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2020年04月05日(日) 欠陥品

以前から少し気づいていたことを。

0を1にするタイプの人と、1を10にするタイプの人がいるという。
無の状態から生み出す人と、そこにあるアイデアを広げる人。
元々後者だったと思う。表現したいという感情が溢れ、気がついたら前者になっていた。
「芸術に答えはない」というけど「俺が作りたい芸術」には答えはある。自分しか知らないことだけどね。
その答えに向かい生み出す行程は驚く程に心を傷つける。他の人はわからないけど、俺はそう。
その繰り返しで27歳くらいまでは心を病んでいた。だからこそ生み出せた作品もたくさんある。
前にもこのブログに書いたと思うけど、このままじゃダメだという強い焦りと目に見える変化が欲しくて右手に刺青を入れ、自分を変えようとした。
背伸びして面白い人・魅力的な人を演じ続けるとやっぱりつま先あたりから疲れてしまうんだけど、それ以上に他人から必要とされることが嬉しくて。中毒のような状態で走り続けてきた。
昔から早口だし、気分屋だし、喜怒哀楽も激しかった。そういったハードモードな中で戦ってきたから今では感情のコントロールはとても上手になったけど、何かがおかしいことに気づいた。
作詞作曲や映像を作る仕事をフリーランスで行なっている俺にとってフラッシュイメージはとても大事なこと。日本語だと「思いつき」ね。それがたくさん出るから俺は作曲で行き詰まったこともないしアイデアは常に溢れてくる。

その思いつきが悪い方向に向かうこともある。

閃いて、行動して、抱えきれなくなる。そのプレッシャーに追われる。そのストレスで心を壊してしまう。
遊びに行くにも今から行こうとか、欲しいものがあれば今買おうとか、そんな毎日。周りの人を困らせてしまう。
話している途中で次の話しや結末を想像して飽きてしまう。話題がどんどん変わってしまう。
散らかった部屋、突然片付けたくなる衝動、早めに起きて準備しているのに集合時間を守れない。

幸い仕事は早いし、技術も才能も多少は持ち合わせてる。
他人に嫌われたくないから対人時には自分を良く見せようと取り繕えるし、音楽に対するプライドがあるから抱えきれなくなった仕事もギリギリでこなす。

はっきりとADHDの症状であると言われた。本を読んでもネット記事を見てもまるで俺のことが書かれているみたいだから医者に行く必要なんかなかったわけだけど。
脳からの信号を抑制する薬が効くらしく、気持ちも楽になるそうなんだけど、それと同時に「フラッシュイメージ」が出にくくなるらしい。思いつきで行動させなくする薬なんだからそれはそうだよね。

え、じゃあいらんわその薬。

いろいろ不便だとも思うし、知らないところで嫌われたり変人だと思われてるのかもしれない。
でも別にいいかなあ。俺作ってる音楽かっこいいからなあ。それが犠牲になるようなことは何もしたくない。
心が壊れようと、不安に襲われようと、俺が作る音楽は魔法のように自分を違う場所へ連れてってくれる。
イケメンで万能型でなんでもできる人にはなれなかったけど、この欠陥品の自分に何も不満はない。

そんなわけで精神病です!イェーイ!フゥー!!!リスカするぞー!!!しないぞー!!!

※鬱病等を言い訳にするタイプの人間を心から嫌悪しています。お前の病気なんだからしっかり相手してやれよ。


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