舌の色はピンク
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曇り。 弁当はカレー。 カレー専用のスープジャーにて。 美味い美味すぎる。
夕飯はチンジャオロース。 最後の日々にはふさわしい。
くたくたにくたびれて帰ってきたが引っ越し準備も進めてるし 飯も作ったしで偉い。 最近僕がしゅくしゅくと家事したり雑事してると 妻が唐突に 「王族か!」 と意味不明のツッコミをいれてくるのを いやどっちかつうと奴隷だろ でも意味不明で面白いと笑っていたのだが 「偉いね」 という意味合いに変換できると気づき二人で笑った。 妻も意味なく言ってたらしい。
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『ラブレター』(後半)
さて、私の妻、愛人、運命の女たちに襲撃された貴女のお部屋はその後、私の恋人たちまでをも加えた一同の秘密の住処になったと聞いています。貴女がたは秘匿してきたつもりでしょうが、私だってこれでなかなか、ユニークな消息筋に通じているのです。その部屋には扉が一つもなく、ただいくつかの間仕切りと、あとはお粗末な寝台が二十も三十も並んでいる。貴女がたは疲れを癒したくなるとここへ訪れ、夢の中で見るような部屋の中で夢を見る。夜に来れば昼のような明るさの、昼に来れば夜のようなあやしさのその部屋で、どこまでも夢と現実の境を曖昧にして、憩いの拠点としているのでしょう。 ここで貴女がたは一種独特の、格別の間柄を築いているようです。全員が全員と均分に縁を結んでいるわけでもないが、それぞれ、それなりに親しい仲を達成しながら、気まぐれにその仲を転換し、移譲し、好意を転がして、昨日誰かに途中までした話の続きを、今日は他の誰かに聞かせる、そんな奇術によって幻想めいた平等を成就している…。というのは私の胡乱な絵空事に過ぎませんが、どうでしょうか、当たらずとも遠からず、貴女がたはあの部屋で、似たような秩序のもと、名前を失いのけていったのではありませんか。
ところで、なぜ襲撃計画の現場が…二年前恋人たちが集められた居場所が、他ならぬ貴女の部屋であったと私に知りうるのか。泥棒師の話を思い出してください。一度ある泥棒に入られた部屋は、この泥棒師の極意にかかれば、どんな泥棒であったか見抜かれてしまうのです。まさに、貴女の部屋は過去に一度、泥棒に入られましたね。かつて貴女が決して人目に触れぬようベッドの床板裏に隠していた双眼鏡を盗んだのは私です。三年か五年か、あるいは十年ほど前の出来事だったかもしれません。とにかく、それは私が長らく探し求めていた双眼鏡でした。以後私はこの双眼鏡を覗き込む度に、過去このレンズがいかなる景色を映していたか、しみじみ思い馳せました。しかし、持ち主にまでは気を払いませんでした。 あの日、二十五人が辿り着いた現場がその部屋であると気づいたときには、恥ずかしながら仰天しました。震え上がりました。ヒッと息を吸ったついでに喉そのものを呑み込んでしまいそうになるほど…。コレクションを揃えるために窃盗に近い真似を働いた経験は二度三度ありますが、空き巣に及んだのは一度限りです。どんな因果がこんがらがってあの部屋が現場となったものやら、得体の知れない運命の影法師にからくられたつもりで、すっかり錯乱しました。 錯乱しながらも観察は続けていました。この双眼鏡は世にも奇々怪々の代物、天下に誇る特級品です。見た目に派手なところはなく、装飾もところどころ僅かに凹凸が凝らしてある程度で、それが却って全体を安っぽく見せ、昆虫が天敵から身を守ろうとするように、うまく擬態を果たしていました。この双眼鏡の精妙はレンズに込められていました。レンズの周縁から中央に向けてうっすらと、色とりどりの模様が描かれています。この色合いの微妙な濃淡や、今にも消え入りそうな細線の些細なうねりと、それらのあることで初めて効果が発揮される程度に屈曲した平面が光度を幽かにまやかして、覗き込んだ人間の視覚を通じ裏道の働きかけをします。ある箇所からは微小のストレスを与え、ある箇所からは副交感神経を刺激し…といったいくつかの効能が編み込まれ、有り体に言ってしまえば、感情が倍加する、感度が激化する仕掛けとなっているのです。人によって、脳科学とも、認知神経学とも、催眠術とも、呪術ともとれる細工が施されているのです。この双眼鏡で絵画を見れば、えもいわれぬ弩級の感動がドッと押し寄せてきます。雨あがりの街を見れば、ネオンを透かして詩の十や二十が字ともなく音ともなく明滅します。試してはいませんが、これで生きもの最期など看取ろうものなら、ともに死んでしまうかかもしれません。 恐るべき女たちがはしゃいでいる一夜目をその双眼鏡で見ていた私は、あふれっぱなしの涙に溺れていました。彼女たちの騒ぐ姿は生命そのもので、常日頃から彼女たちの肉体に潜む美を抽出していたつもりの私でしたが、しかしこれほどまでの美しさにありついた覚えはなく、その魂の発散に酔いしれる思いでした。視界は初めて入る海のなかに等しく、人影だけは捉えたものの、輪郭の定まらない像がぼんやり浮かんで左右するばかりで、挙動まではうかがえませんでした。それだけ頼りない視界でも目を離す寸秒が惜しく、しかし像の結ばれた姿も見届けたいもどかしい気持ちとどうにか折り合って、ようやく目と目当ての間にハンカチを差し込み水分をぬぐってみると、ベッドの上に女たちが寝転んでいる情景が見えてきました。するとやにわに、そのうちの一人、泥棒師の女が、ベッドの裏、例の床板裏に手を伸ばしたのです。