ぺニンスラフリーメソジスト教会 牧師メッセージ

2008年05月18日(日) 聖日礼拝

「主があなたがたのために戦われるから、あなたがたは黙していなさい」 出14:14


メッセージ題 「黙していなさい」 

 イスラエルの民はモーセに率いられ、エジプトを脱出しました。そして神様は、昼は雲の柱、夜は火の柱となって彼らを見守り、臨在を示してくださいました。
 一行は紅海に着き、ひと段落しました。しかし何とファラオを先頭としたエジプト軍が追いかけてくるではありませんか。イスラエルの民はすっかり意気消沈して、「モーセよ、エジプトに墓がないからお前は我々を荒野に連れ出したのか」と怒りをあらわにするのでした。
 つい今しがた、神様への感謝の儀式をささげたイスラエルの民であったはずです。しかし人間とは、そういうものなのでしょう。確かに私の人生を振り返ってみても、感謝の言葉よりも不平不満が多いような気がします。
 ところがモーセは、「神が戦われるのだ、黙っていなさい」と言い、紅海に手を差し伸べました。そうすると水が別れ、海底は陸地となり、イスラエルの民はそこを渡って逃げていくことができたのでした。有名な「十戒」の映画の印象的なシーンですね。そしてエジプト軍は後を追っていくのですが、そのときには水が戻って来て、エジプト軍とファラオは海にのまれてしまいました。エジプトで発見されたファラオのミイラの中に、塩分が多く含まれたものがあったそうです。それはこのファラオだろうと言われています。
 私の娘が小さかった頃、私は学校へ送っていっても心配で、教室まで一緒に行ったものです。娘が少し大きくなりますと、それを迷惑がるようになり、「もういいよ、あっちに行っててよ」と生意気なことを言うようになりました。それでも心配なものですから、物陰にかくれながら娘の様子を見ていたものです。
 それは娘が幼く、弱く、未熟だから心配なのです。しかし神様は、全能なるお方です。任せておいて、心配はいりません。もちろん、だからといって私たちが何もしなくて良いということではありません。自分の足で紅海を渡り、約束の地を目指していく努力と選択が必要です。その上で、最終的な信頼といいますか、人生の土台を神様に置いていくならば、その人の生涯は豊かなもの、確かなものとされるでしょう。

ペニンスラ フリーメソジスト教会
牧師 榊原 宣行



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