舌の色はピンク
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「松山さん、ちょっと今いいですか?」 「はい?」 「連休中北海道に行ってきたんですけど、 6Fにお土産置いてあるので、よかったら後でどうぞ!」 「あぁ、じゃあ後でいただきますね」
とゆー経緯で後輩からお土産どうぞを促され いざ休憩中6Fに赴いてみると そこにはチョコレートなお菓子が。 しまった、さっきあんな掛け合いを演じてしまった以上 今更チョコ嫌いだからって受け取らぬわけにはいかないぞ…… しかもこのお土産を目視している僕を どうやら後方から彼は遠目に観察しているぞ…… ………… 「じゃあ、一つもらいますね」 「えぇ、どうぞどうぞ!」
はたして自分の席に持ち帰ってからが悩みどころだった。 ひとしきり考えあぐねいたのち先輩に事情を話し、献上。 これで問題の菓子は始末できた。 「あとは、感想というか、お礼ってあるじゃないですか、 明日彼に会ったときにでもオイシカッタアリガトウの一言くらい、 本来なら述べたいところなんですけど……うーん……」 「言っちゃえばいいじゃん!」 「僕食べてないですもん……うそつけないですよ」 「そのくらいの優しい嘘も必要だよ」 「いや、どうにかエレガントな解決策を導けないものか……。 菓子一つ貰っても爽やかなお礼返せる小粋な先輩を演出したいじゃないですか。 かつ、この状況で嘘を交えず……菓子の味に触れ……チョコ嫌いも白状せず…… それでいて『じゃあもう一個どうぞ!』とか言わさず…… 誰も傷つかない…… あわよくば次回のお土産には僕の好みの食品を買ってきてもらえるような、 そんな誘導すら図れる絶妙な言い回し…作戦…兵法…があるはず……」 「ていうかこれしきのことでそこまで考えてる時点で 軽い嘘つくよりよっぽど不誠実な人だよね」 「!!」
見え透いた見栄があばかれた瞬間。
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