ぺニンスラフリーメソジスト教会 牧師メッセージ

2007年01月07日(日) 『歌いつつ歩まん』

「イエスはますます知恵が進み、背たけも大きくなり、神と人とに愛された。」 ルカ2:52

2006年のクリスマスには、イエス様のご降誕の記事からメッセージをいたしました。そして2007年は、イエス様のその後の生涯について触れていきたいと思いますし、この度はルカによる福音書によってそれをしていこうと考えています。

今日の聖書箇所は、イエス様が公生涯(こうしょうがい)に入る前の貴重な記事です。公生涯とは、福音書の大半を占めているイエス様の公の活動のことで、30歳から33歳までの約3年間を指しています。これはそれよりも前の12歳の時のことで、聖書にその時期のことはなんとこれしか書いてありません。しかも、お父さんヨセフはこの記事を最後に登場しなくなります(早死にしたと考えられています)。その少年期、イエス様はどのような生活を送っていたのでしょうか? 細かいことを聖書から知ることは出来ませんが、確かに言えることがあります。それは、知恵に満ち、神様と人々から愛されていていたということです。

知恵とは、単なる賢さではありません。『箴言』などもテーマにしている通り、それは神様を第一にするということ、聖書の教えに従って生きるということを指しています。そのような人は、神様を愛し、神様から愛される人です。そしてその愛の中に生きる時、本当の意味で人を愛し、人に愛される生き方が可能になるのです。

日本を離れて長くなると、今年の干支などピンと来なくなってしまいますが、今年はイノシシの年だそうですね。イノシシと言えば、山里を襲うという事件が相次いでいるそうです。何で今更イノシシが山里を襲うかというと、原因はやはり人間側にあるようです。人間はかつて、畜産の目的で、イノシシと豚を掛け合わせ、イノブタを作りました。そのイノブタが野生化し、イノシシと交わり、豚の多産性を持ったイノシシが次々と生まれ、繁殖しすぎたイノシシはエサを求めて山里を襲っているということです。

人間は、そして日本人はかつてないほどに豊かになりましたが、その豊かさによって色々な弊害も出ているようです。その最も大きな一つが、心の問題でしょう。誰もが本当の愛を求め、探していますが、なかなか見つけることが出来ません。しかし聖書は、ここに愛があると叫んでいます。この神の愛によって人が生きるならば、神様を賛美し、歌いつつ歩む豊かな人生が開けます。そしてお互いに認め合い、赦しあい、愛し合う、喜びの歌が地上に響き渡るでしょう。

ペニンスラ・フリーメソジスト教会 日語部牧師
榊原 宣行


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