ALALA 笙子

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2007年03月20日(火) そのための覚悟だから。

君を寝かせたまま私は家を出る。数時間の拘束時間を経て、「何時に帰るの?」とメールがくる頃には、家まで数百メートルの距離にいた。遅くに起きた君は、勝手に私の部屋着のカーデガンをはおって、勝手に私のパソコンを開いて、灰を落とすのを忘れた煙草を持ったまま、少し笑っておかえりと言った。半分だけ開いたカーテンから午後の光が漏れて、君の好きそうな音楽が気持ちよく流れていた。「臨時収入が入ったから、今日は焼肉でも食べに行こう」と決めて、子供のようにウキウキしながら手をつないで歩く。美味しい食事を前にしていると自然と笑顔になる。言葉に対する依存心の強さとか、それでいて感じる違和感とか、自分達に対する相対的評価とか、見飽きてしまった横顔まで含めても、常に疑問は感じていて当然だと思うけれど、たまにはこんなご褒美の夜もいいのかもしれない。

それが君が君を守る方法なのだとしても、どうか自分と向き合うことを恐れないで欲しいと思う。だけど君を繋ぎ止めておく方法なのだとわかっていても、私はもう引き返すことなどできない。責任を負うのは誰よりもまず自分であるべきなのだ。


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