| 2007年02月11日(日) |
『あなたも行って同じようにしなさい』 |
「『心をつくし、精神をつくし、力をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ』。また、『自分を愛するように、あなたの隣り人を愛せよ』」 ルカ10:27
聖書は、神様を愛することを教えています。それと同時に、自分を愛し、他者を愛することを教えています。つまり、神様を愛するなら、自分を本当に愛することが出来るようになり、そしてその愛によって他者を愛することが出来るようになると教えているのです。
これは、イエス様を試そうとしてきた宗教者との会話の中の聖句です。そしてイエス様は、一つのたとえ話をなさいました。行き倒れの旅人がおり、そこへ宗教者たちが通りかかりますが、彼らは旅人を助けようとせず、行ってしまいます。ところが次に通ったサマリヤ人はこの旅人を助け、介抱し、宿を用意し、全快するまで面倒を見ようというのです。宗教者とは、神に仕える役目を負っていますから、本来まっさきにこの旅人を助けるべき存在です。でもよく考えてみると、当時の山道などは夜盗や野獣がうごめく恐ろしい場所です。そこで他人を見殺しにしたとしても、誰も責めることなど出来ません。そんな状況なのですが、それでもサマリヤ人は旅人を助けました。更に驚くべきことは、サマリヤ人とユダヤ人は犬猿の仲・・・というよりは、旧約聖書を読めばわかる通り、サマリヤ人はユダヤ人から忌み嫌われていた人種だったのです。その人が危険をかえりみずユダヤ人の旅人を助けたのですから、その愛たるや驚くほど大きなものでした。
ここで私は、「イエス様がおっしゃりたいことは、自分を無にして他者を愛せよということではないだろう」、と思うのです。なぜなら、自分を愛してこそ、本当の意味で他者を愛せるようになると思うからです。もちろんそれは、自己中心的な自己愛のことではありません。自分を守ろうとする人は多いのですが、本当の意味で自分を愛してあげたら、きっと他者をも愛する気持ちが湧き上がってくるのだろうと思うのです。あなたは神様から愛されています。その愛の中で、自分を愛してください。そうすればやがて、他者との和解、愛し合う関係を築いていくことが始まるでしょう。
ペニンスラ・フリーメソジスト教会 日語部牧師 榊原 宣行
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