ぺニンスラフリーメソジスト教会 牧師メッセージ

2007年03月11日(日) 『小さな忠実、大きな恵み』

「小事に忠実な人は、大事にも忠実である。そして、小事に不忠実な人は大事にも不忠実である。」 ルカ16:10

今日の聖句は、一般的な教訓としても意味があるように思えますが、それだけではありません。「小事」とは、この地上の生き方のことです。そして「大事」とは、永遠の御国を指しています。つまり、この地上の歩みが、天国へと続いているのだということです。
16章には、ラザロと金持ちについての譬え話が語られています。貧しいラザロは生前は報われない日々を過ごしていますし、金持ちは幸せを手にしているかのように思えます。しかしある日、二人とも亡くなります。そしてラザロは天国へ、逆に金持ちは滅びへとくだってしまうというのです。
 これは、名声や富を得ることを戒めた宗教的な訓示ではありません。宗教とは、ストイックな生活を強制するものと理解されがちですが、聖書はそんなことは言っていません。この地上でどのような生き方をするのか、そしてそれが天国の恵みへとつながっていくのだということを教えています。もちろん、節制ある生活を望んですることは自らのためになりますので、それは否定しません。でもそういうことではなく、聖書は、神様を第一として地上を生きる者に開かれる恵みについて語っているのです。この金持ちは、その与えられた豊かさを自らのためだけに使いました。しかし、神を中心として生き、他者に手を差し伸べてこそ、その豊かさには意味があるということです。
 最近、日本で「Power for Living」という本が話題になっています。これはアメリカの「アーサーS.デモス財団」という保険会社が無料配布しているもので、多くの人が福音に触れて欲しいと願った故アーサー・デモス氏の意志を受け継いで行われたものです。この本の宣伝が新聞やテレビで大々的に行われたそうですから、私もこれが大きな福音の前進になるようにと願わされたことでした。
 人間は、豊かさを目指し、向上心をもって生きることは大切です。でも、それが何に土台を置いているのかが重要です。神様を中心として生きる忠実な歩みは、やがて与えられる大きな天国という恵みへのカギとなっています。

ペニンスラ・フリーメソジスト教会 日語部牧師
榊原 宣行


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