ちいさな幸せさがし日記
うららG'ma



 「トイレを貸してください!」

お昼過ぎのこと。

玄関のチャイムが鳴ったのだけど、
久しぶりにハーモニカの練習をしていたので、すぐには聞き取れなくて、
出るまでにちょっと間があいた。

チャイムに出ると、応答がない、どうしたんだろうと一瞬思ったが、
しばらくして、男の子の切羽詰まった声で「トイレを貸してください」と言ったのが聞こえた。

どうやら、出るのが遅かったので、隣家に行きかけたが、
声が聞こえたので、戻ってきたようだった。

私は、慌てて外に出ると、その子は必至に堪えている様子で、門扉の前に立っていたが、全然知らない子だった。

「早く、早く」と手招きをして、家に入れてあげて、トイレに連れて行き事なきをえた。

身長は私より高かった。「何年生?」と訊くと、6年生だと言っていた。

「ヤバかったんです。ありがとうございました。」と、丁寧に礼をいってくれた。
「トイレに行きたくなったら、何時でもおいで」と言ったら、「ハイ」と言ってにっこりして、、
爽やかな顔で帰っていった。

知らない家のチャイムを押してトイレを借りるのは、
とても勇気がいったことだろう。

でも、それが出来る、しっかりした子で良かった。

私もちょっと良いことが出来たと、嬉しかった。

これがもし、成人男性だったら・・・、家に上げることが出来ただろうか?












2014年03月05日(水)
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