舌の色はピンク
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ひる
海を隔てた欧米生まれとおぼしき異人さんが 並木道にて2人座り込んでおり 犬と戯れていた様相がたいそう見ものだった。
犬は3匹いて、そのうち2匹は一本の綱で 互いの首を繋がれているからまだ束縛性がある、が、 異人さんは綱で彼らを制するつもりは毛頭ないようで 己の自由を満喫し周囲にキャンキャン吠えまくる犬を こわもてで睨みつけながら 「スイマセン、スイマセン」 と人々に謝っていた。 何回も繰り返していた。
いや、綱握ってよ……。 1匹だけ完全に解き放たれてるのも意味不明さを補っていたし 混じり気ないプロだった。
ゆうがた
小雨以上本降り以下 程度の雨が降り始めて 30分、ほどしたときに事件は起こった。 道行く女が確かに言ったのだ。野外を歩きながらだ……!
「あ……。雨降ってきたね」
!と思った。 してやられた。完全に油断していた。 鳥肌と寒気に見舞われ体は金縛りのごとく活動を停止し 冷たい汗が頬をつたって呼吸が止まった。
この夏をして「さいきん暑いね。暖冬だね」とか言いかねないレベルだ。 こんな強物が野心ももたずに巷にひそんでいるとは…… 畏れ敬った。 日本もまだまだ捨てたものではない。
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