舌の色はピンク
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2008年02月03日(日) ハヴェルカいつものメランジェを飲み干せるなら

こじんまりした穴場のフレンチレストランで隣り合った席の
男(40代後半)と女(20代後半)の会話に耳を傾けてたら
激しくブルーんなった。
どうやら男は美食家らしく、かつ知識人ぶって
女をエスコートしている……のだけど
完全に女の方が料理に詳しく、
話が膨らむにつれ世界各国の諸事情について語るにしても
男の経験値が女に及んでなさすぎてつらかった。

あまりにつらかったので
重荷の負担を軽減させるべく
思い出せる限り会話をここに残してしまう。

男「ボク今度ねぇ、パリに行くんだよ。パリは久しぶりだなぁ」
女「ホントですかぁ〜 いいなぁ〜 どのくらい行くんですか?」
男「いや、そんなに長くいるわけじゃないんだけどねアハハハ」
女「私パリには半年住んでただけでしたけど、大好きなんですよ。
 とくに絵を見たときなんかに歴史を感じます。
 美術館に飾られたパリの風景画なんか見るじゃないですか、
 それで美術館から出るとそこには同じ風景があって。
 けど私まだまだパリの魅力なんて追求しきれてないなぁ。
 ……今回はどんなご予定なんですか?」
男「……。あぁ、ツアー……なんだけどね」
女「あ、そうなんですかぁ」
男「はっはは…。10日間……なんだよね。
 のんびりワインでも飲みたいなと思ってるよ」
女「へえー。いいですねえ」
男「あ、リヨン、って知ってる?」
女「はい」
男「あそこに行きたいんだよねえ、
 そうしたら骨董品でも見つけてくるかな。
 ボクはなかなか目は利くんだよ」
店のソムリエール「リヨンには無いですよ、そんなお店」
女「……」
男「…いや、ないからこそある、みたいなところもね」
女「……。そういえばワイン以外も飲まれるんですよね?」
男「お酒ならなんでも(笑)」
女「フランスだったらペリノ、クセになっちゃいません?」
男「……ペリノ?」
女「あ…。リキュールです、水と混ぜると白濁するんですよ。
 はじめは美味しくないんですけど飲み続けるとやめられないですね」
男「へー……。ねぇ、ペリノってわかる?」
ソムリエール「はい」
男「さすがだねぇ、アッハハハさすがだねぇ」

他にも男が自ら切り出した話題に対し
そのいずれにも女が自分の経験や知識から話を屈託なく上乗せしていきながら、
なのにだのに表面上は「男が女に広い世界の話を聞かせてる」構図が守られていて
どうにも不思議な空間ができあがってた。やるせない。


れどれ |MAIL