舌の色はピンク
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| 2021年11月13日(土) |
2周年記念ディナー、少女像 |
珍しく妻が8時に目を覚ました。 外で子どもたちが騒がしくしていた。 おそらくは我が家の木に何かを引っ掛けてしまって、 それを取ろうと道から画策しているらしい。 協力してやることは容易いのだが、 そうすると彼らの貴重な経験、思い出のジャマにもなる。 道端から人の家の木を なんらかの方法でつついて 目的を遂げようとする、 そのかげがえのない時間は尊重してやりたい。 で放って置いたら30分ほどで去っていった。 成功したんだろうか。
朝は休日トーストにワンタンスープ。 今日はディナーに焦点を当てている。 朝多めに食べて、昼をやや遅らせて、 あいまに一切間食をしないことでコンディションを整えるわけだ。
食後図書館がてらのスーパーの買い物から帰ると 妻が庭を掃除する手はずを整えていた。 1時間ほど一緒に掃除した。 主には枯れ葉の回収と草刈り。 妻がいろいろと買った土いじりの道具を紹介してもらいつつ、 その利便性を堪能したりした。
昼飯はチャーハン。 ネギ油をこしらえて、ニンニク、キャベツを炒めて、 冷凍イカも足して仕上げたチャーハン。 美味しすぎた。 中華だしを加えるまでもなくしっかい味強かった。 忘れてただけだけど。
食後、ゲームをしたがる妻を放っておき、 僕は西荻窪へと繰り出した。 八百屋で野菜を買ってからのち、TSUTAYAへ寄った。 リザとナントカと恋するキツネが200円で売っていた。 この映画はホントに大したことねー凡作というかほとんど凡作なんだけれど 劇中で歌われる曲がよくって 少なくともあと一回は観るだろうと思うと 同じ値段なら買っちゃえと思いきった。 パッケージなしの布ケースで場所も食わないし。 で、とらドラの続きを借りた。あとかぐや様を10冊。 1週間で見きれるのかしらん。 映画は諦めた。
帰ってきてからは ゲームしてる妻を眺めながらレシピ本呼んだり ごろごろしたり本を読んだり 調べ物したり掃除したりと こまごました生活を楽しんだ。
妻は今日裁縫に勤しむ予定だったが 午前中に届くはずだったアイロンおよびアイロン台が いっこうに届かないという。 もう15時近かったの調べさせてみると、 どうやら別の家に届いているようだった。 配達完了の写真を見るとおそらくは隣家のようで、 おそるおそる二軒隣の家の玄関先を伺ってみると、 たしかにこちらの荷物が置き配されていた。 なんの張り紙もなくまた住人の気配もないから、 サッと回収した。 配達は運送業者ではなくAmazonによるものらしい。 正確にはAmazonから手配された個人事業主となる。 だからAmazonに文句いうのは筋違いという… きわめて歪なシステムのひび割れを実感した。
できればモロッコ雑貨店を覗きたかったが 妻が本調子ではなかったから諦め、 18時半に家を出た。 荻窪へ向かう途中には児童相談所がある。 いずれはここの厄介になるのかもしれないと想いをはせつつ、 それはそれとして、 この施設入り口際にある少女像が問題だった。 10代前半と思しき少女が等身大でリアルに彫刻されている。 で出で立ちがいかにも少女という格好なのだが なんとミニスカートがめくれている。 それは風でフワッとたなびいた瞬間の切り取りで、 まぁ溌溂とした健康的な表現に見えなくもない。 おそらくは昭和の時代の産物であろうから 当時の感覚を鑑みれば自然ともいえる。 だがよりにもよって児童相談所だ。 子育てに関するあらゆる相談事には、 あらゆるケースの性被害も少なくないだろう。 少女像まではわかる。 ミニスカートでもいい。 しかし衣服がはだけて足を露出させているその像は、 これはもうイチャモンにあたるかどうかの土俵にも上がらない、 明らかなアウトだろう。 この像については 妻もかねがね反感に近い違和感があったらしい。 妻はスカートの方には目がいってなかったようだ。 ただ少女の体つきと、やけに艶っぽい顔つきが、 否応なしに性的な印象を与えているという指摘で、 やはり児童相談所にはふさわしくないと結論づけていた。 僕らはまだ第三者だが、 利用者から文句いってないんだろうか。 いってないとも思えないけれど。
予約時間に合わせ19時の数分前に到着。 イタリアンレストラン、ドラマティコ。 店舗が変わってからは初めての来店となる。 だから2階に通されて驚いた。 以前は1フロアだったので。 今日はディーナーコースに加え、アラカルトを2品頼んだ。 妻が妊婦?につきアルコールはなし。 代わりに注文したキノットという炭酸ジュースが やけに美味しかった。 柑橘の香りと説明にあるがベリー系な風味を感じる。 アミューズは小魚のフリット、パセリのソース。 レバーのなんとか。 アジとトマトのスープ。 スープが尋常ならざる美味しさだった。 アジは姿も味も嗅ぎ取れなかったけれど、 たしかに魚介ダシのスープではある。 それから、皿にひっそり添えられていたドライトマトが あんまり甘くてビックリした。 丁寧に干されて旨味が凝縮された自然な甘さ。 トマト嫌いの妻も驚いていた。
