ALALA 笙子

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2007年03月21日(水) 勝てない、もしくは、負けたい。

煙草を買おうと友人の家を抜け出した午前三時に、私たちは秘密を共有することで満たされる。寒い寒いと言いながらつなごうとした手を君が撥ねて、つまんないとか思ってポケットに突っ込もうとしたとき、ブロック塀に押し付けられていきなり強引にキスされる。背中ではコンクリートがひんやりとしているけど、愚かな私はまたも君の演出にまんまと転がされてしまう。私が満たせるのが君の性的欲求だけだとしても、何も求められないよりずっとマシだろう、と刹那的に思う。手が変な所にあったりして、君の目もウルウルしてたりして、「ここでしていい?」とか耳元でささやかれたりして、もう理性とかどうにかしそうだったけど、いつもみたいに笑ってごまかして、何もなかったみたいにして戻って、始発に乗って家へ向かう。君は手をつないだまま眠ってしまった。眠ってしまった横顔が可愛くて、抱きしめたくなる、だって切ないから。君になら負け続けたいよ。






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