面接試験で頭いっぱいの彼。
もちろんクリスマスのことなんて、
眼中にない。
もともとイベント事には無関心だけど、
今回は特に、興味がないみたい。
「もう少しでクリスマスだねえ。早いねえ」
なんとなーく匂わしたところで、
相手になんかしてもらえない。
だって彼は、自分の将来に夢中だから。
そして昨日、デートの帰り道。
やっと彼の口からクリスマスの話題が。
そっか。そうだよね。
別に去年だって、特別何かしたってわけじゃないしね。
ちょっとおしゃれなレストランで、食事をしただけ。
プレゼント交換だって、結局はしなかった。
思えばあなたに貰ったもので、
なにひとつ形に残るものなんてない。
でもそれだけで、十分だった。
少なくとも、今までは。
「下手に気張ってどこかへでかけるより、
いつものあの店で、ご飯でも食べようよ」
あなたの言い分はもっともだ。
だけどこの虚しさは、何なんだろうね。
今のあなたにとって、
この先の私にとって、
私なんて居ても居なくても同じなんじゃない?
あなたの運転に揺られながら、
そんなことを思った、夜。
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