ソラリス日記
海月猫



 上陸作戦

タイムトンネルをくぐり抜けた

子供の時に見ていた大人の私は
違う次元の彼方へ移ってしまった
もしくはあの時代ごと粒子分解されて
たぶん宇宙の塵になった

ここにいるのははたしてだれ?

理想も憧れも見栄も飾りもすっかりなくなって
ただの私だけになった
そこは明るくも暗くもなくて暖かくも寒くもない
感じていることはすぐに実感だと認識でき、
まやかしに惑わされ見失うこともない
視線の位置だけが日々少しずつ変わる
微調整を繰り返しているように

ここからむかうのははたしてどこ?

それはめくるめく世界?
途切れない宇宙
光ばかりがちりばめられている
真っ暗な、真っ黒な、宇宙
その光のひとつぶひとつぶまではっきりと見つけられる
だからもう暗闇の中は怖くない

その深い青さはあの海の底に似ている
ひとりだから解る夜の近さに似ている
でも優しい膜で閉じ込められたようなその世界とはまるで違う
このままでどこまでもどこへでも行ける

2014年06月09日(月)
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