悩みは人生を充実させる/文集「人生の時」

2014年02月01日(土) カンタンな社会学(7) 人間観(個体主義)

一、人間の本質を、どう定義したら、良いでしょうか?
  私は、その解答を、生物学に求めます。
  生命体の本質は、生命現象の維持にあり、
  言い換えるなら、個体保存の法則にあります。
  哲学的に言えば、自己保存の法則ではないでしょうか。

二、自己保存の法則とは、個体としての独立性を意味し、
  そういう意味で、人間は独立自尊の存在なのでしょう。
  ここに、人間存在の孤独性が、あると思われます。
  現代人は、それに気付き始めました。
  それは、恋では癒されず、愛では埋め合わせる事ができない。
  人間の本質は、個体としての独立性にあって、
  すべての生物に、共通する、特質である。

三、自己保存の法則は、「集団化と孤立化」という、
  2つの方向に、転化します。
  一方では、生存上自己の利益となる者を、
  自己に吸収しようとし(集団化)、
  他方では、生存上不利益となるものを、
  自己から排除しようとします(孤立化)。
  「集団化と孤立化」は、外見上
  正反対で矛盾しているかのように見えますが、
  自己保存の法則の表裏なのです。

  人間は、(集団化)でも、(孤立化)でも、
  生きてゆけません。

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