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2010年11月19日(金)
あれは、いくつくらいのことだったのでしょうか。 まだ幼稚園か小学校1年生くらいだったように思います。 父が、メジャーを使って家のテーブルかタンスの長さを測っていました。 私は、そんな父の姿が楽しくて、そばでずっと見ていました。 すると、父はくるりと私のほうを向き、いきなり私にメジャーをあててきました。
「おーー。目の大きな子がいるなぁ。ちょっと測ってみようかな」
父はそういって、私の目をメジャーで測りました。
「目は大きいなぁ。どれ。鼻は? わぁ。鼻は小さいなぁ。ん? 耳も小さいなぁ」
父は楽しそうに私の顔のパーツの一つ一つを測っていきました。 次はどこを測ってもらえるのか楽しくて、笑いながらじっとしていました。 でも、父は小さいほうがいいのか、大きいほうがうれしいのか、どっちなんだろう……。父が喜んでくれるほうがいいな……と、幼いながらに、余計な心配もしていました。
「さぁ。口はどうかな……? うわぁぁ!!」
父が私の口を測ろうとしたとき、一文字に閉じていた口を「わっ」と大きく開いてみました。
「口は大きいなぁ! すごいなぁ」
父が大笑いしながら私の頭をなでました。 そっか。大きいほうがうれしいのか。
………。 …………。 ずっとずっと忘れていた思い出が、子どもを見ているとまざまざとよみがえってきます。 私の思い出の宝箱の鍵を、わが子が持って生まれてきてくれたんだな。 これからも、たくさんの宝箱をあけてみよう。 そして、たくさんの宝箱を作ってあげよう。
わが子の大きな瞳を見つめながら、そう思ったのでした。
おやすみ。
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