春の歌
春は、毎年(まいとし)、やってきて、 急ぎ足で、去ってゆく しばし、のどかな春に、心和らぐ
一、迎春
遠い空よ 気持ちよさそうに ゆっくりと流れてゆく雲たちよ ひばりの歌が のどかに聞こえはしないか 香りのする 菜の花畑の上で ひばりがピーチク 歌ってはいないか 明るい日差しの中で 一人 いつもの道を いつものように歩く 草木(くさき)の枝葉が伸びて 小さな農道を いっそう狭くしている やさしい人のように なつかしい人のように また、春が来た
二、春の風景
春は川面(かわも)に美しく輝いて 樹木は新緑の色を増して 透明な光は いっぱいあふれ その中で おさげの少女は いちずに花の輪を作り そのきれいな造形物を 神に捧げる しずかな祈りと沈黙を捧げる 祝福あれと 春は川面(かわも)に、美しく輝いて 蝶は花にさまよい やさしい口づけをする
三、惜春
キラキラと 四月の空 さわやかな五月の風 いつのまにか 花の匂う季節になっていました 白く咲いた清楚な花 赤く咲いた情熱の花 いつのまにか あちこちに溢れていました 白い蝶 黒い蝶 蝶の群れは蜜を求めて 毎日 さまようのでした 五月の空 六月の風 春はこうして 穏やかに 過ぎてゆくのです
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