アータン三宅の何でも聴いてやろう
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2008年06月10日(火) |
リスペクトに温度差が? |
ブライアン・ウィルソンの『SMILE』完成披露コンサート(2004年)のステージに、
特別ゲストとして登場したヴァン・ダイク・パークスを、観客は全員総立ちで迎え、
拍手はしばらく鳴りやまなかった。
ヴァン・ダイク・パークスは作・編曲家としてアメリカのポピュラー音楽シーンでは
絶対的な評価を受けている人物であり、また作詞家としても異彩を放ち、
彼名義のソロアルバムやブライアン・ウィルソンとのコラボレーション・アルバムは、
後世に語り継がれるべき名盤の評価を得ている。
ブライアン・ウィルソンの恐るべき傑作ソロアルバム『SMILE』は、
ヴァン・ダイク・パークスがいなければこの世に存在すらしなかった。
そのことだけを取り上げても、彼の偉大さがよく分かる。
僕があらゆるジャンルの中から選んだ10枚のアルバムにも
彼のデビューアルバム『SONG CYCLE』が含まれている。
そのヴァン・ダイク・パークスが、2007年7月、猛暑の日比谷公会堂で行われた
細野晴臣生誕60周年記念トリビュート・コンサートのステージに立った。
しかも、どあたま! 一発目にいきなり、上記の写真のようなつなぎ姿で登場してきたのだから
驚きである。コンサートの最後の最後に特別ゲストとして現われたとしても驚きなのに。
ところが、観客の反応がいまいち鈍いのだ。
もちろん大きな拍手で迎えられてはいるのだが、スタンディング・オベーションが起こらない。
たった数分間のステージではあっても、ヴァン・ダイク・パークスの作り出す
魔法のような音楽は僕を魅了した。密度の濃い夢のような時間が過ぎ、
最後に丁寧なお辞儀をし舞台袖へと下がる時も、
やはりスタンディング・オベーションは起こらなかった。
う〜む、これは何なんだろう?細野さんの音楽を語る上での知識として、
ヴァン・ダイク・パークスの業績を頭では十分に理解していたとしても
そこに果たして特別な≪リスペクト≫があるのかどうかがいまひとつ判然としない。
僕などは、もう平伏してしまうほどの特別なオーラを彼に感じているのだが・・・。
日本とアメリカの音楽ファンの意識の差だとしたら、少し寂しい。
ヴァン・ダイク・パークスのステージも、コンサート後半の細野さんのステージも、
文句のつけようがないものであっただけに、残念でならない。
ただし、僕は実際のコンサートには行っておらず
映像が編集されたDVDを鑑賞しただけで、そう思っているのであるから。
事実と違っていたら、いつでも訂正するつもりだ。
最後にもうひとつ。
あるサイトで、どなたかも指摘していたが、
DVDの音声が映像とずれる箇所(映像が遅れる)がいくつかあった。
あれは何なんでしょ?
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