舌の色はピンク
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しゃっくりほど間抜けな生理現象はない。 あくびもげっぷも、くしゃみも放屁も一瞬のできごと。 またそれらは発動を意思のちからでずらせないこともない。 しゃっくりは長遠にして不動。 脳信号の支配から逃れ法の外で舞い踊る独り狂言。 ほんと間抜けだ。
例えば一人の白人と一人の黒人が立ち会う。 片一方が思想的に喧嘩吹っかければもう剣呑だ。 もはや抜き差しならない。力任せに襟ぐりも掴むだろう。 そうしていざ殴りかかろうとした瞬間しゃっくりが出たらどうだ。 それも双方に。 笑っちゃうだろう。 到底闘いの意欲など保てようはずもない。 「おれたちゃ おんなじ 人間だ」 みたいなわけのわからない歌をうたいだして 肩組んで酒場にでも繰り出してしまうだろう。 酒飲みながらまたしゃっくりして吹き出してしまい 店中大笑いに包まれるのはまた別のお話。
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しゃっくりは止めかたの情報が錯乱していたり なぜ起きるのかがよくわからなかったりするところに みりょくがある。
なぜ起きるのかが完全に解明されたなら 神秘性が失われて幾分がっかりはするが、 完全に解明されたなら、任意の人間を任意のタイミングで しゃっくりにさせてしまうことすら可能だろう。 無論いたずらには許されない。 上の例のように平和を呼べるならそう扱うべきだ。 平和に反するならしゃっくりを招こうなぞと思わぬことだ。 いったい誰がそんなしゃっくりを止めようというのか。 しゃっくりしゃっくり。 僕は怒っているのだ。
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