僕らが旅に出る理由
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2007年04月15日(日) 無辜なる

電車に乗っていて目に入るすべての人が、みんな自分より正しい人たちに見えることがある。
私はこれまで人生を少しずつ積み重ねて来たつもりだったけど、それは幻だったのかも知れない。

人間は、弱いもの勝ちだ。
弱ければすぐ犠牲者になれる。

強い人間が苦しむよりも、弱い人間が苦しむ姿の方が悲愴だ。
強い人間は傷ついた姿を見せたくないから平気な振りを装うが、弱い人間にとって傷ついた姿を見せる事は、武器だ。

そんな風に思いたくないし、自分が悪いことは受け止めるべきだ。
でも、そんな風に言いたくなってしまう。

自分のしたことを受け入れる受け入れないに関係なく、とにかく永遠に責め続けられることだけは間違いがないのだろうか。
受け入れずに責められれば腹を立てるだけで済むが、受け入れていればその痛みは、まっすぐに自分の痛みになるのに。


たぶん、そうなのだろう。
それが私の選択したことなのだ。きっと。


電車を降りるとき、通路においていた私の荷物をおばあさんが間違って蹴ってしまった。
おばあさんは何度も謝り、ホームに出てからも、
「中のものが壊れてなければいいけれど」
と、心配そうに言っていた。


いい人なんだろうなと思った。

私は、いつの間にかそんな風になれる機会をなくしてしまったのだろうか?


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