白蝶みたいだけど。なんかせつないね・・って。 その白いのに紫のサイネリアをくっつけて籠に入れて紅いリボンとかして。 やるじゃんこれって。せつなさ倍増ではありませんかい。
店先で雨に濡れながら想った。『あのひと』とかいるのかもしれない。 でも。もう年だから・・あのひとも遠くなってしまうのね。はらはら。
でも散ることはしないシクラメン。どなたもむしり千切らぬように。
「はぁ・・サチコの肉体に宿りたい」そんなことを呟きながら。 「アホカ!おまえ!」とサチコに喝入れられてしもたら萎れてしまうじゃないか。
水や水や。水もって来いの気持ちで。傘もささずに歩く母の憐れさよ。
潤っている。恵みの雨の雫さえ空の涙かため息か。 母は枯れても種をまく。どれほど踏まれ荒らされようと。
この空がある限り。咲き続けてみせましょうぜ。
愛犬あんずにトナカイのグッズを被せてみたいなあと思うこの頃。 想像しただけで楽しくてたまらない。どうしようもなくふざけてみたい。
いつも買い物をするショッピングセンターに。 くまのプーさんが色違いで5個入ったやつがあって。 欲しいのだ。たまらなく欲しいのだ。
その欲しいという気持ちが嬉しくて。毎日手にとってにんまりしている。 ふと母さんに買ってあげようかなと思う。私に似てぬいぐるみ好きだし。 ほんわかとした笑顔を見たい。それだけできっと私は満たされると思う。
会社が大変なことになっている。母は専務で私は経理だけど・・ いつもいつも明日のことがわからなくて。とても不安だった。 でも最近はすごく開き直っているから。綱渡りが上手になったみたい。
落ちる時は落ちる。痛いけど死にはしない。それが合言葉。
母を慕いながらも怨み続けた日々を思う。 身勝手なひとだと思っていた。多感な少女時代に深い傷を負ったのだと。 そのせいで・・だからってずっと憎み続けていたのかもしれない。
過ぎたことを責める権利が。どうして私にあるものかと思う。 生き別れることを教えられ。そして再び添い遂げることを教えてくれたのは。 他ならず母。今の試練をともに乗り越えるためにあった『過去』なのだろう。
専務は時々母になる。 そのひと時が愛しくてたまらない。ほろりと涙がこぼれてしまう時。
タイムカードを押していると。「ありがとう・・」って言ってくれる。
その一言で救われる。毎日がこんなにありがたいのは。
私のほうなんだよって。伝えてあげたい気持ちでいっぱいになるのだ・・。
光あふれる朝のこと。「まぶしいねえ・・」と独り言。 だけど語りかけていた。名を呼んでしまえば涙もろくなってしまう。
たったひとつの太陽がそこにある。そしてきみの朝を想った。 肩を落としているのなら。どうかこの光を浴びて欲しいと願う。 まぶしいなあって空を見上げて欲しい。そして一瞬。きみも光になあれ。
たったひとつのものを感じる時。私は真新しくなる。 汚れていたかもしれない。だけど許してあげようと思う。
ちいさなパワーが湧いてくる。ならばそれを届けなければ。 空に放つように。何度だってきみの名を呼ぼう。
おなじ空の下で生きている。それはなんてありがたいことだろう。 見えないことを悲しむなかれ。遠い距離を嘆くことなかれ。
与えられた一日をとぼとぼと歩く。確かに感じるきみと一緒に。
「押してもだめなら引いてみな」とか。
最近ちょっと押しすぎたことがあり。 そのせいで墓穴掘っちゃったかもしれなくて。
なんでこうなるの?ってすごい悲しくて。 どんどん自信がなくなってしまった。
もし自分ならって考える。 押されて押され続けたらどうする?
