舌の色はピンク
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「俺は美術館に行かねばならない」
と、朝起きた瞬間に思った。 天啓めいていた。 さいわい今日は休日だった。
とりあえず白金台が近いので プラチナ通り先にある松岡美術館に赴いて フランス印象派の絵画を見てまわった。
自分の芸術への審美眼が足りてないのか 作品を鑑賞しているうちに不愉快になってきた。 絵を見れば見るほど鼻持ちならないやつが多い。 カミーユピサロとかいう印象派の第一人者らしい男が とくに癇に障った。 美に媚びてて、生命力を過剰に押し出してる情感ですか。 魂胆ミエミエというか、 意図があからさますぎて 浅ましさだけが際立ち全く正視に耐えない。
印象派といえば、 パリ万博にて浮世絵が展示された流れで ジャポニスムに強い影響を受けている、 程度の一般常識はあったけれど、 後で調べてみるにその潮流を継ぐスタイルは どうやらポスト印象派、新印象派と 別に区分けされているらしい。ゴッホとか。 浮世絵好きなだけに期待があったものの 少なくとも元始印象派は好みじゃなかった。 でもモネがなかったな。モネは好ける気がする。なんとなく。 あ、あとエドワードなんとかポインターて人の風俗画がよかった。 繊細な迫力で。
彫刻も見た。 ギリシャ彫刻にせよ中国彫刻にせよ、 身体、すなわち彫刻体の7割を覆っている衣の 立体感と存在感の描写が偏執狂の域に達していて どれも行き詰まってるしウンザリだった。 ただ、絵画と比べて 「現実にある」ていう当たり前のことを 実感してしまったときゾクッ…とした。 照明が落とす影が面白い。
ヘンリームアとかゆう人の作品が僕にはアウトだった。 斬新な立体表現と、滑らかな曲線美、 彫刻ならではの潤いある光沢感が しっかり鑑賞者の目を奪わせるのに、 なにしろ作品に込められた主題がしょーもない。 タイトルから主題が伺えた瞬間に興醒めする。 こう、ちょっと思いついちゃった発想だけで 一生やっていこうと貫いた彼の芸術観? みたいなものを勝手に頭のなかで仮想してしまい 受け付けられなかった。
というわけで僕に美術館鑑賞は向いてないのかもしれない。 が、こうしていろいろ考えるのは楽しいと思った。 鑑賞者が観て得るものあれば立派な芸術ですよな。 また行くかな。
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