あたま
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2009年07月12日(日) 感想とか

◆銃とチョコレート
 これは本当に驚いた本(シリーズ)。
 最初図書館で手渡された時、「児童本を借りたのか」と思い
 少し残念(すぐに読める割にはハードカバーで重いため)になったのだけれど
 なんだかやけに凝った装丁、巻頭の化粧紙、カラーイラストの芸の細かさ
 (後で夫に見せると、有名なアニメの人だと教えてくれた)に、
 「これ本当に児童向け?」と思いながら巻末を見ると、答えが。
 「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」をコンセプトにした
 「ミステリーランド」という、シリーズものらしい。
 
 一番没頭して読んだ本なんて、たいていは子どもの時に読んだ本だろうし、
 単に子ども向けではない皮肉の効きまくった作品を、
 そんな懐かしい時代のインタフェースで読むことができるなんて。

 気になっていろいろ調べてみたら、あの「神様ゲーム」も
 このシリーズらしい。一気に納得。
 
 ちなみに著者群は、ものすごい有名な人ばかり


◆暗黒童話
 乙一さんのホラーは「オテル モル」と似ているものを感じる。
 礼儀正しく奇妙に歪んだ人間が織り成す物語という所。

 「誰も信じることが出来ない」という中二病全開の域は越えている、が
 どことなく、その考えに固執していると分かる所が随所に見られる
  (どの作品でも)

 「動物園の鳥」などを書いている坂木さんに、
 青臭さは相通じるものがあるのだけれど、
 坂木さんは、迷いなく「人を信じることは素晴らしい」と書いている。
 そこまで吹っ切れていない感じが漂っていて、だからこそ
 あえて「人を信じること」をテーマに選ぶんだろうな。
 

◆ピンクバス
 出産を目前に控えた女性の心の揺れを描いた表題作、なんていう
 裏表紙の文句に完全にだまされた。
 完全にホラー。これホント怖い。角田さんの中で一番怖い。
 

◆宴のあと
 明日は東京選挙で、なんてタイムリーな読書なんだろう。
 「金閣寺」のように、
 人の動作、気持ちの動きを論理で描き切る芸が お腹一杯堪能できる作品。
 本当にすごい。それがくどくならないのは、
 ありきたりの考察で終わる所が一つもないからだと思う。
 この、論理で描き切る芸は、日野啓一郎さんの「決壊」と同じ匂いがして
 (この本は上巻がすべて人物描写で、
   ミステリだけれども 事件が起こるのは下巻に入ってからという代物) 
 なるほど、三島の再来、と騒がれる訳だと少し納得できた

◆夜の朝顔
 森さんの「永遠の出口」を読んだ後では残念としかいえない。
 小学生の頃の日常を、鮮やかに切り取った あの作品と比べるのは
 酷なのかもしれないけれど。
 「冬にしては珍しく凪いで、低い波間に陽のひかりが見え隠れする」
 なんて ぼんやりと思いながら、大人びた思考回路をする小4。
 大人が書く、「子供らしさ」の限界を感じた。
 
◆失はれる物語
 昔読んでた。表題作だけいい。

◆冬の蜃気楼
 作者はテレビドラマ監督で、それを自慢したいみたい。
 「婚前交渉」なんてありえなかった時代の恋愛模様を読んでみたい方はどうぞ

◆七つの黒い夢
 ラノベの作家が多い


CQ

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