アラカルトでオーダーした、 イクラを添えた鮑とジャガイモのカクテル仕立ては絶品だった。 ジャガイモはピュレッピュレで、ムースのようにまろやか。 コンソメジュレは薄味でさりげない。 アワビの弾力を楽しんでいるところへ イクラのふつふつした感触が追いかけてきて弾ける。 これは一つの小宇宙。 できれば真似してみたい。 似たようなものはできるはずだ。
コースの前菜はボルチーニ茸と白子のフリット。 濃厚。 美味しかったけど重かった。 妻は、IKURAという恵比寿にあったイタリアンを引き合いに出して その濃厚さを懐かしんだ。
続けてアラカルト2品目の、フォアグラのソテー。 ジャンボマッシュルームが下敷きになっておった。 ひっさしぶりのフォアグラ。 これにはもう、お帰りという感想。 お帰りなさい。我が口へ。 フォアグラはシンプルであればあるほどいい。 へたに肉に合わせるより マッシュルームというのはちょうどよかった。 25年ものバルサミコソースも上品な甘味があって 感動的だった。
パスタの一皿目は…ええとあれは… キノコたっぷりのペペロンチーノみたいな… オイルがやたら美味しかった。 麺はアルデンテよりさらにほんのわずか固めで、 このパスタにはよく合っていた。
二皿目はこの季節のスペシャリテとのこと。 渋皮栗のラヴィオリ、マスカルポーネソース。 上に甘くないチョコレートが散らかしてある。 絶品だった。 栗の味がほとんど感じられず、 チョコレートが強すぎるとも思えたが、 それぞれは知っている味なのに 初めて味わう組み合わせの妙があって、 口に含むたび多幸感があった。
メインは仔鴨。ポーチドエッグが付け合わせ。 トリュフがこれでもかって盛られてて香りが芳醇。 見た目通りの美味しさ。 「思えば、こんなに多く鴨を食べたひと月はないね」 「たしかに」 「あるとしたら、初めてのウェスティンか」 「?」 「ああ、スカイラウンジのね」 「そっか、一日中食べてたもんね」 妻は鴨をやや残した。 食欲はあるものの噛むのに苦労したようで、 今はそういった食べ物が入らないのだという。
デザートは固形上じゃないプリンめいたソースに、 木苺のわらび餅やシャインマスカットやらが 浮かばせられていた一皿。 お茶受けにはクッキー。それにマシュマロ? コーヒーとともに堪能。 心地良い満腹感。
食中どこかで、 きみは店員さんへの応対が穏やかでいいよね、と 妻がしみじみ言ってくれて嬉しかった。 これまで食事の席を共してきた男性のなかには、 むやみに横柄、高圧的な手合がたびたびいて、 妻はそうした人間の態度を極端に嫌う。 「食事そのものばかりに気がいって 食事の時間が意識されてないんだろうね」 と指摘すると合点がいったようだった。 妻、ひいては女性の方は、 食事そのものと同じかそれ以上に、 食事の時間を大切にする。 だから 「誰と一緒に食べるか」が大事であるし、 「どのように食べたか」というシチュエーションや 雰囲気、出来事も食事の価値を加減させる変数となる。 だが一部の男性にとっては、これが意識されていない。 だから食事中に店員へクレームを入れることで 食事の時間が台無しになる、といった悲劇にまで 気が回らない。 回ったとしても「だってそれは俺のせいじゃないだろう」 という頭でいる。 僕はそのあたりを完全に意識化、言語化できるが、 妻ほどには、そういった連中を敵視もしない。 彼らが正しくないとは言いきれないから。 もてないだろうとなとは思うけど。
それから、先日配本で頂いた 人類学漫画の本について所見を述べた。 妻は大学における人文学研究者についての 前途について嘆き、 僕は研究者という立場肩書きが 門外漢にとっていかに空虚になっているかを述べた。
21時に食事を終えた。 会計は21000円。 アルコールなしとはいえ、かなり良心的な料金だ。 今回の料金は、 妻のご祖父母から頂戴した小遣いから支払われる。 正月に「お年玉」との名目で送られてきたのだ。 さすがにお年玉をもらう年齢でも立場でもないと 二人で笑ったのだが、 美味しいものでも食べてねというメッセージには 温かみがあった。 それから11ヶ月とっておいたわけで、 今日ようやく、結婚記念2周年という祝いに そのお金を遣えてよかったと思う。
21時半前に帰宅。 コース料理を食べに行ったのに、 徒歩圏内だから帰宅時間が遅くないというのは 不思議な感覚だった。 最低限の片付けだけして、 妻は心身を落ち着けたいということでゲームをした。 僕はバナナジュースを入れて その時間に付き合った。
かぐや様を一冊だけ読んで寝た。
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