バニラボール

グルカ

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共に地に落ちる雨粒と雨粒
2007年04月19日(木)

時候の挨拶は卆がなくていいけど、暑いとか寒いとかちょうどいいカンジ
とか割と芸がない。気温にまつわるエトセトラを言ってみたところで、サザ
エさんの季節割りのテーマみたいにありふれたことになる。でも、朝の出
会い頭かなんかに分かりきったことを口角泡飛ばして話合うのもなんだ
か悪くない。サザエさんもまぁ、悪くない。何気なくじゃなくて、けっこう
ムキになって言い合う、がポイント高いと思うのだけど。


今日とか、午後とか、限ってみよう
何時何分と、しぼりこんでみよう
更に閉ざして「この瞬間」に
私の傘の右端に
生地と骨との接触点に
糸が解れて歪んだ裂け目
その僅かな隙間を目がけ
ほとんど同時と言えるだろう
一つの雨粒と一つの雨粒
つるりと抜けて地に落ちた
私はもちろん気付かない
他にも誰も気付かない
千年たってもそのことは
本当にあった出来事として
誰の脳にも書かれてない
それでもやはり「その瞬間」は
「二つ」にとっては得がたい事実






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