逃げ出したくなるかも。おしくらまんじゅうする気ないし。 とにかくそっとしといてって言うかも。厚かましいって思うし。
ああいやだいやだ。そんないやなことをなんでしたんだろう。
や〜めた!って諦めるのはたやすい。 けど・・それじゃあ・・終っちゃう。
ふぅ。ちと疲れた。とにかく休みたい。
結局さ。押して何を得ようとしてたんだろうって思う。 またまた欲出して。そうさいつも欲張りだからいけないんだ。
にんげんってややこしいね。にんげんておろかだね。
『ひととして』なんてかっこつけてる場合かよ。 ひとだから四苦八苦してるんじゃないか。
まっ・・とりあえず休む。そうしないと前へ進めない。 それから引く。引きすぎてはるか遠ざかろうとかまやしない。
遠ければ遠いほど。ああ・・こんなカタチだったんだって。 そのちいさきものが愛しく思えるのかもしれないよ。
そして今度は押さない。ただてくてくと歩み寄る。 歩きながら泣いてもいい。近づけば微笑めばいい。
ひとって。大切なものを見失っちゃいけない。
だけど。そのすべてを手にしようとしちゃいけない。
動かないものは。いくら押しても動かないのか・・。
強い風。何もかも吹っ切れてしまいそうな風。
ひらりとひとつ。ちいさな不安が飛んで来て。
受け止めてしまったよ。ああどうすればいい?
これはきっと自分で蒔いた種。 そっか。芽が出てぐんぐん伸びて。 見知らぬところできみは咲いたのか?
そして枯れたんだ。ふわふわの綿帽子。 それがきみの最後の言葉だったんだね。
気付かずにいられない。知らんぷりなんて。 出来ないよ。だから見つけた。きみのこと。
ちいさな不安を抱きしめる。
どれだけなだめて。どれだけあたためて。
それがぼくに出来る精一杯の償いならば。
種はとても悲しかった。だって。 決してそんなつもりではなくて。 信じて念じて願って祈って伝えて。
待っていただけなんだよ。きみのこと。 だからもう泣かないでよお願いだから。
こんどはきっとぼくのそばで咲かせてあげるから。
2004年12月04日(土) |
生きてまた生まれた日 |
ぱらぱらぱらと小石をばら撒くように雨が。 激しくて。風が走りこむように急いでいる。
こんな夜はざわざわと落ち着かないものだけど。 私は切り抜かれた絵の一部のようにぴったりと。 おとなしくそこにいて。満ちている心のことや。
あれこれ浮かんでは消えるたわいないことなど。 ふわりふわりと弄びながら。頬杖をついている。 すうはあすうはあ息を感じ。溜息もつかないで。
身をまかせている。時が止ってしまったようだ。 ぐるぐるとまわるものが。何もなくなったようだ。 救われているのだろう。恵まれているのだろう。
きっと・・・そうに違いない。
今日はほんとうにありがたい一日だった。 またひとつ歳を重ねるということを。 こんなに嬉しく受け止めたことがあっただろうか。
生きてまた生まれたような今日という日。
最期の最後まで育ち続けてみせよう。
もう12月なんだな・・って思っていると。 ふと見つけた水仙の花や。山茶花の花があり。 「そうなんですよ」ってちゃんと知らせてもらったような。
巡るめぐる季節。生きて何度目の冬なのだろうか。 あの頃はどこにいて。どんな暮しをしていたのだろうか。
子供の頃って。すごくわくわくしていたっけ。 いつからだろう?そんな気持ちどんどん遠くなった。 すごく悲しかった朝のことを。ずっと忘れずに生きてきたよ。
でもね。それは決して『傷』なんかじゃなかったって。 いまは思える。それは私にとって大切な『期』だった。
期は季。冬がなければ春は来ないから。 あの日が冬でよかったんだなって思う。
もうすぐまたあの日が来る。あれからいっぱい頑張ったんだ。 えらかったなあ私。結構やるじゃん私。ほめてつかわずぞ。
12月が好き。流れ流れた日々のこと。すごく愛しく思うから。 そうしてそっとしまい込む。こころのポケットにちいさく丸めて。
そのちいさなまるいのがすべて。私の人生なんだなあって思う。
ひとつたりともなくしはしない。ひとつたりともすてはしない。
|