Skipper Johnの航海日誌

2007年09月19日(水) 賞味期限は意外にあいまい_消費者の認識とズレ

(日本)賞味期限は意外にあいまい_消費者の認識とズレ

賞味期限や消費期限を決める責任はその食品を一番よく知っているメーカーにある。メーカーは微生物・理化学・官能の3試験を行いこれ以上はダメとわかったらそのときまでを「可食期間」とし、そこに1.0未満の「安全係数」を書けた日数が賞味期限となる。
流通業界からの要請、リスク管理や消費者心理などを勘案して、メーカーは一定の範囲内で賞味期限を調整することが許されているともいえる。だが、消費者はもっと厳密に期限が決まっていると考えていて、認識のギャップは大きい。
(9月13日付け 日本経済新聞)

戦略ポイント: 安全だと思い込む気持ちが油断を招くか

「こどもアサヒ」のサイト(http://www.asagaku.com/news_kotoba/news24.html)によれば、
「賞味期限」:食品の包装などをあけずに、指定の保存方法でとっておいたとき、十分おいしく安全に食べることができる期限。牛乳、卵、冷凍食品などに法律で表示が義務づけられています。ゆとりをもって設定され、期限をすぎたらすぐに食べられなくなるわけではありません。
「消費期限」:期限をすぎると急に品質が落ち、食中毒などのおそれがあるもの。お肉、おかず、調理パンなどにつけられます。
ということです。なるほど、期限も二つの種類があるのですね。

同じ記事によれば、賞味期限は通常、お菓子なら数ヶ月、冷凍食品なら一年くらい。消費期限はせいぜい5日間だそうです。賞味期限は当然企業の裁量によって変わりえるわけですね。また、流通業者からは賞味期限の残りが長いものを求められるが、長いほどメーカーは品質保証しなければならずコスト増にもつながるのだそうです。

また、賞味期限が不自然だったり異様に長かったりすると買わないお客も多いそうで、保存料などを大量に入れているのではと心配になるのが理由だそうです。つまり、賞味期限が短すぎれば廃棄しなければならず、賞味期限が長すぎれば保証コストが上がって消費者から敬遠されるという悩ましい状況なのですね。

その食品のことを一番よく知っているメーカーが自らの責任において賞味期限を決定するのは当然のことだと思われます。国もガイドラインを示しているようです。問題は、消費者が「賞味期限はメーカーがしっかり試験して決めた信頼できる期限である」と思い込み過ぎている点です。

ここ上海でも、日本食品の賞味期限が近づいてきたものを特売として売り出していることがあります。私たち消費者もそういう賞味期限は注意して買うようにしていますが、妄信的にメーカーの賞味期限の安全性を信じている部分もあります。先日も札幌の有名菓子メーカーの賞味期限改ざんの話題がありましたが、メーカーにはしっかりとした賞味期限計算の情報開示を、消費者は賞味期限が絶対のものではないことを頭に入れて購入する週間をつける必要がありそうです。

さて、中国で賞味期限がどのように定められるかを調べてみたのですが、まだうまく見つけられていないので、見つけたら後日報告します。


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Skipper John