私は直感しました。彼女はこの部屋に立ち入ってすぐ、昔私が及んだ犯行に勘付いたのです。そして部屋中あちこちに埋め込まれた声をヒアリングして、いともたやすく盗まれた物品のあった座標を見出した…。 もしかすると彼女は犯人が誰かまで特定しえたのかもしれません。しかしあの日から今日にいたるまで、私は摘発されず、詳細は省きますが、私を前にした彼女の細やかな仕草一つとっても、従来と変わるところはまるでありませんでした。彼女こそ貴女なのかもしれないと勘ぐってみたりもしましたが、それこそ下衆な勘ぐりというやつで、私が彼女に摘発されない以上、私にも一定の節度が課せられているのです。 節度を保った範疇で不思議がってはいます。あの部屋が襲撃の現場に偶然選ばれたとは到底思えません。私は三十二人のうちの誰かがあの部屋の住人であったとにらんでします。何も犯人捜しをしようというのではないのです。節度を抜きにしても、そんな、探偵小説の真似事をするつもりはありません。あんなものは、いうなれば個人情報のコラージュだ。容疑者の時点では容疑者と見なされた全員が犯人の霊性を潜在させているのです。容疑者さえ絞れないとしたなら全人類が犯人かもしれない対象となる。誰しもが犯人である可能性を秘めている。それは可能性を閉じない、拓けた未来です。過去そのものである個人の情報を収穫して、誰かが何者にもなりうる可能性を絶やしてしまうなど、まさしく冒とくではありませんか。 価値を認めるから個人の情報は際限なく細分化され加増していく。価値がないのなら、個人の情報は取り沙汰されるはずもありません。当たり前のことです。今や尋常の私は、尋常の考えを好むのです。 果たして恋は情報でしょうか。私は貴女個人に恋しているのか。貴女の情報に恋しているのか。もし宇宙が空っぽならば、座標など打ちようもありません。惑星がある、衛星がある。星たちは自分の名前を知らないが、各々を相互に観測して、互いのリレーションだけを大事に大事にしている。
たしかに、私には双眼鏡の持ち主であった人物の声が聞こえるのです。 前の持ち主は私をはるかに凌ぐ泣き虫だ。双眼鏡を身に構えればいつも感激に打ち震え、構えの維持もままならず膝上に落としたりもしている。これは右手だけで支える横着に親しんでいたためで、左手はといえば、なにか油分の多い…ジャンクフードかなにかをつまんでいる。菓子なりつまみなりを平らげながらむせび泣く外法の愛嬌! 「いいえ、たしかに菓子を食べてはいましたが、しかしそれは、はじめから感激しようと意気込んで双眼鏡を構えるわけではなく、その時間が日常のひと時とともにあったからで、これはこれで、自分なりに誠実な運用をしていた証なのです」そんな声も聞こえてきます。そのくせ手入れは欠かしがちなものだから、涙が乾燥しきったあとの塩分が結晶化されたままになったりしている。涙の結晶は、当事者からどんな契機から流された涙かで形状が変異するとは、よく知られた話です。私はまた別の特殊な双眼鏡を駆使して、当該結晶を観察しました。一見すると不規則なパターン模様でしかありませんが、ある一点をまじまじ注視し続けてみると、無数の粒模様に輪郭と光が浮かびだし、まるで涙が敷き詰められているように感じられるのでした。 涙のなかに生まれる涙。その小宇宙の創造主が、私を取り巻く女たちの誰かである事実が、私には嬉しかった。歓喜にあふれました。 あの瞬間、私は恋を知りました。
余人であれば、すでに実っているともえいるこの恋は、持て余されもするでしょう。私は貴女と恋仲でありながら、それでいてなお、秘中の恋に焦がれているのです。ところが尋常化した私はそう難しく考えはしない。貴女が三十二人のうちの誰か知れない限りは、三十二人の誰もが貴女であるのです。この仕組みを完成させるために私は貴女へラブレターを書くことにしました。今から二年前のことです。この二年前とはいつのことでしょうか。決意から二年経ったのち今ひと息でこの手紙を書きあげているのか、それとも、私が恋を知った直後から書き始め、二年かけて今その文を書き終わろうとしているのか。なにしろ、読んでいる貴女からすればこの手紙の時間は静止しているけれども、書いている私からすれば時間は刻々過ぎているのです。すなわち、手紙は時空を超えるものです。ラブレターは恋の手紙ですから、この恋も時空を超越してくれることでしょう。 ひとつ種明かしをします。この手紙は少しずつ書きあげました。この二年間恐るべき女たちと過ごしてきた何百回という場面のさなかで、彼女たちいずれかのすぐ横で書いてきました。こうしている今もです。読まれない工夫はしてきたつもりですが、誰かには読まれていたかもしれません。誰かが誰かはわかりません。わからない限り、全員に読まれたようなものです。 だからこの手紙に宛名はありません。 宛名なくしては手紙は手紙たりえませんが、送り届けるくらいのことはできます。 今度は屋上からでなく、私も橋の下から川を渡り、溌らつと駆け抜けて、あの部屋に向かうとします。 この愛おしい季節におあつらえの冷たい小雨に濡れて、走っていきます。
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しかしまあなんだな、 何千タイトルもの少女漫画を読んできて、 二十年間エロゲをプレイし続けてきて、 それで書きあがったハーレムものがこれか。
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