舌の色はピンク
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僕が漫画など読むためにしつらえた小部屋にはお飾りの机があって、 お飾りらしく机としては全く機能していない。 なもんだから同じく機能していない雑貨のたぐいが散らばったりしてる。
それらは僕の知覚から離れて自立している。 ふと全く覚えのないブリキ缶の蓋付き灰皿をみとめ、 手に取ってみたらやけに重い。 何かがぎっしり詰まっている…。
何かが。
あんまり考えたくない。 考えたくないが自明的に、なまものの重みを感じる。 いやそんなわきゃあない。 どうして僕が自ら、灰皿に詰めるというのだ、その、 あまり考えたくない何かを。 サイコ野郎か。 それも無意識にって。 いずれ下世話なコンビニ本の題材になったりするのか。
なけなしの勇気振り絞って開けてみると 中身は用済みの電池たちでした。 あーホッとした。 安堵のあまり泣きそうに。 電池と知った瞬間にも小さくヒッ!って言ったもんな。
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どうあれ閉ざされた蓋が怖いのだ。 という私論があるのです。 蓋がされていればすなわち恐怖もやってくる。 実家にいたころ ただいまと帰宅して誰も家にいなかった日には 浴槽の風呂ふた開けるたび アー絶対家族のバラバラ死体入ってるわ… と震えてた。必ず。
実際の中身がなんであれ、 知覚をあしらって未知が浮上するなら、 想像力は限りなく湧きたつ。 じゃあ蓋の裏側には何がある? 恐怖の本質だと思う。
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